これは新品で買えるオールドレンズです!安っぽさを感じない鏡筒・収差だらけの開放描写、たまりませんでした。SG-image 35mm F1.2を使って1ヶ月毎日写真を撮ってきました。その感想を綴ります。

※この記事は2ndfocusの提供でお届けします。

写らないことを楽しむ。

カメラはフルサイズ機のNikon Zfを使っています。レンズはAPS-C専用設計ですのでDXクロップして使うことになります。月の前半はRAW現像しながら楽しみました。撮って出しは後ほど並べます。

SG-image 35mm F1.2で街スナップ。開放F1.2で撮影する猫ちゃん。圧倒的にボケる。周辺のぐるぐるボケも良い。
F1.2

開放F1.2の被写界深度はDXクロップ状態だと換算F1.8の時と同じ程度だと思いますが、それでもピント幅は非常に薄いです。猫ちゃんに怒られない範囲で近づいてシャッターを切らせてもらいましたが、ちょっと顔を動かされるとピントが外れるので没カットは相当数ありました。

SG-image 35mm F1.2で街スナップ。真っ白な猫ちゃん。オールドレンズライクな製品だが白飛びしていないのは好印象。
F1.2

安価なレンズだとハイライトがすっ飛んでいく事故が多発しますが、SG-image 35mm F1.2は結構頑張ってくれている印象を受けました。あと周辺のぐるぐるボケがすごいです!絞ると解消していきますがF4でも周辺の乱れは若干残っていました。襟を正したい時はF5.6以降・個性を出すならF1.2〜F2あたりがおすすめです。

SG-image 35mm F1.2で街スナップ。博多駅の入口。開放F1.2の時の周辺の収差の癖がすごい!
F1.2

開放で街スナップを取ると 今 撮ったはずなのになぜか昭和のにおいがします。これはけしからんですね(褒)。ピントは激薄ですが多少のピンボケもご愛嬌と思って 沢山撮ることにしました。良いレンズとは、シャッターの回数を増やしてくれるレンズなんだろうなと思うのです。歩留まりを気にせず楽しんでいきましょう!

SG-image 35mm F1.2で流し撮り。コンパクトな鏡筒なので取り回しは非常に楽だ。

RAW現像はお気に入りのプリセットをiPadアプリ側に登録しているのでボタン1つで8割型完成します。これをNikon純正のNX studioで再現できればImaging Cloud経由でカメラに登録してJPEG完結できるようになるのですが…これは宿題です。

レンズの造りが良い。

お世辞抜きにSG-image 35mm F1.2をここまで好きになれたのは描写の癖要素だけではありません。もう1つの大事な魅力、それはレンズの造り込みです。(1)レーザー刻印された測距メモリ、(2)ヌルヌルのMFリング、(3)ガタツキのない建て付け、(4)小気味のいい音で装着できる金属キャップ、これらの品を備えた上で(5)195gというコンパクトさよ!

SG-image 35mm F1.2で街スナップ。標準画角の万能性を改めて思い知った。リフレクションを使って建物と木を撮影。

注意点としては、大きな前玉を汚したり傷つけたりしないように気を配ったほうが良いと思います。フィルター径は46mmなのですが、家にストックがなかったので今回はプロテクトフィルターを着けずに1ヶ月間使いました。前玉に指が当たって汚したことが何度かありました。(私のような神経質タイプの方はご注意下さい)

SG-image 35mm F1.2でクリームパスタを撮影。最短撮影距離は40cmとかなり寄れるレンズなのだ。
最短撮影距離で撮影。

一般的には大口径レンズは寄れないイメージがありますがこのレンズは最短撮影距離は40cm。標準単焦点レンズの中では比較的寄れる方ではないでしょうか。寄れると撮影の幅が増えるので嬉しいです。寄れるのに明るいという贅沢なところも魅力です。

SG-image 35mm F1.2で街スナップ。波止場の向こうに工場群が逆光でシルエットになっている。

誉めてばかりではいけません。きちんと弱点にも触れておきましょう。それはフルサイズ対応ではないことです!APS-C専用レンズなのです。このビルドクオリティで・このコンパクトさで・寄れる明るい標準単焦点レンズだったら嬉し過ぎて気を失っていたかもしれません。(…と言いつつこの記事の写真は全てフルサイズ機でクロップして撮影していますけどね)

完成されたJPEGをあてる。

さて、ここからはJPEG撮って出し写真です。Nikonのフレキシブルカラーピクチャーコントロールを使っています。このレンズに似合うレシピを使ってJPEG完結させていきます。非常に気持ちが軽くなりました。

SG-image 35mm F1.2で街スナップ。横断歩道を渡る人々。フレキシブルカラーはNoble。

JPEG撮影の場合はデータ転送もクラウド経由で済ませています。帰宅後のワークフローがスムーズになりました。RAW現像時ほど派手な色調整とはなりませんが、日常スナップにはちょうどいいですね。

SG-image 35mm F1.2で街スナップ。 駆け抜ける車の向こうにショッピングモールが見える。フレキシブルカラーはNoble。

標準画角で1ヶ月間写真を撮り歩いて、改めてこの画角が好きになりました。50mmに始まり50mmに終わる…とは言い得て妙です。人生最後の沼の終着駅は50mmあたりにしたいですね〜。

ガラス越しの電球が光っている。奥に通行人も見える。SG-image 35mm F1.2で街スナップ。 フレキシブルカラーはGlimmer。

いやはや、恐れ入りました。最近の中華レンズの進化には驚かされてばかりです(最近こればっかり言っていますが)。一昔前とは明らかに違うステージに入ってきている気がします。今後、中華レンズがスタンダードの座を確固たるものにする未来もあるかもしれません。MFレンズは特にですね。安く買えるのは今のうちか….なんて。

2ndfocus
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SG-imageはファントムレンズやウルトラシンレンズなどの個性派レンズを作るメーカーという認識で好きでした。今回もしっかり心を掴まれました。今後も楽しみにしています。この記事のYouTube版も作りますので是非ご参照下さい。ではまた!

YouTube版です〜

ブログ管理人:isofss(イソフス)