激安中古だった2008年発売のNikon D60。残念ながら私の手にした個体はAF時にピントがフォーカスポイントより前に来てしまう持病を抱えておりました。色々ググった結果、その症状が解決しましたのでここに記録を綴っておきます。(後ピン症状にも有効です)
ミラーボックス内にアクセス。
以下の内容は独自解釈ですので真似する方はくれぐれも自己責任でお願いします。まずD60のセットアップメニュー内にあるクリーニングミラーアップという項目を選択してミラーボックス内を開放します。部屋が埃の少ない状態で作業することを強くおすすめ致します!
ミラーアップすると、D60の場合ミラーボックス内に六角レンチで回す穴が2つ出てきます。手前の穴がミラーを介してファインダーに映る像とセンサーまでの距離を調整するものと思われます。フワッとした書き方になってしまうのは申し訳ございません。今回の経験則で書いている点はご了承下さい。この穴に六角レンチを差し込んで回すことになります。
手順と注意事項。
まず先に(1)手前の穴のファインダー像の調整を行いました。理由は、像を目で見る一眼レフだからです。AF前ピン問題が解決してもファインダー像がズレていたら本末転倒ですので…。実際、調整してみましたがここはほとんど問題ありませんでした。
調整方法ですが、カメラをMFモードにし→レンズ側の測距メモリを無限遠で固定→写真を撮ってピント位置を拡大して本当に無限遠になっているか確認→ズレていたらミラーボックス内の手前の穴に六角レンチを突っ込んで調整→再度撮影して確認、この繰り返しです。なんとも一眼レフらしい調整方法ですね。
対応する六角レンチ
これが正式解答かどうか定かではないのですが、我が家にあった六角レンチの中でD60の穴にフィットしたのは5/64インチでした。六角レンチにはmm規格とインチ規格が存在するようで、たまたま海外家具の組み立てで購入していたインチ規格の束の中にあった1本が使えました。D60はタイ製なのでインチ規格なのでしょうか?ちなみにL字タイプでないと物理的にミラーボックス内で回転できませんのでご注意下さい。
次に(2)位相差センサーに影響する奥の穴の調整を行います。正しくは、サブミラーから位相差センサーまでの距離と画像センサーまでの距離を=にする作業…とでも言いましょうか。要はここでAF時のジャストピントが決まるようです。
調整する際の回転方向ですが、時計回りでピント位置が前に・反時計回りでピント位置が後ろに移動する…ような記憶があります。作業時に書いたメモを紛失したため奥歯にものの挟まった表現になり申し訳ありません。行ったり来たりを繰り返しました。動かす度にレンズを装着してAFで無限遠テスト撮影→写真を拡大してピントが来ているかチェック。これをひたすら繰り返します。
特に奥の穴は画像センサーに近い位置に存在します。六角レンチですので穴に差し込む角度は60度刻み。しかし奥の穴は物理的に一度に45度くらいしか回転できません。1番難しかったのは六角レンチを穴に差し込む工程で、もしかするとmm規格のレンチが正解なのかもしれないとも感じました(入れるのが難しかったです)。ちょっと手を滑らせて六角レンチをセンサーにぶつけようものなら全てが泡になります。本当に気を遣う作業でした。
調整後の実写テスト。
あらかじめ家のベランダで無限遠チェックを行い、調整が成功したことを確信してから屋外スナップに出かけました。レンズはAF-S NIKKOR 58mm f/1.4 Gです。開放F1.4でAF撮影。ちゃんとピントが来るようになりました!
D60を中古購入して1年、今までは主に日中スナップをF5.6で撮影していました。おそらくジャスピンではないものの被写界深度内に全てが含まれていたのでしょう。前ピン問題が致命傷になったのはF1.4のレンズを購入して夜スナップを始めた最近のことでした。悪戦苦闘しましたがようやくスタートラインに着けました。
ミラーレスカメラ全盛期の時代に化石エントリー一眼レフを使うなんて酔狂ですが、やっぱり光をありのまま覗ける一眼レフは気持ちがいいものです。AF問題が解決したこのタイミングで最新Z50IIが登場し、コンパクトなカメラが好きな私としては当然Z50IIも予約しました。日常使いカメラとしては完全にD60と競合することになりますが…良きライバルとしてD60とZ50IIを使い分けていこうと思います。
今回の情報は視聴者さんから教えて頂いたものになりますが、お助け情報のリレーということでこの記事がD60の前ピン問題に悩んでいる方のお役に立てば本望です。では皆さん、また次の沼でお会いしましょう。
ブログ管理人:isofss(イソフス)