フィルム写真のデジタル化にあたって思いついたことがある。せっかく手元にデジタル一眼があるのだ。自分でフィルムのデジタイズやっちゃおう!だって楽しそう。脊髄反射ばりの思いつきでフィルムホルダーを自作することにした。さて、使い物になるか否か!?
↑実は買った方が早いが…それを言ってはおしまいだ。(高額だし!) そもそもフィルム写真こそデジタル社会では不便益の極みである。こうなったらとことん手作業に振り切っていこう。という訳で早速…
1.素材集め。
もはやゲーム感覚!もちろん真剣に。ゴールはフィルムを水平にホルダーすること。そいつをデジカメで撮ってデジタル写真にする。だからフィルムはしっかりホールドしたい。台座は固い方が良いと思い物色していたら、ピッタリの商品を見つけた。無印良品のアクリル製ティッシュ蓋だ!ちょうど真ん中に穴も空いている。開口幅は3cm。フィルム縦幅が24mmなのでまさにフィルムホールドのために作られた商品だッ(違います)。ここにフィルムを通す構造で自作を始めよう。必要と思えるものをザッと買ってきた。合計510円。イイ、すごくイイ。
- 重なるアクリルボックス・ティッシュ用フタ、¥190-
- 再生PET下じき、¥100-
- 黒い画用紙(100円均一)、¥110-
- 両面テープ(100円均一)、¥110-
真似される方は自己責任でお願いしたく。なお、素材リストには載せていないが本番では黒いパーセマルテープを多用している。買うと意外と高いパーセマル…でも便利過ぎて手放せない。一家に1本パーセマル。DIYにあたって全体的に色を黒に寄せているのはデジタイズの時に変に反射して欲しくないから、と言う理由。
2.フィルムホルダー初号機!
初号機というのはフラグで…実は1台目は失敗作。アイディアは良かったんだが…。
まずはティッシュ蓋に黒い画用紙を貼り合わせていこう。両面テープで張り合わせていく。内側の穴のところは黒いパーセマルテープで塞いでいく。こんな感じ↓
↓ここが失敗だった!黒い台座の上にフィルムを走らせるレールを作った。無印良品の透明な下じき(厚さ1mmくらい?)をカットしてみた。開口部はフィルム縦幅24mm+余白1mm程度で確保。その下のフィルムが走るレール幅は35mmで設定した。
結局、この透明なプラスチックにもパーセマルテープを貼った。カットしたプラスチックの角でフィルムが傷つかないか心配でもあったので。さて、フィルムをちゃんとホルダーできるのか?やってみて確かめることにしよう。
最終的に全部真っ黒になってとりあえず初号機の完成。使い方としては(1)横からフィルムを通し、(2)真ん中の開口部に1コマを持ってくる。(3)向こう側に光源を用意して、(4)こちら側からデジカメで撮影する。(5)ネガフィルムの場合は色が反転しているのでRAW現像で元に戻す作業を行う。こんな感じ。
3.いざ、フィルム装填。
グフゥ……像面湾曲ハンパねぇ!たぶん1mmとかそのレベルで幅が足りなかったと思われるものの、ガチガチに固定してしまっているので今更どうしようもなく。初陣を見ずに初号機は退役となりました。
4.あれから数ヶ月…。
その後、自作ホルダーのことはすっかり忘れてましたハイ。で今、久しぶりにフィルムカメラで遊んでいるので、せっかくなので2号機を建造しようと思います。
初号機からレールを撤去。パーセマルテープの粘着力の弱さが役に立った。今度は轍を踏まぬよう、フィルムを走らせるレール部分をその辺に転がっていたA4クリアファイルの端っこに換装。幅5mmでカット。像面湾曲しないように今回はフィルムを挟んだ状態で貼り付け位置を出してみた。
あとはパーセマルテープで固定。スムーズなフィルム装填のためにレールの先端は斜めにスリットを入れた。これが無いとフィルムが結構引っかかる。
5.フィルムホルダー2号機、完成。
おお!今度はピシッとホールド出来ている。見た目もシンプルでGOODだ。
↑運用イメージはこんな感じだ。下からLEDライトでフィルムを照らし、上からデジカメで撮影。なんか超アナログだな…。使っているライトは中華製の色が変えられるLEDライト。買った時は9000円くらいだった記憶。今じゃAmazonで安く買えます(涙)↓↓↓
実際にネガフィルムをセットして撮影してみると問題点が2つ。まず(1)LEDライトを近距離で直当てすると発光している粒々が写り込んでしまう。(2)撮影するコマの横から不要な光が入ってしまうこと。ド逆光なので可能な限り不要な光は遮りたい。
ということで2号機に改修を加えてみた。まずLEDライトを壁バウンスにしてみた。フィルムの下側と上側で光の量が若干異なるが…(これは後ほど仇となりました)。そして撮影コマの両端に黒いひさしを貼り付けた。真ん中に該当のコマを持ってきてデジカメで撮影する流れになる。
6.いざ実写。
残念ながら今デジタル一眼が(機材入替ドナドナ中にて)手元にないのでiPad Proのアウトカメラで撮影することにした。誠に残念ながらiPadのカメラは自動露出。…どうにもこうにも画質がままならない。LEDライトのホワイトバランスは5600Kに固定。おそらくはiPad側のオートホワイトバランスで色が狂い、色かぶりを起こしているように思える。所詮タブレットのカメラなんてその程度だ。ここで文句を言っても仕方ないので先に進もうと思う。購入したデジタル一眼が到着したらマニュアル撮影で撮り直そうっと。
撮り終わった写真をそのままiPad内で編集する。使っているソフトはPixelmator Photo。←安い買い切りソフトだが非常に使い易くて好き。しかしRAWデータではないので加工に限界はある。どうしても青被りを取り除けなかった。(LEDライトを3200Kに変えて撮影し直したものの現像写真は同じ結果になったので、やはり撮影時点でiPad側のお節介ホワイトバランス調整が入っていると思われる。これだからスマホカメラは嫌いなんだYO!以上、愚痴でした。)
作例を1枚。うむ、これはエモいのか…な? 思いの外、デジタル編集が楽しく、そして難しかった。ネガフィルムなので露出関係は値が逆さまだし、色調整を感覚で全うするのは困難だ。しかも1枚1枚に色付けする作業が必須となる。これってもしかして修行かも?
改善点。
上の作例にも顕著に現れているが、バウンスした壁の凹凸が写真に現れてしまった。また画像取り込みが進むにつれてLEDライトの位置が微妙に変わってしまい、後半の写真に露光量のムラが出てしまった。よって自作フィルムホルダーだけでなく光を均等に届ける仕組みも作らなければならない。うーむ、面白そうだ。この点は次回の記事にて↓↓↓
ひとまず完成。
正直、現像フィルムのデジタイズ量産には程遠いクオリティだが、一旦ここで一区切りとしよう。宿題も出来た。このアナログライクな写真作成に浸って楽しもう。
最後までお読み頂きありがとうございました。次回はこの方法で現像したフィルム写真をドバッと投稿します。お楽しみに。では諸君、良きフィルムLIFEを!かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)