カメラ人生1台目で写真にハマったが最期。次が欲しくなるのが人の性よ。時は2013年、YouTubeが徐々に頭角を表しつつも市民権はまだFacebookにあった時代。いい歳した大人たちがこぞってタイムラインに自身のパリピ写真を載せ、快感に浸っていた時代。例に漏れず私も登山の成果を世界に見せびらかすべく、背伸びして2台目のカメラを購入したのだった。その名はRICOHのPENTAX Q10だ。うる覚えだが、カメラ本体+標準ズームと望遠ズームの2本セットで50000円界隈だったような。それでも当時は清水の舞台から飛び降りる気持ちで買ったものだ。

まだ写真のいろはすら理解しておらず、ようやっとPモードから絞り優先モードに移行した時期である。全てただのJPEG撮って出し。でも楽しかった。

登山カメラとして使い倒す。

当時はまだ金銭購入がバグっておらず、カメラに投資できる金額の上限ギリギリで選んだのがPENTAX Q10。主な用途は登山用だ。本体重量はなんと200g!とにかく小さくで軽かった。

PENTAX Q10は逆光時のゴーストが特徴的な形だ。

安くて軽量コンパクト。しかし弱点も多いシステムだった。例えば逆光時のゴーズトがそれはもう盛大で…。レンズは主にSTANDARD ZOOM(換算27.5mm〜83mm)を使っていた。Qシリーズのレンズは基本的にレンズシャッター仕様らしい。シャッタースピードは最速1/2000秒。もちろん使っていた当時は気にもしていない。撮れればいいのだ。

なお、セット品だったTELEPHOTO ZOOM(換算83mm〜249mm)は家で文鎮になってしまい、その結果(おそらくグリスが蒸発したのだろう…)ズーミング時に渋い音が鳴るようになった。

専らSTANDARD ZOOMで登山写真を撮っていた。凍った湖を歩く。

実はボディ内手ぶれ補正機構(SR)も搭載しているPENTAX Q10。持ち主でありながら今日まで全然理解しておらず、この記事を書くためにメーカーHPのアーカイブを参照して初めて知った。まだ人生2台目なのだ、酸いも甘いも知らぬ若造よ。

久住山の頂上で日の出を満喫する。
大分県:久住山山頂、2013年。

カメラにEVFは搭載されておらず、背面液晶も46万ドット(3.0型)という今の水準では考えられない低スペック。センサーは裏面照射型1:2.3型で、有効画素数は1240万画素←これはGOODだと思う。プリントしない人にとっては低画素でも十分だからだ。AF性能はお世辞にも良いとは言えず、暗所・動きもの・動画撮影などには不向き極まりないカメラだが、静止画中心の登山撮影用には文句を言うほどでもない。2013年に購入し2016年まで使っていた。

今思い返せば、1台目(COOLPIX P100)と2台目(PENTAX Q10)が一番使用期間が長いカメラだった。沼にハマればハマるほど買い替えサイクルが早くなっていったような…。

山飯といえばおにぎりである。
山の醍醐味は山飯だ。
由布岳頂上付近からの景色。見応え十分だ。
大分県:由布岳山頂付近、2013年。
阿蘇五岳に登った。PENTAX Q10で記念撮影。
熊本県:阿蘇五岳、2013年。
とにかくPENTAX Q10の携帯性の良さは素晴らしかった。
長崎県:雲仙・普賢岳、2014年。

↑THE NORTH FACEのちっちゃな赤いポーチにカメラ装備一式が入っている。この携帯性の良さがPENTAX Q10の最大の魅力と言ってもよい。

悪天候なんて気にしない。

PENTAX Q10に防塵防滴機能は備わっていないが、それがどうした。登山に悪天候はつきものだ。気にしていたら写真なんて撮れない。使い倒して壊れるならカメラも本望だろう。(と…故障した経験がないから大口叩けるだけなのかも。)

ボディ内手ぶれ補正があるはずのPENTAX Q10、だがブレている。
シャッタースピード1/13秒となっていた。ブレブレだ。
初めてホワイトアウトを経験した。久住山、2014年。
防塵防滴じゃないのに、こんな天気でも撮影していた。
こう見えて三脚にすえて自撮りしている。久住山にて。
大分県:久住山、ソロ登山(↑実は自撮り)、2014年。
寒冷地、悪天候でもPENTAX Q10を使った。
大分県:伐株山、2015年。
久住山にて御来光。2015年。
大分県:久住山山頂、2015年。

更なる沼への足掛かり。

概ね満足して使っていたPENTAX Q10だったが、撮影に慣れていくにつれ徐々に欲が出てくるから困ったものだ。その1つがボケ。ボケ写真を撮りたい!しかしこの程度のカメラ性能・レンズ性能では一眼レフのあのトロけるようなボケの足元にも及ばない。PENTAX Q10には擬似的にボケを作り出すボケコントロールという機能があった。今で言うとiPhoneのポートレートモードみたいなものだ。しかし所詮は偽物である。↓↓↓

PENTAX Q10のボケコントロールでぼかしてみた。

登山以外の日常使いではどうだろう?例えばストロボをくっつけてみるとこうだ↓。うむむ…さすがにこれはアンバランス過ぎる。ホットシューがモゲそうだ。

ストロボを装着するとかなりアンバランス。

色はどうだろう?当時はまだスマホカメラの描写がそこまで良くはなかったこともあり、PENTAX Q10の押しの強い色を好んで使っていた。同時に、徐々に(そして確実に)更なる描写力を欲する気持ちが芽生え始めていたことも事実。

青春サンセット写真。PENTAX Q10で撮影。
PENTAX Q10の濃い色も好きだった。
福岡県雷山での登頂写真。
福岡県:雷山、2016年。

そして世の中はYouTube黎明期へ。当時はまだYouTubeへの参入障壁も低く、素人の動画編集でもお小遣い稼ぎができる時代だった(私も一度だけGoogleアドセンスの収益支払8000円ラインを超えたことがあった)。そうなると凝った動画を撮りたくなる。貪るように見ていた瀬戸弘司氏はPanasonicのGH3推しなのか?むむむ…欲しくなるじゃないか。

転機は2016年。単独で屋久島を縦走して縄文杉を見る計画を立てたことがきっかけになった。せっかくなので新カメラで撮影したい!写真も動画もガチで撮りたい!YouTubeへ投稿したい(よしんば収益を得たい)。編集用のパソコンも必要だ!一度火がつくと後は燃え上がるのみ。もう買うしかない。

カメラ沼2台目までの累積散財金額は約70000円。この後の3台目以降に本格的に散財の火蓋が切って落とされることになるなど、まだ知る由もない。そんな訳で、動画&写真用カメラと新パソコン導入・屋久島への旅費等で財布が爆散するお話は…また次回。

では諸君、良き散財LIFEを!かしこ。

ブログ管理人isofss(イソフス)