もうサードパーティレンズを安かろう悪かろうとは侮れない時代なのでしょう…こんなの見せられたら!金属鏡筒・軽くてコンパクト・描写も開放から素直に出てくれるレンズ TTArtisan AF 75mm F2 を開封して400枚撮影した時点の感想を綴ります。
※この記事は焦点工房のプロモーションを含みます。
小さくて品のある外観。
中望遠に足をかけるレンズを3本並べてみました。左は純正標準大三元(70mm F2.8)・中央が今日の主役の75mm F2・右がAPS-C換算85mmのF1.8レンズです。…お分かりいただけたでしょうか?TTArtisan AF 75mm F2はフルサイズ対応なのです!このサイズで!?しかも開放F2だと?絞り環もあるのッ??
歯に衣着せぬ物言いですがご容赦ください…パッと見はSIGMAのI series。被せてきたな!(※妄想です) いいぞもっとやれ!(※願望です) 元々私は純正新品信者なのですが最近のサードパーティの躍進っぷりにその決意が揺らいでいます。手にとって触った印象が「安かろう悪かろう」からは遠く離れているような…。手抜きを感じません。
高級文鎮のZ9に取り付けても質感で負けていません。AFレンズなのにフォーカスリングはヌルヌルしていて気持ちがいいです。コンパクトなのは鏡筒だけでなく価格も然り。純正メーカーが同等品を作ったらきっと10万円コースになるでしょう。恐るべしサードパーティ。
レンズをつけたZ9が前にお辞儀しません。重心がボディ側に寄るので持っていても負担が少ないのです。今回の記事は開封直後の [前編] ですが、今後1ヶ月間ぶっ通しでZ9と組み合わせて写真を撮る予定です。縦グリ一体型ボディを毎日持ち歩くのはもはや酔狂ですが、普通サイズのカメラであれば日々のスナップはもっと快適になると感じます。それくらいレンズのサイズ感には感服しました。
Nikon 純正Zレンズには存在しない物理的な絞り環(クリック感あり)でF値をコントロールできる仕様がまた遊び心をくすぐります。ただし(左端のオート以外の)F値全域で実絞り測距になるのでF5.6より絞りこむ場合はAFがハードモードになることはご留意下さい。(例えばF8を指定すると純正レンズであればF5.6で測距してシャッターの瞬間にF8になりますが、このレンズの場合は測距もF8で行います。)
AFの挙動は普通でした。純正S-Lineのような爆速感はありませんが普通に使っていて遅く感じることもありませんでした。ファームウェアのアップデートが入った場合は同梱リアキャップのUSB-Cポートから行います。他のTTArtisanレンズのファームウェアデータが既に焦点工房のHPに掲載されていたため、おそらく本レンズもそこに追加されるものと思われます。さすが正規販売店!
Nikonさんからお借りしているZ6IIIに装着することには少し背徳感を感じますが…収まりは良いですね。同梱されている樹脂製のフードは外した方がかっこいいと思いました。この辺りはお好みで。
スナップ作例。
実際に使ってみての第一印象は「素直な写りにご満悦」でした。絞りを開けても周辺まで結構しっかり写ります。ボケもジャワジャワしていません。ピント面ははっきり・背景は静かにボケる。なんだ優等生か。(以下の写真は全てJPEG撮って出しです)
このレンズがF2.8であれば「まぁそうだよね」となるところですが、F2なので暗い環境で1段分余裕があります。「え…お得じゃん!」という付加価値を強く申し上げたい。
収差関係も非常によく抑えられていると感じます。変な流れとか、派手な軸上色収差とか、安いレンズにありがちなトレードオフが(無いとは言いませんが)極めて少ない印象。強いてあげれば最短撮影距離が75cmなので寄れるとは言い難いことくらいでしょうか。
暗い環境で強い光源が画角近くにあると控えめなフレアは出ます。日常遣いのスナップ撮影では気になることはないでしょう。フレアの作例はYouTube版の方でご確認頂けます。
気になる弱点として、スリープからの復帰時に限ってフォーカス位置の記録が無効になる持病があることを述べておきましょう(※Z9で確認)。つまりサッと構えた時に毎回ピンボケスタートなのでシャッターチャンスに出遅れます。この75mmだけでなく他のTTArtisanレンズでも同じ症状が出ました。ファームアップで改善してほしいです。
最大の弱点は、同梱の樹脂製レンズフードがプロテクトフィルターと物理干渉してしまうことです。これはレンズフードの内径がプロテクトフィルターより小さいいことが原因です。こんな経験は初めてです。結論、フードかフィルターのどちらかを諦めてください!ドーンッ!! (私はサイズ重視で普段からフードはしないので困りませんでしたが)
特にZマウントには福音か。
(1)独立した絞り環があるAFレンズ、(2)75mm F2という構成、(3)Z撒き餌レンズと同価格帯、このあたりの組み合わせがNikon純正Zレンズには存在しない要素です。もちろん金属鏡筒ですし、レンズフードも同梱されており、製品の梱包も手抜きされておらず、肝心の描写も素直で好印象。コンパクトなのにフルサイズ画角に対応。ね、強いでしょこれは。
ここ最近立て続けにプロモーションで3本の中望遠レンズをレビューしましたが、正直に申し上げますとTTArtisan AF 75mm F2が1番グッときました。このレンズも長期レビューしますのでお楽しみに。とりあえず1ヶ月間毎日写真撮ってきます。
この勢いで135mm単焦点とか作ってくれないかなぁ…Plenaキラー待ってますよTTArtisanさん。さて、この記事の内容はYouTube版でも投稿する予定です。重箱の隅を11個も突いております。お時間ある方はぜひ。では次の沼でまたお会いしましょう。
ブログ管理人:isofss(イソフス)