家族で撮ったフィルム写真を親にサプライズでプレゼントしたいと思い立ちまして。生きてるうちに親孝行というやつです。せっかくなのでポジフィルムをそのまま額装しようという計画です。こういうのは作ってる最中が楽しいんですよねぇ。

デカいポジに憧れて

ウエストレベルファインダーに憧れてHasselblad 500C/Mを買ったのが今年の初め。今回の記事でフィルム2本目の生まれたて1年生ですがいきなりポジフィルムセットを買いまして最初からハードモードです。だってフィルムが大きいんですもん。大きいは正義です!

使っているカメラはHasselblad 500CM。これにポジフィルムのブローニーフィルムを装填している。

フィルムと現像代を1本(12ショット)で割ると1ショットあたり約400円の道楽となります。色が反転しないポジフィルムの特性と中判フィルムの大きさを考えるとそのまま飾れそうじゃん!という妄想に至りました。金がかかる以外はロマンに溢れています。

マップカメラ楽天市場店
¥15,186 (2024/12/04 19:05時点 | 楽天市場調べ)

以下、本記事の内容は1分のショート動画でまとめていますのでお急ぎの方はこちらをどうぞ。

さて本題ですが、まずは撮影が終わったポジフィルムを現像に出します。ヨドバシカメラに持って行ったところ10日程で戻ってきました。フィルムを1枚ずつカットしてHOSHO(ホーショー)のスライドマウントに嵌め込んでいきます。

HOSHOのスライドマウント(100枚入)を購入。これを黒く塗ります。

100枚入で白枠を購入。リンクの関係で↓楽天価格を表示していますが私は同じものをAmazonで1400円で買いましたので皆様ぼったくられないようご注意下さい。

MOAセレクト
¥4,829 (2024/12/04 19:05時点 | 楽天市場調べ)

白枠はネガフィルムだったらデジタイズ後に反転して黒くなりますが、今回はポジフィルムなので枠ごと塗装することにしました。カンペハピオのシリコンスプレー(Amazonリンクはこちら)を使っています。相手が紙なので吹き過ぎには注意が必要です。

HOSHOのスライドマウントをラッカースプレーで黒く塗装している様子。屋外で行います。

↑上の写真の左側が吹き過ぎています。時間が経っても芯まで乾いておらず他のスライドマウントにくっついて大変でした。当然ですがこの作業は屋外で行います。

黒く塗装したスライドマウントは完全に乾くまで放置します。ここが甘いと後で枠がベタついて大変なことになります。

ある程度乾いたところで室内に移動させて乾かします。1本分12セットです。

乾いたスライドマウントにカットしたブローニーフィルムを装填していきます。スプレーで枠の粘着性が低下しているので両面テープで補強します。

乾いたらフィルムを載せていきます。フィルムは素手で触りたくないので200円くらいのエツミの専用手袋を買いました(Amazonリンクはこちら)。スライドマウントには表裏があり、裏面には小さな丸ポッチの凹みがあります。本来は内側に糊がついていますがスプレーの回り込みで糊が弱くなっていますので両面テープで補強します。写真の水平垂直に気を遣いながら1枚ずつ仕上げていきます。この時間が楽しいの!

完成したものを光にかざしているのが記事冒頭の写真です。ポジフィルムといっても自身が発光している訳ではないので鑑賞するには光源が必要ですね。スマホの透過光に慣れているのでポジフィルムは新鮮で変な感覚です(笑)。実はこれで9割完成ですが、せっかくなのでデジタル化もしておきたいと思います。

自分でデジタイズ。

では出来上がったポジフィルムを枠ごとデジタル一眼カメラで撮影してデジタイズしていきましょう!以下のやり方はガチ勢さんには怒られるかもしれませんが生暖かく見守って下さいね。まずは100均でカラーボードを買ってきます。大きい方がいいです。

デジタイズ用の枠は自作します。100均で大きめのカラーボードを購入します。

スライドマウントよりちょっと小さく・フィルム面より少し大きなサイズで真ん中に穴を開けます(↓写真左)。クリアファイルをカットしてレールを作り、カラーボードに取り付けたのが写真の右側です。

カラーボードに6cm×6cm程度の穴を開け、事務用品のクリアファイルなどを使ってレールを作ります。
ちなみに表裏間違ってる(右)↑

こちゃごちゃごちゃしているのが苦手なので黒のパーマセルテープで美しく仕上げます。パーマセルっていいですよね(ちょっと高いけど)。私は黒と白を常備しています(高いけど!!)。

コジマ楽天市場店
¥2,720 (2024/12/04 19:05時点 | 楽天市場調べ)

これをマクロレンズで撮影します。最終的にスクエアにクロップしますのでこういう場合の高画素機は便利ですね。↓フィルム1本目はストロボを仕込んだソフトボックスの前にボードを垂らしました。ディフューザーとフィルムが近過ぎて、ディフューザーの折り目が明るい部分に写り込んでしまう事象が発生。ある程度離した方が良さそうですね。

このスライドマウントのホルダーが完成したらそれを明るい背景の前に置いて、平行に設置したデジタルカメラでマクロ撮影します。

ストロボ光以外の要素はブラックボックス(撮影しても真っ黒な状況)にしておき、ストロボの色温度に合わせてホワイトバランスは5600Kで固定。RAWで撮影して後ほど現像。しかしどうも色が安定しませんでした。この時の写真は過去記事でご覧頂けます。

今回は2本目の挑戦でしたのでLEDライトでやってみました。壁にバウンスさせています。フィルムの端と端では光量が若干変わるかもしれませんが…まぁ細かいことは許容することにしましょう。

1本目のフィルムはストロボを使いましたが、2本目はLEDライトにしました。こちらの方が安定した印象です。

手作業なので厳密にフィルム面とカメラのセンサー面が平行になることはないでしょう。素直にスキャナーを使えばいいのかもしれませんが、スキャナーを買うお金・置く場所を考えると多少雑でもこれでいいかな…と思いまして。でも結局使い終わった後のカラーボードの置き場所に困りました。ちなみにこのDIYの35mmフィルム版もあります。まだ喋・っ・て・な・い・頃のisofss初期動画です(珍)。

当時は1か月1本で1分半という(懐)。

では実際に取り込んだ写真を見てみましょう。以下の4枚はLEDライトを光源にしてデジタイズしたものです。RAW撮影後クロップしています。

ブローニーフィルムのデジタイズ作例1。夕方の博多駅の交差点で人々が歩いている様子。
博多駅前

うーん、ネガと違ってポジはトーンカーブを反転させなくてもいいのに…見た目とデジタイズ後の色に違和感があるのです。マゼンダとグリーンの間の調整が難しいです。↑この写真に関してはそもそも色温度がデイライトのフィルムで日陰を撮ったことが影響しているのかもしれません。独学の限界ですね。これはちゃんと色の勉強しないといけません。

ブローニーフィルムのデジタイズ作例2。キャナルシティ博多の取り壊しが確定しているイーストビルを記念撮影。
取り壊しが決まっているキャナルシティ・イーストビル

この写真のフレアはフィルムに焼き込まれていたものです。レンズはPlanar C80mm F2.8の銀鏡筒、コーティングが無い初期型ですので逆光には弱いタイプです。でもこのレンズ、形がかっこいいんですよね。

ブローニーフィルムのデジタイズ作例3、チューリップの花壇の向こうにカップルがいる様子。

それにしてもスクエア写真って情報の整理が難しいですね。沢山撮って体で覚えたいところですが中判ポジだと財布が持ちません。ここは1つデジタルバッグのCFV100Cを狙うべきか…いやいや112万円っスよあれ。

ブローニーフィルムのデジタイズ作例4。田舎の田んぼと雄大な山。スクエアフォーマットはこういう写真が似合う。

フィルム2本目の成果は、上記のスナップ4枚・残りの7枚がポートレート・露出ミスで真っ黒だったのが1枚(スナップ)という結果でした。デジタイズ写真が全体的にマゼンダ被りしている件は今後の宿題とします。

無印良品の木枠に入れる。

7枚の人物撮影のうち両親を撮ったものが1枚ありまして、実家に飾る写真として今度の帰省の時にサプライズしようかなと思っています。顔を晒すわけにはいかないのでスナップ写真でイメージをご査収下さい↓↓↓

出来上がったポジフィルムを無印良品のフォトフレームに入れて明るい場所におけば完成。

無印良品のフォトフレームを買ってきました。1300円くらいでした。アクリル版2枚でスライドマウントを挟み込んでいます。圧力だけだとズレ落ちることがあるので裏面の一部に両面テープを貼っています。ここで黒のスライドマウントが活きますね!後ろが明るいと写真が浮かび上がってきます。注意点としては、暗い環境だと写真が見えないことと、木枠自体はオシャレだけどアクリル板が傷がつきやすいことです。汚れを拭こうと思ったら拭き傷がついてしまいました。

窓際に置きっぱなしにした時にフィルムがどう褪色するかが分からない儚さも含めて、これを複製不可能な世界に1枚だけの写真額装と謳えばエモが散らかるでしょうか。こんな家族写真だったら自分の家にも飾りたいかも。あ…私、独身でした。

ブログ管理人:isofss(イソフス)

動画版もあるよ。