やってしまいました。後期型を持っているのに初期型まで買ってしまいました。病気ですハイ。こちらのEL NIKKOR 50mm F2.8、ヤフオクで1000円(+送料850)安っす!引き伸ばしレンズの沼は浅くて広いので注意が必要ですね。例に漏れず分解清掃していきたいと思います。後期型の分解(↓下記にリンク)に比べると初期型は簡単でした。
1.外観。
後期型(末尾にNが付く)との違いは金属鏡筒なんです。正直、もう外観だけで買ってますハイ。発売開始は1956年(昭和31年)、4群6枚のレンズ構成(前群ガウス・後郡オルソメター)、開放F2.8で絞りは1段刻み、L39マウントです。至ってシンプルな構造に好感が持てます。なお、前玉のネジ山(フィルター径40.5mm)を使ってレンズの逆さ付けもできるとNikonのパンフレットに書いてました。
特筆すべきはコンパクトさでしょう。重量105g。写り次第ではスナップ撮影のレギュラーになれるかも。(毎度の事ながら)ミラーレスカメラに繋ぐための条件は次の通りです。(1)フォーカスリングがない引き伸ばしレンズにはヘリコイド付きマウントアダプターが必要。結構なお値段だが一度買えば一生使える。(2)フランジバックを合わせるための中間リング創作が必要。Zマウントに繋ぐ図解を載せておきます↓↓↓他社マウントでも原理原則は同じですので、カメラ側のフランジバック値を差し替えて計算されたし。
2.前玉分解。
ということで早速バラして参ります。カニ目レンチで前玉を取り出します。固着してなければゴムのオープナーでも開くかも。個人見解ですが、そんなに高いものじゃないので分解道具はケチらない方がいいと思います。中華メーカーは品質がピンキリですが、私はNEEWER製品が好きです。
取れました。もとより非常に状態の良いレンズだったので軽く拭き上げて終了です。これで1000円とはお買い得過ぎる。知見のない転売ヤーが良品を投げ売りしていたらチャンスです。
↓↓↓前群の後ろ側は接着されていました。スポイトを使って溶剤を流し込んでやると外れるのでしょうけど、レンズが綺麗だったので分解ぜず。バラしたい衝動を抑えるのは大変です。後ろ側を拭いて終了。
↓↓↓前玉群を取り外すと絞り機構が丸見えです。絞り羽は8枚。羽を抑えてるスリットが入った板はプラスチックのようにも見えます。金色のCリングを外せば分解できそうですが、羽の動きに異常はないので辞めておきます。
はずれなかった。
おそらく絞り環の分解はここからアクセスすると思われますが、このマイナスネジが固くて固くて。レンズクリーナーを流し込んでも緩む気配はなく。無理でした。ネジが舐める前に撤退。
3.後玉分解。
後玉もカニ目レンチでオープン。Oリングを外すと後玉にアクセスできます。
レンズサッカーを使ってレンズを吸い上げるのが定石なのでしょうけど、サッカーがAmazonでずっと欠品なんですよね。仕方なく逆さまにして重力で落ちてきてもらいました(落下注意)。
後玉の後ろ2枚は貼り合わせでした。バルサム切れもなく良好な状態です。
部品を並べてみた。
全分解ではありませんが、必要最低限の清掃はできる状態までバラしました。綺麗な玉ほど拭き過ぎには注意が必要です。潔癖症な筆者は毎回やり過ぎの拭き傷をつけてます。
組み上げて完成。
逆手順で組み戻して無事終了です。引き伸ばしレンズはフォーカスヘリコイドがないので分解が楽ですね。後期型にあった採光窓を塞ぐ作業がこのレンズにはないのも良かったです。これからレンズの分解清掃を趣味で始めたい方には引き伸ばしレンズはおススメです。安いですし。
ところでこのレンズの黄変、これってコーティングなんでしょうか?公式には謳われてませんが実はこやつもアトムレンズで、酸化トリウムの経年劣化で黄変しているのではないかしら?…(むしろそうであってほしい)。紫外線に当てて色が変わることを期待しつつ、現在ベランダでの天日干し2日目でございます。ふふふ。
最後までお読み頂きありがとうございます。実写テストといきたかったのですが、この記事を書いている最中におかわりジャンクレンズが届きまして(病気)、しかもまた50mm(重症)。引き続き分解ヲタクとして週末を溶かしていきたいと思います(引き篭もり)。このシリーズの一覧はレンズの分解清掃タグからご覧いただけますので是非。
では諸君、良き分解清掃LIFEを!かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)