小さいMFレンズをAF化してスナップ写真を撮り歩きたい!…実際にやってみました。レンズはCOSINA現行品で最も小さい COLOR SKOPAR 35mm F3.5 Aspherical 。このライカMマウントレンズをNikon Zボディに繋げます!いでよ、TECHART TZM-02!

MFレンズをAF化する夢。

なんでこんな七面倒くさいことをしているかと言うと、一重にMFレンズが好きだからです。最近のレンズはいけません。MFが出来ると言ってもバイワイヤー機構、極端に言えばですから。電子的なフォーカシングに浪漫などあろうものか。(※筆者は重症です)

Z50IIとTECHART TZM-02とCOLOR SKOPAR 35mm F3.5の機動力重視スナップカメラ、外観。
カラスコ × TZM-02 × Z50II

COLOR SKOPAR 35mm F3.5 Aspherical が発表された時、私は小躍りしました。COSINAのレンズは世界一フォーカスリングがヌルヌルだと思っています。このヌルヌル感を維持しながらAFまで出来たら機材沼がついに終わるだろうと…そんな甘い夢を見たものです。

COLOR SKOPAR 35mm F3.5とTZM-02の相性問題。物理的に干渉してしまうのでフォーカシングノブを分解しないと正しく装着できない。
カラスコとTZM-02の相性問題。

結果から申し上げますとその夢は儚く散りました。フォーカシングノブが僅かに物理干渉してしまうのです。無限遠位置まで回さないとTZM-02が正しく動作しません。無理矢理装着するとアダプター側に傷が付きます。惜しい、惜しすぎる…。

看板にニコちゃんマークの落書きが書いてある。カラースコパーの街スナップ写真。
写真は全てJPEG撮って出し。

諦めたらそこで試合終了ですよ?とりあえずフォーカシングノブを分解して取り外しました。自己責任です。(詳しくはYouTube版で動画で説明しております) そんなことより写真を撮りに行かねば!

COLOR SKOPAR と TECHART TZM-02 の組み合わせでトンビが舞い降りてきた瞬間を狙ったがピンボケになった!惜しい。
急いでいるとAF外しがち(ご愛嬌)。

AF化のために使っているアダプターは TECHART TZM-02です。焦点工房で買うことができます。ライカMマウントをNikon Zマウントに変換しつつAF化するチートアダプターです。サードパーティ製品なのでたまにピンボケすることもありますが細かいことを気にしてはいけません!MFレンズのAF化なんてもう奇跡みたいなことですから。

ネモフィラ畑をCOLOR SKOPAR 35mm F3.5で撮影。カメラはZ50II
フレキシブルカラーピクチャーコントロールで撮影。

カメラはZ50IIを使用しています。COLOR SKOPARの35mm画角がクロップされて52.5mm付近です。明るいシーンでは何ら問題なくAFが駆動します。もちろん認識系のAFも使えます。

COLOR SKOPAR 35mm F3.5でお一人様花見のお昼ご飯を撮影。寂しい。
クロカワリュートさんのレシピ : Neighborhood

春のネモフィラを見にきました。お1人様ですけど何か? 周りは家族連れやカップルばかりですが、私は写真を撮りながら観光地価格のお昼ご飯を頂いているだけです。いやぁ…撮影が捗るなぁ…(心の涙)。

COLOR SKOPAR 35mm F3.5で街スナップ。公衆電話とガラスの写り込みを撮影。

TZM-02をAF駆動させる際はレンズを無限遠ロックしておかなければなりません。COLOR SKOPAR側のフォーカシングノブを外してしまった関係でロックが出来なくなったのでテープでレンズを固定して運用していました。ちょっとダサいのは仕方ないですね。

部屋に差し込む夕日がケーブルの束を照らしていた。COLOR SKOPAR 35mm F3.5でお家スナップ。

COLOR SKOPARはフォーカスリングと絞り環がほぼ同じ位置にあるのでテープで固定してしまうと十中八九F値までロックされてしまいます。それも粋か…と思い、1ヶ月間F5.6縛りで写真を撮り続けました。当記事の写真は全てF5.6となります。

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なお、暗い環境だとAFの打率が極めて下がります。F5.6縛りだったので尚更厳しい結果になりました。フォーカシングノブの干渉さえなければテープ固定の呪縛から解放されてバシバシ合焦していたことでしょう。…これは、物理干渉しないMマウントレンズを買い直せというお告げでしょうか。いずれにしてもTECHARTの技術には脱帽です。私はこのアダプターに首っ丈です。

サンデー適用度30%

最近のZボディにはフレキシブルカラーピクチャーロールなるお洒落な機能が搭載されるようになりました。RAW現像パラメータをカメラに最初から登録しておいてJPEG撮影に反映させることが出来ます。その新機能の傍で忘れられようとしているのがクリエイティブピクチャーコントロールです…

地域猫ちゃんをCOLOR SKOPAR 35mm F3.5で撮影。APS-Cで撮影しているので換算52.5mmになる。ギリギリのプライベートゾーンまで侵入。
サンデー(適用度30%)

皆さん、覚えていらっしゃいますか?…使っていらっしゃいますか?…そうですよね、数が多過ぎるんですよね。あるけどない…みたいな気持ち、分かります。

COLOR SKOPAR 35mm F3.5 をNikonデフォルトのクリエイティブピクチャーコントロールSUNDAYで使ってみる。日曜日の人のいない工事現場を撮影。

フレキシブルカラーが最初から入っているZ50IIでは、使わないピクチャーコントロールを非表示にする絞り込み設定が可能になりました。なんという下剋上でしょう。そんな不甲斐ない窓際クリエイティブピクチャーコントロールを使ってあげようじゃありませんか!(いちいち名前が長いのは玉に瑕…)

無印良品のオブジェと、店内を散策するお客様。COLOR SKOPAR 35mm F3.5の街スナップ。
適用度30%

今回はサンデーを選択しました。月の半分くらいをこの設定で撮影していました。クリエイティブピクチャーコントロールは適用度を調整できます。濃くなり過ぎないのがいいですね。

COLOR SKOPAR 35mm F3.5 は、F値が暗い場所は結構厳しいです。感度が6400を超えたあたりから画質も厳しくなる。オシャレな暗い飲食店で撮影した作例。
適用度60%

フレコン(略)もクリピク(略)もハマれば強いという印象を強く持っています。いかんせん選択肢が多過ぎるのでお気に入りを探し当てる前に気が滅入ってしまうのは勿体無い現実だと思うのです。Nikonには less is more (ないほどにある、という建築分野の名言) を実装してもらいたいものです。

Zfにも着けてみた。

本来はフルサイズ機に着けるべきレンズですよね。…というかM型ライカで使うのが筋でしょうけども。いつかライカが似合うおじになりたいものです。それまではZfに装着してお茶を濁しましょう。

ZfとTECHART TZM-02とCOLOR SKOPAR 35mm F3.5のロマン重視スナップカメラ、外観。
Zf × COLOR SKOPAR 35mm F3.5

換算35mmで撮影し、JPEG写真をiPadに取り込んだ後に現像プリセットをJPEGに適用しています。RAW現像が面倒な時はこのパターンが多いです。

COLOR SKOPAR 35mm F3.5の街スナップ。博多駅前の交差点。JPEGをシネマチック加工しています。カメラはZf

Photomatorというアプリを使っています。このアプリが出た当初600円くらいで購入して今でもメイン現像ソフトとして使っています。残念ながら現在は高額化したようです。Photomatorは機能的にはほぼLightroom。操作系はCapture Oneにも似ています。おかげで私はAdobe製品を一切使わなくなりました。RAWデータだけだとレンズプロファイルが外れてしまう欠点(つまり歪曲収差などが補正できない欠点。しかしRAW+JPEGだと補正が生きる謎仕様)が存在しますが、そもそもMFレンズを無理矢理アダプター経由で着けているのでプロファイルもへったくれもありません。なので、加工するならちゃんとRAWで記録しておけばよかったですね。

COLOR SKOPAR 35mm F3.5でバス停に並ぶ人たちを撮影。元の画質はフラットに出てくれるからJPEGを加工しても使いやすい。
糸巻き型の歪曲収差がありそう?

Photomatorには無数のプリセットが用意されており、それをカスタマイズして自分用に保存することも可能です。操作はNX studioのフレキシブルカラーピクチャーコントロール作成に酷似しています。カメラからJPEGをiPadに転送してボタン1つでプリセットを当てていく…そんな手抜き加工で骨を抜かれてしまいました。楽なんだもん。PhotomatorはAppleが買収したという話を聞いたので、そのうちiPhoneやiPadの純正アプリで出てくれないか期待しています。

COLOR SKOPAR 35mm F3.5をマウントアダプター経由で使う場合、APS-Cクロップすると歪曲収差は気にならないレベルだがフルサイズのZfだと糸巻収差が少し気になる。

もちろん8bitのJPEG写真を無理矢理加工するので階調は詰まった感じになります。それをエモとかフィルムライクと表現するのはあまりに安直ですが、日頃から純正レンズのHi-Fi描写に目が慣れているのでむしろ写らない写真の方が新鮮に感じます。

TZM-02を使ってCOLOR SKOPAR 35mm F3.5をAF駆動させています。博多駅前で街スナップ。カメラはZf。

お気に入りのカメラ(Zf)、お気に入りのレンズ(カラスコ)、簡単な写真加工(iPad)、それをSNSにあげてキャッキャ言ってるうちが幸せなのかもしれません。趣味ですからね〜

COLOR SKOPAR 35mm F3.5で黄色いバスを撮影。色あせた処理でフィルムライクに。Zfで使うと本来の35mm画角で使えます。

それはそうと、Z50IIからZfに切り替えて35mmの難しさを痛感しました。あと一歩二歩近づいてシャッターを切るべきでしょうか。漫然と構えていては平凡なおじさんの平凡な生活が写ってしまう。

COLOR SKOPAR 35mm F3.5で歩く人をスナップ撮影。カメラはZf。35mmなので勇気を持って近づかないと。

とはいえ自分に嘘はつけませんから、平凡な写真を量産することも身の丈と言うものです。いつか歳を取って写真を見返えす時が来たら「嗚呼、平凡な人生だったな」なんて言いながらぼんやりお茶でも飲んでいたいものです。

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もう本当に、フォーカシングノブの干渉さえなければCOLOR SKOPAR 35mm F3.5 Asphericalは私の人生最後のレンズ沼になったかもしれません。惜しい。あと一歩の所でした。実はこれに替わる(可能性を秘めた)レンズを見つけたのですが、1ヶ月使ったくらいで結論を下すのも味気ないので乗換の判断を先送りしています。…まぁそのうち買うんでしょうけどね、この流れだと。

ではまた。

ブログ管理人:isofss(イソフス)