家族で撮ったフィルム写真を親にサプライズでプレゼントしたいと思い立ちまして。生きてるうちに親孝行というやつです。せっかくなのでポジフィルムをそのまま額装しようという計画です。こういうのは作ってる最中が楽しいんですよねぇ。
デカいポジに憧れて
ウエストレベルファインダーに憧れてHasselblad 500C/Mを買ったのが今年の初め。今回の記事でフィルム2本目の生まれたて1年生ですがいきなりポジフィルムセットを買いまして最初からハードモードです。だってフィルムが大きいんですもん。大きいは正義です!
フィルムと現像代を1本(12ショット)で割ると1ショットあたり約400円の道楽となります。色が反転しないポジフィルムの特性と中判フィルムの大きさを考えるとそのまま飾れそうじゃん!という妄想に至りました。金がかかる以外はロマンに溢れています。
以下、本記事の内容は1分のショート動画でまとめていますのでお急ぎの方はこちらをどうぞ。
さて本題ですが、まずは撮影が終わったポジフィルムを現像に出します。ヨドバシカメラに持って行ったところ10日程で戻ってきました。フィルムを1枚ずつカットしてHOSHO(ホーショー)のスライドマウントに嵌め込んでいきます。
100枚入で白枠を購入。リンクの関係で↓楽天価格を表示していますが私は同じものをAmazonで1400円で買いましたので皆様ぼったくられないようご注意下さい。
白枠はネガフィルムだったらデジタイズ後に反転して黒くなりますが、今回はポジフィルムなので枠ごと塗装することにしました。カンペハピオのシリコンスプレー(Amazonリンクはこちら)を使っています。相手が紙なので吹き過ぎには注意が必要です。
↑上の写真の左側が吹き過ぎています。時間が経っても芯まで乾いておらず他のスライドマウントにくっついて大変でした。当然ですがこの作業は屋外で行います。
ある程度乾いたところで室内に移動させて乾かします。1本分12セットです。
乾いたらフィルムを載せていきます。フィルムは素手で触りたくないので200円くらいのエツミの専用手袋を買いました(Amazonリンクはこちら)。スライドマウントには表裏があり、裏面には小さな丸ポッチの凹みがあります。本来は内側に糊がついていますがスプレーの回り込みで糊が弱くなっていますので両面テープで補強します。写真の水平垂直に気を遣いながら1枚ずつ仕上げていきます。この時間が楽しいの!
完成したものを光にかざしているのが記事冒頭の写真です。ポジフィルムといっても自身が発光している訳ではないので鑑賞するには光源が必要ですね。スマホの透過光に慣れているのでポジフィルムは新鮮で変な感覚です(笑)。実はこれで9割完成ですが、せっかくなのでデジタル化もしておきたいと思います。
自分でデジタイズ。
では出来上がったポジフィルムを枠ごとデジタル一眼カメラで撮影してデジタイズしていきましょう!以下のやり方はガチ勢さんには怒られるかもしれませんが生暖かく見守って下さいね。まずは100均でカラーボードを買ってきます。大きい方がいいです。
スライドマウントよりちょっと小さく・フィルム面より少し大きなサイズで真ん中に穴を開けます(↓写真左)。クリアファイルをカットしてレールを作り、カラーボードに取り付けたのが写真の右側です。
こちゃごちゃごちゃしているのが苦手なので黒のパーマセルテープで美しく仕上げます。パーマセルっていいですよね(ちょっと高いけど)。私は黒と白を常備しています(高いけど!!)。
これをマクロレンズで撮影します。最終的にスクエアにクロップしますのでこういう場合の高画素機は便利ですね。↓フィルム1本目はストロボを仕込んだソフトボックスの前にボードを垂らしました。ディフューザーとフィルムが近過ぎて、ディフューザーの折り目が明るい部分に写り込んでしまう事象が発生。ある程度離した方が良さそうですね。
ストロボ光以外の要素はブラックボックス(撮影しても真っ黒な状況)にしておき、ストロボの色温度に合わせてホワイトバランスは5600Kで固定。RAWで撮影して後ほど現像。しかしどうも色が安定しませんでした。この時の写真は過去記事でご覧頂けます。
今回は2本目の挑戦でしたのでLEDライトでやってみました。壁にバウンスさせています。フィルムの端と端では光量が若干変わるかもしれませんが…まぁ細かいことは許容することにしましょう。
手作業なので厳密にフィルム面とカメラのセンサー面が平行になることはないでしょう。素直にスキャナーを使えばいいのかもしれませんが、スキャナーを買うお金・置く場所を考えると多少雑でもこれでいいかな…と思いまして。でも結局使い終わった後のカラーボードの置き場所に困りました。ちなみにこのDIYの35mmフィルム版もあります。まだ喋・っ・て・な・い・頃のisofss初期動画です(珍)。
では実際に取り込んだ写真を見てみましょう。以下の4枚はLEDライトを光源にしてデジタイズしたものです。RAW撮影後クロップしています。
うーん、ネガと違ってポジはトーンカーブを反転させなくてもいいのに…見た目とデジタイズ後の色に違和感があるのです。マゼンダとグリーンの間の調整が難しいです。↑この写真に関してはそもそも色温度がデイライトのフィルムで日陰を撮ったことが影響しているのかもしれません。独学の限界ですね。これはちゃんと色の勉強しないといけません。
この写真のフレアはフィルムに焼き込まれていたものです。レンズはPlanar C80mm F2.8の銀鏡筒、コーティングが無い初期型ですので逆光には弱いタイプです。でもこのレンズ、形がかっこいいんですよね。
それにしてもスクエア写真って情報の整理が難しいですね。沢山撮って体で覚えたいところですが中判ポジだと財布が持ちません。ここは1つデジタルバッグのCFV100Cを狙うべきか…いやいや112万円っスよあれ。
フィルム2本目の成果は、上記のスナップ4枚・残りの7枚がポートレート・露出ミスで真っ黒だったのが1枚(スナップ)という結果でした。デジタイズ写真が全体的にマゼンダ被りしている件は今後の宿題とします。
無印良品の木枠に入れる。
7枚の人物撮影のうち両親を撮ったものが1枚ありまして、実家に飾る写真として今度の帰省の時にサプライズしようかなと思っています。顔を晒すわけにはいかないのでスナップ写真でイメージをご査収下さい↓↓↓
無印良品のフォトフレームを買ってきました。1300円くらいでした。アクリル版2枚でスライドマウントを挟み込んでいます。圧力だけだとズレ落ちることがあるので裏面の一部に両面テープを貼っています。ここで黒のスライドマウントが活きますね!後ろが明るいと写真が浮かび上がってきます。注意点としては、暗い環境だと写真が見えないことと、木枠自体はオシャレだけどアクリル板が傷がつきやすいことです。汚れを拭こうと思ったら拭き傷がついてしまいました。
窓際に置きっぱなしにした時にフィルムがどう褪色するかが分からない儚さも含めて、これを複製不可能な世界に1枚だけの写真額装と謳えばエモが散らかるでしょうか。こんな家族写真だったら自分の家にも飾りたいかも。あ…私、独身でした。
ブログ管理人:isofss(イソフス)