スナップ用レンズに求める要素は2つ!小さいことそこそこ写ること。そんなレンズが…ございます。APS-C用レンズですがフルサイズ機でじっくり試してきました。TTArtisan AF 56mm F1.8 ED 1ヶ月間ぶっ通し撮影レビュー、参ります。

※この記事は焦点工房の提供でお送りします。

Z9で使ってみた。

なんでまたフルサイズ機で試したの?…と問われると答えに窮します。Z9の操作性に慣れてしまった今となっては、APS-CレンズをZ9で試すことにやぶさかではありません。つまりただの贅沢病です。アンストッパブルなAPS-Cボディが望まれます。

軽快な取り回しでスナップ撮影が捗るTTArtisan AF 56mm F1.8 ED。ボディはZ9

Z9に関しては(重さを別にすれば)素晴らしいカメラです。とにかく動作が機敏なので一度これに慣れてしまったら危険です。でも高画素機なのでAPS-Cクロップで撮影しても2000万画素近くは担保できますし、私はさらに小さいSサイズ1000万画素程度で満足しています。これくらいが楽なのです。

Z9とTTArtisan AF 56mm F1.8 EDで撮影。SUZUKIのH2を撮らせてもらった。モノクロで撮って出し。

話を戻しましょう。TTArtisan AF 56mm F1.8 EDを1ヶ月間毎日使ってみて感じたことは冒頭に述べた通りで、小さくてそこそこ写る平均点以上のプロダクトだと思いました。Z純正レンズには存在しないAPS-C中望遠単焦点レンズで、価格改定後にも関わらず3万円を切っています。しかもフジツボ型のレンズフードは金属製です。

Z9とTTArtisan AF 56mm F1.8 EDの作例。木漏れ日に照らされる紅葉を撮影。

この記事の写真は全てJPEG撮って出しです。Z9の写真はリッチトーンポートレートで撮影しています。最大の弱点は逆光時のコントラスト低下があることでしょうか。これは顕著に発生しました。フードを装着していても出ます。

Z9とTTArtisan AF 56mm F1.8 EDで撮影。朝日に照らされるダムと山の緑。少しコントラストが低下している。

↑この写真は順光なのにちょっと眠いです。純正S-Lineのようなシャキシャキ・パリパリ・盛盛のHi-Fi描写が欲しい方は迷わずS-Lineを買った方が幸せになれると思います。一方でレフ機時代の撒き餌レンズにあったような懐かしさに好感を持てる殿方(ご婦人)には当レンズはオススメであります。この記事には前編もありますので気になった方はご参照下さいませ。

Z6IIIに合わせてみた。

…ここだけの話ですが、時を同じくして別企画でZ6IIIをお借りしていたんですよね。そこは合わせてみたくなるのが人の性。Nikonさんには内緒ですよフフフ…かっこいいじゃないか!これくらいのサイズがいいんですよこれくらいのサイズが!

小型のZ6IIIにTTArtisan AF 56mm F1.8 EDをくっつけてみた。収まりは良い。

しかし貸出純正ボディにサードパーティレンズをくっつけてはNikonの顔が立ちませんので、以下の写真はNikonが今まさに心血を注いでいるフレキシブルカラーピクチャーコントロールでお届けします。isofssオリジナル出力を真似したい方は↓こちらの動画で作り方を丸出ししております。ではお写真どうぞ。

結論から申し上げますと、体感上ではZ6IIIはZ9に劣らないアンストッパブルな挙動でして(その価格に対しては発売当時 賛否両論が飛び交いましたが)大枚を叩くに相応しい妥協なき中級機でしたスリスリ。いやマジで。

Z6IIIのフレキシブルカラーピクチャーコントロールとTTArtisan AF 56mm F1.8 EDの掛け算。博多駅の交差点を撮影。

この記事の執筆時点では、Z6IIIはフレキシブルカラーピクチャーコントロールを(上位機種を差し置いて)ボディ本体に宿せる唯一の実機となっております。RAW現像が好きな方にとって、あたかも最初からRAW現像したかのような自分好みの出力をJPEGに適用できるこのフレキシブルカラーピクチャーコントロールは歓喜の嗚咽ものではないでしょうか。

Z6IIIとTTArtisan AF 56mm F1.8 EDで秋の空を撮影。彩度を抑えたフレキシブルカラーを使っている。

なんといってもZの純正レンズは忠実描写が売りですから、色を捻って遊ぶより従来のピクチャーコントロールを使うのが1番しっくりくるように思います。色を捻じることには良心の呵責を感じます。そこでサードパーティレンズの出番です!

Z6IIIとTTArtisan AF 56mm F1.8 EDの作例。雨に濡れたMonky125をフレキシブルカラーピクチャーコントロールで撮影。

お財布に優しいサードパーティ製品。価格とトレードオフで収差が残っていたり癖が強かったりするわけですが、それを弱点ではなく個性に昇華しようという目論見でフレキシブルカラーピクチャーコントロールを使いたいのです。いいよ捻っちゃえ!

Z6IIIとTTArtisan AF 56mm F1.8 EDで街スナップ。バスと自転車が走っている。機動力の高いスナップ装備だ。

自分なりのフレキシブルカラーピクチャーコントロール制作はパソコンを使ってRAWを弄るところから始まります。何回調整しても何個保存しても誰からも怒られません。パソコン内にあるNikonの全RAWデータに適用し放題です。でも同じレンズで撮った写真で作り込む方が仕上がりは安定するでしょうね。

Z6IIIとTTArtisan AF 56mm F1.8 EDの作例。少し逆行気味だがコントラストの低下が確認できる。神社の入り口を撮影。

そんな時にTTArtisanはいかがですか!?(…ふぅなんとか着地できたな)というプロモーション全開な記事になりましたが、最後に56mm F1.8 EDの最大の好きポイントを綴りますと、それはフォーカスリングがヌルヌルだったことです!何度でも言います。撒き餌価格なのにあのヌルヌル感はずるいです!最高かよ。

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本来はAPS-Cボディをお使いの方にオススメすべき製品でしょうね。そうなるとやはりZ50IIの登場が待ち遠しいですね。昨今カメラの値上がりが止まりませんから、Z50IIが20万円コースになるんだったら…いっそZf買っちゃえば…と危険な妄想などを膨らませております。いずれにしても沼は終わりそうにありません。かしこ。

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