スマホカメラでエモい写真が量産できたら…と思い立ち、蛇腹カメラZEISS IKONを改造してスマホ用アナログバックにしてみた結果をここに綴ります。もはや夏休みの宿題みたいな実験です。全国の親御さんの皆様、お子さんの自由研究のアイディアにいかがでしょうか!?(最後に動画版のリンクもございます)
アナログバック自作!
こちらの古めかしいカメラはZEISS IKONでございます。相当な年季もので芳しい香りも少々…。前編では分解清掃した時の話を綴っております。ZEISS IKONは中判フィルム645規格の蛇腹カメラとなりますが、昨今あまりにもフィルム代が高騰しておりますので素直なフィルム撮影は断念しました。そもそもピント合わせが目測のみという鬼仕様でもありまして。
目標はこの蛇腹カメラで撮れるはずの像をデジタル写真で記録することであります。そのためにカメラの裏蓋を開けたフィルム装填面に乳白色の板状のものを貼り付けました。コツはとにかく真っ直ぐ貼ることです!ZEISS IKONでなくても原理原則は同じですので他のフィルムカメラでも再現可能かと。
何度か試作して最終的に無印良品の文房具売り場にあったポリプロピレンのポーチを切って使いました。パーマセルテープで貼り付けているので復旧するとしても糊跡の心配はございません。
このアナログバックに像を写すためにバルブ撮影(シャッターを開き続ける)に片腕を使い、もう片方の手でスマホ撮影せねばなりませんので、必然的に実写テストは三脚固定が必須となりました。
バルブでシャッターを開くとあら不思議!アナログバックに像が浮き出ます。これをスマホカメラで撮影する訳ですが、明るい環境だとアナログバックの像が光量負けしてしまうので(本来であれば冠布という専用の布を被るのですが)↑私はケチって黒いTシャツを被りました。非常に怪しい見た目になります。
実写テスト。
撮影した写真は像が上下左右が反転しているので、それを編集アプリで調整してあげます。スマホ純正アプリでも問題ないのですが、撮影や仕上がりにこだわりたい場合は、撮影時はRAW撮影アプリを・編集時はRAW現像アプリを使うと面白いです。当ブログで使っているアプリのレビュー集貼っておきますね↓↓↓
アナログバック×スマホ撮影の限界、それはひとえに画質です。例えば画像中心部だけが明るくなる問題。これはアナログバックで使っている素材が光を満遍なく投影できていないことが原因と考えられます。本来の素材であるフォーカシングスクリーンを加工して使えば改善するかもしれませんが、高価な上に精密素材ですので素人にはハードルが高過ぎました!
とはいえ現状で写ってくれる写真もどこか懐かしいような、いわゆるエモいっぽい写真にはなってくれます。これを「いい写真」と言えるかどうかは見た人の反応次第でしょうけども。少なからず1枚1枚を大事に撮影する体験は貴重なものでした。
ほんの数十年前であればもっと過酷な状況で撮影せざるを得なかった訳ですよね。取り直しできないフィルムで測距も露出も目測…という歴史を考えると、デジタルで無限に撮影できる現代カメラは贅沢の極みなのかもしれません。
一眼カメラでマクロ撮影してみた。
ここまで来たらもう1歩踏み込んでみましょう。アナログバックを一眼カメラ×マクロレンズでガチ撮影してみます。カメラをカメラで撮る…という滑稽な図になっております。
当然ながら黒いTシャツを被せます。はい、だいぶ怪しいです。
そうやって撮影した画像がこちら。…スマホカメラよりは幾分解像感が増しました。こういう無茶な撮影は露出もピントもダイレクトに確認できるミラーレスに限りますなぁぁぁ!!…というレフ機ユーザーの叫びをお納め下さい。なお、普通に一眼カメラで撮影すると↓↓↓こうなります。
こっちでいいじゃん!!!!
引くに引けず撮影を続けます。道端に咲いていた花です。大通り沿いでしたので道ゆく人の目線をモリモリ感じました。もちろん黒Tシャツを被ってます。なお、一眼カメラで普通に撮影すると↓↓↓こうなります。
もうこっちでいいじゃん!!(2度目)
時には不便を楽しもう。
こういう遠回りも悪くないな…という学びがありました。スマホ写真だけに限った話ではありませんが、技術の恩恵に浴してありがたさなど感じなくなってしまった我々の生活水準。しかしルーツを辿ればZIESS IKONのようなアナログ丸出しの時代も間違いなくあったのです。たまにはこういう不便に触れておくのも粋ですね。温故知新とはよく言ったものです。
取り止めもございませんが、こんな自由研究を通して将来お子さんをカメラ沼に引き込みたい全国の親御さんの一助になれば幸いです。では皆様、良きカメラLIFEをお送り下さいまし。かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)