一眼レフ終焉の流れに抗ってSIGMA 105mm F1.4 DG HSM(Nikon Fマウント用)を買ってしまいました!いやぁ〜惚れ惚れしちゃいます。野暮ったい大砲レンズが愛おしい。さて、このFマウントレンズをNikon Z6iiに繋げたいと思います。しかしFTZiiを持ってません!なんてこった。手元にあるのは素通しの無接点アダプター…これって使えるのかしら?そんな実証実験をやっていきます。
FTZ買えてない問題。
まずはボケマスターこと105mm F1.4 Artを開封しましょう。レンズに加え、レンズフード・アルカスイス互換の三脚座・三脚座を外した時のゴムリング・豪華なレンズポーチ・レンズストラップ・ポーチストラップ…至れり尽せりですね。手抜きは一切ありません、さすがSIGMA。
問題なのはマウントアダプター。もともと買う予定だったNIKKOR Z 24-120mm F4 Sからの心変わりでボケマスターを購入したため、この時点で既に予算オーバー35000円(冷汗)。これをZマウントに繋ぐためのFTZiiを購入するとさらに+30000円……うーん、イモって買えませんでした。初代FTZでも対応可能ですが←これは過去に2度買って2度売った経験があるのでもう買いたくないのです。
じゃあどうやって使うんかい!ってことになるのですが、電気接点のないマウントアダプターで一時的に凌ぎたいと画策。というのもSIGMAの一眼レフ用レンズ「DG」シリーズはマニュアルフォーカスが物理的に動く仕様なので、MF限定でよければ無接点アダプターでZマウントに繋ぐこと自体は可能なのです。古い世代のレンズを新品で買った理由はここにありました。そ、想定内だよっ。
買うまで分からなかった、絞り羽。
ニッチな話が続きます。仮にフォーカスがMF限定であることを呑めたとしても、絞り羽がどんな状態なのかは(実は)買わないと分からない状況だったのです。SIGMAのレンズは電磁絞りを採用しているので、無接点アダプターを使うなら絞り羽は動かせません。開封時の状態のまま、しばらくは縛られることになります。念のため事前にヨドバシカメラに実物を見にいきましたが、絞り羽は全閉でした。NikonのFマウントGタイプのレンズも・今のZマウントレンズも(おそらくはセンサー保護のため)ボディ未装着時のレンズは絞り羽全閉なんですよね。新品ボケマスターがF16固定である可能性も含めて正直ここはギャンブルだったのです。
やったぁぁ!新品ボケマスターの絞り羽は開放F1.4でした。よってマニュアルフォーカス限定のF1.4大口径大砲レンズの完成であります。もう変態の領域です。同じことを考えてボケマスターを買う人は世界にあと1人か2人くらいしかいないかもしれません…。
さっそく取り付けます。1番右にあるのがK&F Conceptの無接点アダプターです。Fマウント→Zマウントに変換できます。いつもはオールドレンズを繋げる時に使っています。
105mm F1.4 Artの外観。
繋ぎました。おおおお!ボケマスターの堂々とした佇まいに言葉を失います。これを眺めながら酒が飲める、飲めるぞぉ!
この後ろ姿が1番かっこいいと思いました。メカメカしい。なおボディ×レンズで2Kg超ですので覚悟は必要です。これでスナップ徘徊すると相当目立ちます。もう一度言います、相当目立ちます。私は初日の街中スナップでおばちゃんに睨まれましたから(笑)。作例は後ほど…。
想定外だったのは置き場所でした。平地に置くとこのように↑ちょっと浮くんですよね。これではマウントに常時負荷がかかっていそうで心配。現在はシェルフに置いている洋服をクッションにして上にドカッと置いてます。
スナップ作例をご覧あれ。
記念すべきファーストカットは…家の窓ガラスでした。冬なのでプチプチを貼っております。ラピュタ風に言うと「撮り初めが玉座の間とは上出来じゃないか」でしょうか(違う)。それにしても隅々までよく写りますね。以下、全てRAW現像した作例となります。
家を出て最初のカット。そこらへんの草です。マニュアルフォーカス限定ですがZ6iiの美しいEVFにピント拡大機能を組み合わせれば大した問題ではありません。発色は濃いです。つまりZ6系特有のケミカルなド派手カラーになりがちです。なので現像時に色ごとに彩度を調整(下げ気味に)しています。これはボディの問題ですが。
F1.4のピント幅は極薄です。近距離だと許容錯乱円は1cmないかも…。なるべく被写体と正対するよう心がけました。最短撮影距離1m付近ではピントから5cm離れるともうボケボケです。
105mmの画角って面白いですね。前ボケとか入れたくなっちゃう。85mmよりも一歩近いというか、135mmほど迫る感じではないというか。(なんて普通のコメントなのでしょう。)
公園で飼われている野良猫さんたちにご協力頂きました。左の猫さんの目にピントを合わせたつもりでしたがちょっと前ピンでした。ボケマスターのピントリングの触り心地はヌルヌルしてて非常に上質です。ただしオールドレンズのような粘りはないのでピント合わせには神経を使います。軽いといえば軽い感触。
こちらの猫さんにはピントが合いました。めちゃくちゃ当たり前のことを言いますが、このレンズ(1)合焦面のシャープネスは化け物で、(2)その後ゆるやかに蕩けていくボケ。(3)隅々まで均等な画質。「デカい・重い」と引き換えに得たものは大きいと実感しました。アムロに言わせれば「ボケマスターは伊達じゃない」でしょうね(違う)。
本領発揮。
次は街中スナップです。この日は曇天だったのですが、こういう薄暗い環境こそSIGMAレンズが火を吹くのやも!トーンの出かたが美しい。
この金属感、いかがでしょう。強いていえば絞った時の描写を見たかった!これは一刻も早くFTZiiを入手せねばなりません。
↓いつも撮っている交差点。ちょっと前ピンですね。しかし緩やかなボケ味がなんともいい塩梅で。
↓このカットもグッときました。ピントは石材の目地に合わせたのですが、なんでしょうねこの立体感。もう重くていいからSIGMAのDG単焦点でレンズ揃えたいな…って思いました。おいZレンズどこいった?(マジレスしますと、両者ともに描写は神レベル。しかしZレンズはバイワイヤー・DGシリーズは物理フォーカスリング、私は後者が好みです。)
135mm Artもそうでしたが、SIGMAレンズって人工物・特に人工光を撮るとカッコいいんですよねぇ…。↓こちらは現像時に少しグリーン被りさせてます。
↓テーブルフォトは厳しかった…。まず椅子から立ち上がって一歩下がる時点で不審者です。最短撮影距離は1mです。しかも近接のF1.4ですからボケ過ぎて困ります。暗い店内でもF1.4の明るさがあるのでISO100で済んでいます。しかし光の質が悪いので如何ともし難い絵に。モスでストロボ天バンする訳にはいきませんし…。
単に壁を撮っただけですが実に楽しい。105mmの画角って、カメラを構え状態でボケマスターのレンズフードの横幅を延長していった先を切り取るイメージなんですよね。これ伝わりますかね?被写体が決まったらEVFを覗いてピントを追い込んでいく作業。これが楽しいのです。重いのはあまり気になりませんでした。ちなみにストラップはしておらず裸族です。大砲はカメラリュックに都度都度収納しています。面倒ですが大砲を手持ちすると不審者感が半端ないので移動時は隠してます。
↓ここでも赤(画面右上)がサイケデリックになっていたので彩度を落としました。あと全体的にブルー側に傾くイメージ。なんとなくSONYのブルーに似てるような。個人的には大好物です。あまりにブルーが強い時はアンバーに寄せ直すこともありました。Nikon純正レンズでは経験しないような印象でした。
イルミネーションが煌めく駐輪場にかっこいいバイクがぽつり!ありがとうございますありがとうございます。嗚呼このレンズ、ポトレで使ってみたい。
ファーストインプレッション。
今更感否めないファーストインプレッションではありますが、良し悪し4つずつございました。
結論:これは良い買い物でした!マジでコメント普通ですいません。まずもって(1)この唯一無二な外観ですよ。そして(2)とんでもない解像感。(3)どう考えても堅牢性の塊。(4)この先が楽しみなメーカーであること。これはワンチャン…SIGMAレンズおかわり・有りです!いやマジで。
弱点も見つけました。(1)フォーカス回転がNikonと逆。MF勢としてはこれは結構痛いです。(2)フォーカスリングの感触は悪くないがMF特化型ではないですね。基本はAFレンズなのだと実感しました。しかし(3)肝心のFTZiiまで含めるとコスパは悪いです(´ཀ`)グフッ…。レンズのデカさ・重さはあまり気にならなかったものの(4)そのうち真逆の軽い広角パンケーキレンズが欲しくなるでしょうから困ったものです。
最後までお読み頂きありがとうございます。いやホント今回ばかりは満足しました。ボケマスターのレギュラーは確定しました。今後もガッツリ使って作例UPしますのでお楽しみに。今回の内容はYouTubeにも投稿しております。お時間ある方ぜひ。
皆様におかれましても、散財沼で身を滅ぼさぬようお気を確かに!おまいう(意味:お前が言うな)。では諸君、良き写真LIFEを。かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)