これを写真集とか個展とか呼ぶのは甚だ身の丈知らずではあるが、継続していつか振り返れば轍程度の爪痕は残るだろうか…。スナップ好きとしてはやはり1月1日にカメラぶら下げうろうろしてこそである!四の五の御託を並べる代わりに写真を並べよう。うろうろスナップ写真集第二回、元旦の博多をここに。
人は、そこそこいた。
元旦午前9時半。思いの外、博多駅は人がいなかった。しかし全くいないという訳でもなく、中途半端に人がちらりほらり。かくいう私もその一人であるのだが。まだ2枚しかシャッター切っていないが、喉が渇いたのでいつものスタバにツツツっと足を運ばせる。いいのだいいのだ、楽しければなんでもありなのがスナップ撮影よ。
無人のロッカーをチェックする警備員をパシャリ。焦点距離は35mm、もっとガッと寄って70mmで撮れば良かったか。本日もレンズはNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sである。小雨が降っていて傘が必要な天候なので今日は荷物を軽くしたい。ショルダーバッグに入るようにレンズフードは外してきた。でもやはりカメラを構えると目立つ。ひと気がないからなおのこと。しかしこういうミックス光は現像が難しい。
博多駅からひとつ隣の町まで歩く。なんだ、それなりに人がいるではないか。
皮肉なことに神社の隣にはパチンコ屋が建っており、こちらも元旦から賑わっている様子だ。こういう矛盾も嫌いではない。しかし賭け事をしない人間に取ってはこれのどこが面白いのか理解に苦しむものである。なぜ元旦から負けて幸先の悪い一年を過ごさねばならないのだろう?理屈で考えれば賭け事はコスパが悪過ぎだ。まぁいい、所詮他人事である。
さて、博多駅から徒歩10分程度で着くキャナルシティ博多に立ち寄ってみる。ちょぱ衛門とやらのお出迎えである。こういう写真は図鑑っぽく撮ってしまう癖が抜けない。
屋外のストーブに雨が当たって蒸発していた。いうて九州の寒さである、なんてことはない。
しかし年が変わったところで人間が変わるわけではないものだな…としみじみ思う。撮り手の性格が滲み出た写真を見てニヤけるのも、また一興か。
あらゆるものがひっくり返った去年。開けて元旦、例年の賑わいこそなかったものの街に人はいない訳ではなかった。そこそこいた。これから先はどんな未来になるのだろう。
書店で立ち読み。
いやはや買えよ!という話ではあるが。昨今の本屋は座って立ち読みできるコーナーがあり大変ありがたいサービスである。今日も無印良品と丸善で立ち読みを満喫してしまった。
1冊目はForever Saul Leiter。この写真集、ソール・ライターの活動とカメラ業界の動向が目視できる年表が巻末にある。とても面白かった。一眼レフが初めて作られた頃とか、リバーサルフィルムが初めて市場に出てきた頃とか、そんな写真黎明期に撮られた作品の数々。ひたすら面白い本。
2冊目はillustration 2021。写真ではなくイラストレーターの作品集である。これがまた素晴らしい力作ばかり。各作家見開き1ページで作品が並ぶ。しかも齢20前後の作家たちだから驚きだ。若くして才に恵まれ惜しみげもなく作品を披露する姿勢には脱帽である。写真と違いイラストレーションは創造なのだと気付かされた。ほとんどが写真でいう所のポートレートなのだが、それぞれの作家が描く美男美女たちの魅力たるや。いやはや敬意を抱くならば立ち読みではなく買った方が正解なのだろう。
満足である。
元旦から良い刺激を頂けて大変充実した徘徊であった。写真を初めてよかったことの1つは、他人の作品への感受性や敬意を抱けるようになったことだろうか。上には上がいる。だから面白いのだろう。※おまけ:2020年と2019年のスナップ写真をまとめたのでこちらもどうぞ↓
では諸君、良きスナップLIFEを!かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)