「いつかはフルサイズ」を叶えるための最も有効な手段、それはフルサイズ機を買うこと!
…という身も蓋もない大義名分を掲げてNikonのエントリーフルサイズ機D610を購入したのが2018年前半。まだZ6・Z7が世に出る前のギリギリ前の時期でした。今思えば、この終焉の年を逃せばフルサイズ一眼レフを手にすることはなかったのかもしれません。堅実なメーカーNikonの一眼レフD610、ならびにAF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gとの組み合わせで撮った写真を20枚、ご覧下さいませ。
1.ファーストインプレッション。
明らかに今までにない写りだったのです。「いつかはフルサイズ」と1mmでも感じていらっしゃる方に全力でお伝えしたい…フルサイズはヤバいです、はよきんしゃい。
こちとら初めての経験なので。喜び勇んで出かけたスナップ初日、シャッター後に背面液晶を見て「おっふ」と声が出てしまったのが↓この写真。ただのトンネルですが…。暗部からハイライトまでのこのグラデーションにびっくりしました。これがいわゆる階調表現というやつでしょうか。マイクロフォーサーズやAPS-Cを使ってきた身としては、こんななだらかな描写は今まで見たことがなかったのです。
同時に購入したレンズはNikonの撒き餌レンズ、AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G。これがまた良く出来たレンズでして…(CANON撒き餌50mmとは明らかに違い)安くても手抜きしないNikonの体質がよく分かるレンズです。フリンジの少なさ・平均点以上の描写・最初からフード同梱・それでいてお値段2万円台であること等々、私のようなアマチュア機材オタクにもサクッと刺さる良きレンズでした。当記事の20枚の写真は全てこのレンズで撮ってます。
2.撮影シーン別で写真を比べてみる。
D610はNikonのフルサイズ一眼レフの中でもエントリーモデルのカメラでした。弱点は背面液晶が固定式であることくらいでしょうか。むしろその他の操作性は堅実の一言に尽きるのがNikon機の特権。防塵防滴ですし、SDカードWスロットも搭載。入門機でありながらどんな撮影シーンでもそれなりに使えるから驚きです。
室内撮影はどうか?
おもいっきりイルコさんの影響ですが、ストロボを使ったカラーシフト撮影の練習を家でやってました。クマさんにオレンジフィルターで発光させたストロボを当てています。ホワイトバランスが引っ張られた背景(窓の向こう側)の色が青く引っ張られています。何事も練習練習。レンズは50mm撒き餌です。
50mm1本しか持っていなかったので室内撮影では狭さを感じることが多かったです。後ろに引けない場合は困ります。ただ、単焦点レンズでそういう不便さを経験しておくことで画角感が身につくなら甘受して然るべきかもしれません。
登山に持って行ってみた。
はっきり申し上げますと一眼レフはデカくて重いので登山向きではない…のですが、しかし!この描写で写真が撮れるなら多少無理しても登山に持って行くのはありかなって感じました。スマホじゃここまで撮れないですからねぇ。(なんでもかんでも開放でボカしたがる病)
白飛びしそうでしない描写が流石はフルサイズといったところでしょうか。逆光のような難しい条件下でも気兼ねなくシャッターを切れる安心感って嬉しいのです。
Nikonといえば鉄!いかがでしょう、この鉄の感じ。いや完全に自己満なんですけどね。
トカゲが現れました。50mmなのでこれで限界。拡大するとトカゲ君と目が合ってました。D610のAF測距点は中央に固まっていますので日の丸構図は得意です。
黄色被り世代?
さて、D610に搭載されている描画エンジンEXPEED3は色味が黄色被りすることで有名です。確かにJPEG撮って出しでは黄色っぽかったです。しかしRAW現像民にはあんまり関係ないかな。この記事の写真は全てRAW現像してます。
Nikon機でこの後に使ったのがEXPEED6搭載のZ6だったのですが、さすがにそこと比べると見劣りします。(Zはレンズ性能もエグいので単純に描画エンジンだけの実力差ではないのでしょうけど。) 今っぽい高コントラストな色が好みの方は新しい描画エンジン搭載のカメラを選んだ方がいいのかも?
OVFの気持ちよさも一眼レフの醍醐味ですよね。ネックなのは撮影後の確認を背面液晶でしないといけないこと。ここは表裏一体でした。OVFで見えている景色と実写真の仕上がりは異なりますから結局RAW現像ありきの撮影になったD610。いやぁ、それでも入門機でここまで描写してくれるなら御の字です。逆にレフ機で最初からJPEG撮って出しできる人って尊敬します。
モノクロでスナップしてみた。
この日はモノクロJPEG撮って出し・F4縛りで遊んでました。前述の通りOVFの見え方と写真の仕上がりが異なります。どうなっているかは家に帰ってゆっくり眺めよう…なんて楽しみ方も粋なものです。ちなみに2018年当時の博多スナップです。
いや、めっちゃ密ですね。当時はインバウンド盛況でしたから。
暗所撮影ってどうなの?
D610の最高感度はISO6400ですが実際そこまで上げた記憶はないです。夕暮れスナップでISO1600あたりでした。
だがしかし星空撮影はダメでした。これはボディというよりレンズが50mmで長すぎたせいかと。長秒露光だと星が流れますし、でも感度を上げるとノイズが出ちゃって。そもそも50mmで何を表現したらいいのかわかりませんでした。撮りながら心が折れた思い出が…。
街中スナップと50mm単焦点。
一眼レフのボディの大きさを考えると50mmくらいの小さな単焦点レンズがスナップ撮影には似合うと思いました。あとは自分の足で引いたり寄ったりで。↓なんとなく軸上色収差が出てるような気がしないでもない。まぁいいか。
同じ画角でひたすら撮りまくる、まるで昭和の体育会系修行法って個人的には善であります。50mmに始まり50mmで終わる…なんて言われるのも分かる気がする。
まとめ。
デカくて重いけど、OVFの気持ち良さ・手抜きなしの基本性能を持った一眼レフ終焉時代の良きカメラNikon D610。発売開始が2013年なので中古市場で見つけるしか方法がないのですが、写真機としてコスパよく練習台として壊れるまで使うなら今でも実用性ありかもしれません。
現行品の撒き餌レンズはNikon一眼レフ使いには必見の1本かと!私のようなフルサイズ初心者でもこの記事の写真くらいは撮れましたので。た・だ・し、この撒き餌レンズのせいでその上のレンズが欲しくなってしまう危険が危ないのでご注意下さい。今回は触れませんでしたが私は次にFマウント標準大三元に手を出して財布が爆散しました。その写真はまた別の機会に…。
いくら使ったのか?
カメラ沼7台目D610時代に使った金額を振り返りますと…。GODOXのストロボやらカメラバックやらの周辺備品で34,257円・6台目売却とD610ボディ購入と撒き餌レンズと標準大三元レンズの差分支払額が307,062円、合わせて341,319円となり、カメラ沼通算で878,418円となりました。徐々に、そして確実に金銭感覚がバグってます。
本日も他愛なき沼雑談に最後までお付き合い頂きありがとうございます。無事にフルサイズデビューして事なきを得たかと思いましたが、ところがどっこい、約1年後に異変が生じます。まだまだ終わらないカメラ沼8台目はどの機種に?なお、このシリーズは沼の歴史タブから一覧をご覧頂けます。沼住民の皆様にご自身を重ねてお読み頂ければ幸いです。お互いに散財の傷を舐め合いましょう…うっへっへ、という気持ち悪い挨拶で締めくくります。では諸君、良きカメラ沼LIFEを!かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)