似たような画角だけど性格が全然違う2本の単焦点レンズで撮ったスナップ写真を並べてみました。これから標準画角の単焦点レンズの購入を検討されていらっしゃる方の参考になれば幸いです。決して安い買い物ではないはず…(そして検討中が1番ワクワクする時間)そんなあなたにお届けしたい記事です!

ULTRON35mmと新型XF27mmで実写対決だ!

まずはレンズの紹介を。↓1本目はコシナのフォクトレンダーからULTRON Vintage Line 35mm F2 Aspherical Type II VMです。ライカMマウント用のマニュアルフォーカスレンズをSHOTENのLM-FX Mというマウントアダプター経由でFUJIFILMのX-T4に装着します。2型から追加された真鍮製のシルバーを購入しました。↓この神々しい姿が堪りません…。もとはフルサイズ換算で35mmのレンズですが、APS-C機に装着するため換算52.5mmとなります。

X-T4にULTRON35mmF2を付けた時の質感がヤバい!
もうこれは見た目だけでKO案件

↓対応馬の2本目。XF27mmF2.8 R WR。画角はメーカー公表値で換算41mm。こちらも最近発売されたばかり…というか欠品続きで購入できてません。今回はレンタルイベントでお借りしています。X-E4と組み合わせると500gを切る重量…脅威のスナップシューター仕様です。↓私のX-E4は純正グリップをつけているのでもう少し重くなりますが。

X-E4にXF27mmF2.8 R WRを装着。すごく似合う。
X-E4とXF27mmのセットが爆売中らしいです。

2本とも、いわゆる標準画角の単焦点レンズ。買うならどちらか1本…ですよね。結局私は先にULTRONを買ったのですが、その時に最後まで悩んでいたのがXF27mmでした。で結局XF27mmを今更試すっていう…(気に入ったら欲しくなること請け合いなのに)これは危険が危ないぞ。では写真を並べてみましょう!下記の条件でJPEG書き出ししています。カメラ側のセンサーと描画エンジンはX-T4もX-E4も同じものが使われております。

  • 露出は全く同じ設定で撮影
  • RAW現像:全く同じパラメーターで書き出し
  • フィルムシュミレーションは両者ともクラシックネガ
  • トリミングなし

換算40mm・換算50mm

決定的に違うのが画角の違い。ざっくりと40mm・50mmということにしますね。百聞は一見にしかず。同じ立ち位置から撮った写真をご覧下さい。まずは遠景からです。↓↓↓

XF27mmF2.8 R WRの作例・遠景。
F5.6
ULTRON Vintage Line 35mm F2の作例・遠景
F5.6

40mmって結構広い!って思いました。これは後ろに引けない状況だと写真が変わってくるでしょうね。

XF27mmF2.8 R WRの作例・近い距離の時。
F5.6
ULTRON Vintage Line 35mm F2の作例・近い距離の作例
F5.6

↑たかだか10mmの違いですが、ずいぶん写る範囲が違いますね。旅行に持って行くならXF27mmがいいかもなぁ。↓今度はグッと寄った時の写真です。

XF27mmF2.8 R WRの作例・物撮り作例
F5.6
ULTRON Vintage Line 35mm F2の作例・物撮り
F5.6

靴が同じサイズになるように距離を調整しました。ULTRONの方がほんの少し上から撮っており、画角の狭さと相まって余計な背景を切ることができました。個人的にはこういう50mmのThis is 感が好きなんですよね。

寄れないけどAF・寄れるけどMF

オートフォーカスでサクサク撮りたいならXF27mmF2.8 R WRに軍配が上がります。若干、レンズの駆動音はしました。欠点はあまり寄れないこと。最短撮影距離は34cm、最大撮影倍率は0.1倍だそうです。↓↓↓

XF27mmF2.8 R WRの作例・最短撮影距離付近。
F5.6
ULTRON Vintage Line 35mm F2の作例・最短撮影距離付近
F5.6

ULTRON 35mm F2はマニュアルフォーカスなのでピント合わせに時間がかかります。X-T4のような大きなEVFだとピントの山も掴みやすいですが、X-E4の小さいEVFだと目に力が入ります。でも、そんな欠点を補って余りあるのが寄れるメリットです!元々ULTRON 35mmの最短撮影距離は58cmですが、ヘリコイド付きマウントアダプターのおかげでさらにマクロ側に寄れるのです。この写真は限界まで近づきました。

The Snap的な距離で。

(単なる好みですが)スナップ撮影で使う50mmって本当に好きなんですよね。でもマニュアルフォーカスだとシャッターまでワンテンポ遅れることもあります…。一方でXF27mmだとサクッと撮れますがちょっと広めに写っちゃう。まさにトレードオフです。

XF27mmF2.8 R WRの作例・スナップ作例
F5.6
ULTRON Vintage Line 35mm F2の作例・スナップ作例
F5.6

なお、ここまでずっとF5.6で撮影しているのには理由がありまして。ULTRONは開放付近だと中央以外はガッツリ滲むのです。なので出来るだけ絞って使っています。

XF27mmF2.8 R WRの作例・AF性能チェック
F5.6
ULTRON Vintage Line 35mm F2の作例・マニュアルフォーカスにて撮影。
F5.6

ボケ味

いうてAPS-Cですからそんなにボケ玉は大きくありません。でもボケ味は確認したいところ。XF27mmが開放F2.8なのでULTRONもF2.8に合わせました。被写体を近くに置いてボケを強調してみました。↓↓↓

XF27mmF2.8 R WRの作例・かなり近い距離での描写
F2.8
ULTRON Vintage Line 35mm F2の作例・かなり近い距離の描写力
F2.8

両者とも十分キレイなボケではないでしょうか。ULTRONの玉ボケが角ついているのは角ついているのは絞り羽が偶数(10枚)だからでしょうね。XF27mmは絞り羽7枚です。

ザワつかない。

両者とも背景ボケがザワザワしないのはGOODでした。

XF27mmF2.8 R WRの作例・ボケ味チェック
F5.6
ULTRON Vintage Line 35mm F2の作例・ボケ味ボケ味チェック
F5.6

おまけ:大口径単焦点つけてみた。

X-E4にXF35mmF1.4 Rの組み合わせもすごくいい!

この日、友達がXF35mmF1.4 Rを持っていたので借りてX-E4につけてみました。どうでしょう?↓見た目的にもいい感じではないでしょうか。どれどれ、純正のお高いレンズの性能を見てみようか……、ん!んんッ!?これは…

XF35mmF1.4 Rの蕩けるようなボケ味
F1.4

ぐっっはーーーッ!とんでもなくボケ倒してます。すごい。何この立体感(語彙力…)。ちなみにJPEG撮って出しです。ただシャッター切っただけなのに被写体が浮き上がって見える…。恐るべし高級レンズ。大口径だからだと思いますがX-E4の貧弱なEVFでも明らかにXF35mmF1.4 Rだと見やすかったです。恐るべし。これ以上このレンズを使うと欲しくなっちゃうので…この辺でやめときます。

XF35mmF1.4 RのJPEG撮って出し。この立体感、やばい。
F1.4

どっちが買いか?

標準画角で単焦点を1本買うとしたらマニュアルフォーカスだけど寄れる50mmか?便利なオートフォーカスで広い40mmか?どっちがいいのでしょう。これは難しい選択ですね。私はもうULTRONを買ってしまっているので贔屓目で50mmをオススメしたい派です。オールドレンズ遊びが好きな人には得に!フォクトレンダーの古き良きデザインがFUJIFILMのカメラボディと絶妙にマッチしますし。肝心の描写力は多少癖がありますが、フィルムシミュレーションで相殺されてむしろいい感じに仕上がっているように思います。まさにフィルムライクな写りに。

手軽にスパッとスナップしたい人にはXF27mmはぴったりかと。めちゃくちゃ軽かったです。最大の弱点は欠品していること!レンタルした時にFUJIFILMの中の人に直接伺いましたところ「オーダーのあるお店に優先的に回しているので、とにかく先に注文してください!」と食い気味に言われましたww。(注文後)最大2ヶ月以内にお届けしたい…とのこと。バックオーダーは日本だけではないでしょうから、本当に欲しければ注文はしておいた方が良いのかも。うーん、私も悩んでます。そういえば中古屋の店主に「いつまでも、あると思うな、親と金…とレンズ」と煽られたことを思い出しました。欲しくなったら吉日、買い時なのでしょうね。

最後までお読み頂きありがとうございます。いやはや楽しいレンタル企画でした。FUJIFILMさん、ありがとう。またイベント参加したいと思います。

では諸君、良きレンズ沼LIFEを!かしこ。

ブログ管理人:isofss(イソフス)