気軽に始められるAPS-C用超広角レンズ 7Artisans 10mm F3.5 をZ50IIに1ヶ月つけっぱなしにして毎日写真を撮ってみたところ、このレンズの美味しいところと・自分の苦手分野を痛烈に突きつけられました。こういう発見があるから写真は楽しいのだ。
※この記事は焦点工房のプロモーションでお届けします。
とにかく軽装備!
ファーストインプレッション記事ではZfに装着しておりましたが、一日一撮では本来通りAPS-C機のZ50IIと組み合わせました。とにかくレンズが小さくて軽いです。カメラと合わせても680gです!このコンパクトさで換算15mmの超広角を楽しめます。

Z50IIはボディ内手ぶれ補正を搭載していませんが換算15mmなのでシャッタースピードの制限もかなり緩く、1/60秒もあれば手持ちでブレることもないでしょう。この速度はスナップで被写体が絶妙にブレてくれるので好みの値でもあります。開放F値が3.5という明るさのデメリットは遅めのシャッターで相殺できました。ファーストインプレッション記事のリンク↓貼っておきます。
超広角田舎スナップ。
7Artisans 10mm F3.5を使った中で一番描写の美味しい場所は近接撮影にあると感じました。ピント位置まで手を伸ばせば届くあたりの距離感です。この時のピント面の解像感は実にお見事。距離が近いとピント拡大時のファインダー像もはっきりしていてピントの芯を食いやすい感触がありました。

ピント以外の周辺の流れが被写体をさらに引き立ててくれる……というか、笑っちゃうくらい収差が酷いです。放射状に伸びているような印象すら感じます。お手軽レンズはこうでなくちゃ!

換算15mmは肉眼を超える世界です。端っこの被写体はノビノビになりますし、カメラがちょっと傾くと世界ごと傾きます。いつも以上に水平垂直が気になる画角でした。

まともに写るのは真ん中だけ…くらいの感覚で撮っていました。どうせ人間は真ん中に一番意識が向かうので問題ありません。真ん中最高ッ!

この田舎スナップは月初の出来事だったのですが、思い返せば1ヶ月の中で超広角レンズを使う楽しみのピークはここだったと記憶しています。都会ほど人目を気にせず被写体に寄れたことがよかったです。使い始めの初期になんとなく広角になるほど寄ることが大切だと気づけたことは学びでした。
街で日常使いして分かったこと。
地元に帰って超広角ライフを始めました。これがですね…かなり大変だったんですよもぅ!なにせ1ヶ月ずっと15mm縛りですから。広い…広過ぎるよ15mm。

漫然とシャッターを切ると同じような状況写真を量産してしまいます。画角内に入ってくる情報が多過ぎるのです。そんな時こそ寄ればいいじゃないか!と田舎で学んだ教訓が頭をよぎりましたが、超広角でパースの効いたダイナミックなスナップ写真を撮ろうと下から煽ったり、見知らぬ人にグッと寄ってじっくりフォーカスを合わせたり…できるはずもなく。そんなことしたら街ではもはや不審者です。

誰もがスマホで写真を撮ることが出来る今の時代背景・撮られる耐性に弱い日本人の気質・自分の撮りたい欲求とモラルの鍔迫り合い…もう何万回も自問自答しているいつもの葛藤ですが、自分は(社会に)写真を撮らせてもらっているんだという感覚を忘れずに持っておきたいと私は考えています。真面目過ぎるかもしれませんし綺麗事なんですけど、人様の嫌がることを白昼堂々と行える無神経さは持ち合わせておらず…。

街を歩いているときにスナップをしている人を時折見かけます。心の中で「同志よ…」とほくそ笑みながら、自分が射線上に入っても私はそれを避けたりはしません。撮りたい人の気持ちが分かるからですね。でももしコソコソ撮ってるような奴がいたら気持ちが悪いです。後ろめたいなら撮るな・撮るなら覚悟を持て、と。

その基準をそっくりそのまま自分に鏡返ししますと、超広角レンズで見知らぬ人のコンフォートゾーンに踏み込んでシャッターを切る日は来ないと思います。寄ることが肝になるであろう超広角レンズを人の多い街で使えない個人都合です。この壁を超えないことには撮影枚数はグッと減ります。困った。

正直に申し上げますと月の半ばで心が折れそうでした。でもその感覚も含めて自分の身の丈なのだと思いますし、裏を返せば寄れる被写体と一緒に暮らしていればシャッターチャンスは多分にあると思います。家族とかペットとか、羨ましいです。小型軽量を活かして旅行スナップのサブレンズにもいいかもしれません。
もちろん超広角で縛って写真を撮り続けるこの企画自体がイレギュラーなので、レンズ交換しながら他の画角と織り交ぜていくことが本来の用途だと思います。とにかく小ぶりで・寄った時の描写は美しく・気軽に始めるMF超広角レンズとして類を見ないバーゲンプライスですし、1つの経験として買っちゃうのはアリだと思います!
アナザーカットのYouTube版でも苦悶の様子をご覧頂けます(笑)。また開封時のファーストインプレッション記事もございます。もう少し作例を見たい方は是非ご覧下さい。
ブログ管理人:isofss(イソフス)