本日は博多もまた大変な大雪であった。“積もった”というのは本当に久方ぶりであるように思う。案の定会社から「今日はクローズ!」と朝一番朗報が舞い込んできたので、これはもう写真を撮りに行けと言われていると解釈しよう。で帰ってきて久方ぶりにNikon純正のRAW現像ソフトCapture NX-Dをいじってみたのだが、なんとピクチャーコントロールの「モーニング」設定が雪景色にぴったりハマるではないか!驚きついでに記事にしてみた。是非ご鑑賞あれ。

1.RAWで撮っておいて後で現像。

もちろんJPEG撮って出しでもいいのだが、細かく色を調整したい場合はRAW現像に勝るものはない。特にNikonのカメラを使う場合、クリエイティブピクチャーコントロール(いわゆるエモいフィルターの設定)の調整幅は0から100の値で10段階の刻みしかない。しかも1段いじるだけでもかなり見た目は変わってしまうので、やはり後から画質劣化なく匙加減を変えられるRAW現像は有利である。とはいえだ、現像ソフトのCapture NX-DはPC専用ソフトなのでスマホやタブレットだけで完結したい人にとっては手間がかかることは間違いない。そこまでのやる価値はあるのか…写真で判断してみよう。

モーニングを適用する。

ちょっとだけ緑を足した設定「モーニング」

クリエイティブピクチャーコントロールの項目からモーニングを選ぶ。すると緑がかった表現になる。(※個人の感想です。) なんともフィルムっぽい。語彙力のかけらもない言い方だがなんかエモいぜ。ちなみにZ6のムック本によるとモーニングの説明は下記の通りである。

早朝のすっきりした空気の中で撮影したような印象を持つ。暗部をやや明るめにし、全体の色調を透明感のある青傾向にすることで、爽快感が出る。

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んん…どう見ても青じゃなくて緑に転んでいる気がするのだが。

ちょっとだけ周辺減光させるとなお良い。

使っているレンズがNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sなので元の色情報は非常に素性が良い。これをこのまま書き出してしまうとエモくならないので現像時に周辺減光を加えている。また雪を目立たせたかったのでクイックシャープを+1にしている。

後調整が大前提。

現像設定の大筋が決まったので、あとはRAW現像の設定をコピペして微調整していこう。これは個人的な癖なのだが私は撮影時はあまり露出のことを考えていない。どうせRAWなので後調整に無限の可能性があるという安直な考え。あぁJPEG撮って出しおじさんに絡まれそうだ。スナップ撮影は基本マニュアル露出(感度だけAuto)で決め打ちである。撮影時はより撮影を楽しみたい。特に水平を取ることに全集中したいのだ。余裕があるときはシャッタースピードを変化させてブレを楽しんでみたりもする。

適用度は40あたりがベストマッチかな。
シャッタースピード1/30秒
ピントを外しても雰囲気は残るから面白い。
シャッタースピード1/250秒

スナップにはズームレンズ。

これも蛇足だが、スナップ撮影にズームレンズは相性が良いと思った。雪が降っている中でレンズ交換なんて正気の沙汰ではないし、だからと言って単焦点だと表現の幅は狭くなる。さらに言えばNikon Zマウントの場合、小三元のNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sだと沈胴式レンズを一定角度以上伸ばさないと撮影すらできない。そうだ!この大三元NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sこそスナップ撮影にベストマッチレンズなのだ!…そう言いながらこの記事の写真は全てF5.6以降で撮っているので本末転倒なのだが。誰しも自分の機材が最高だと正当化したくなるものである。

レンズの素性の良さは色をいじった時に出る。
70mm
どこか懐かしい、フィルムチックな写り。
24mm

ただし大三元であってもズーム鏡筒が沈胴式であることには変わりないので、雪が溝や隙間からレンズ内部に侵入しないか気が気でなかったのも本音。コンパクトさを犠牲にしてでもインナーズームにして欲しかったなぁ。とりあえず帰宅してから丁寧に拭きあげて乾かしておいた。

エモいとはこういう写真のことかしら写真のことかしら?
70mm
額縁構図で目線を誘導。
70mm

2.実はモノクロームも良さげ。

標準ピクチャーコントロールのモノクロームも実は雪景色と相性が良かったりする。でもそのままだとノッペリしがちなのでトーンカーブをS字で調整してコントラストを高めている。↓この写真は当記事のアイキャッチ写真のモノクロバージョンである。どっちの表現も好みであった。

雪景色はモノクロが似合うなぁ。

ちなみに↓この写真もモノクロームなのだが、ぱっと見カラー写真っぽいから不思議だ。不思議といえばマンホールに雪が積もらないのも変な現象だ。ググってみたら地下は温かいらしい。

色があるように見えるが実はモノクロ写真。

今日のスナップの中で1番のお気に入りは↓この写真。シャッタースピードは1/250秒・絞りF5.6・ISO感度はAuto、いつも通りの設定。あっと思ったらパッと撮る。後ろ姿に敬意を込めて。

雪の中を傘なしで歩く人。

ソール・ライターを真似て。

だから何だと言われればそれまでだが、雪といえばソール・ライターだと相場は決まっている。この編集はCapture NX-D単体では不可能なので、モーニングとモノクロームで現像した写真を別ソフト(iPad用AffinityPhoto)に流して加工している。加工といっても単純で、下レイヤにカラー写真・上レイヤにモノクロ写真を配置し、上レイヤーにマスクをかけて一部モノクロを消しているという方法。デジタルってすごいな。

ソール・タイターを真似てみた。
マスクを使ったモノクロ表現。

大変満足。

なんといっても今回最大の収穫はクリエイティブピクチャーコントロールの使い道を見つけたことだった。モーニング、いいじゃないの。PC現像というのは面倒なので普段は敬遠していたのだが、場合によっては使ってもいいのかもしれない。願わくばXQDカードをカメラから抜き差ししなくてもPCにRAWデータを簡単に・素早く流し込む方法があれば最高なのだが…。スマホ写真の手軽さに見習ってもらいたいものだ。このデータハンドリングの課題は改めて記事にしようと思う。

まぁ手間がかかっても写真がカッコよく仕上がるのなら良しとするか!蛇足だが、当記事の撮影に使ったレンズはこちら↓↓↓本来の描写力はモーニングで捻るのが勿体無いほどエグい。

そんな訳でモーニングをよろしくどうぞお願い致します。かしこ。

ブログ管理人:isofss(イソフス)