撮ってて楽しい強強スナップ機材探しの旅路において、あわや終着駅まで肉薄したと言っても過言ではなかった今回の一日一撮・博多うろうろSNAP。最近首っ丈になっているNikon D60AF-S NIKKOR 50mm f/1.4Gをくっつけて毎日を写真撮ってきました。天は二物を与えずと言いますが、タイトルの通りです。惜しかったッ!

前ピン連発!

撮影条件ですが、先月に引き続きJPEG撮って出し縛りです。2008年発売開始のD60は今では珍しい太古のCCDセンサー搭載機ですからこれを楽しまない手はないでしょう。JPEG設定時にのみ許されるデート写し込み機能もONにします。フィルムカメラみたいな遊び心がいいですね。

Nikon D60とAF-S NIKKOR 50mm f/1.4G外観。非常にコンパクト。
機動力は高い!

レンズは一眼レフ用のAF-S NIKKOR 50mm f/1.4Gです。撒き餌で有名な50mm F1.8Gの1つ上のグレードですね。重量は280gなのでスナップ機材としては及第点。絞りの開け閉めで解像感が変わる性格も好印象でした。開放ではホワホワしますがF2.8以降で優等生にクラスチェンジしてF5.6だとかなり紳士です。大好き。

D60でAFを使った時に高確率で前ピンになってしまう現象をご覧ください。壁の看板がピンボケしています。

ところがですよ…この組み合わせ、かなりの確率で前ピンになるんです。※もちろん個体差の可能性もあります。↑この写真は顕著ですね。そもそも測距点が3つしかないD60ですから基本的にレンズ中央の1番性能を発揮できるはずのポイントでフォーカスを合わせにいきます。その結果がこのザマです。この場所で3回撮って1番マシな写真がこれでした。

この写真も本来は傘を持った女性にピントが来て欲しいところ。手前の手すりに合焦しています。

この写真も傘をさす女性にピントを合わせにいきましたが手前の手すりに合焦。もちろんスナップ中に背面液晶でピントチェックしますが、D60の背面液晶は2.5型の23万ドットでして現行ミラーレスカメラと比較すると1/9程度のドット数なのです…。その場では合っているように見えても帰宅して大きなモニターで確認した時に絶望することが何度もありました。

本当は水たまりの向こうに映る木にピントが来て欲しかったのですが、甘い結果になっています。

まぁ…当時のエントリーモデルですからねD60は。失敗しにくい現代のミラーレスカメラの利便性と比べるのは酷な話。D60を毎日使うようになって失敗することへの不安に慣れてきました。あれこれ気を揉んでもどうせ失敗するんです。だったら楽しみましょう!どうせタマ取られるわけじゃありませんから。

シャッタースピード1/60秒で流し撮り。これま前ピンに関係なくただの失敗例ですね。

あ…これは機材の能力不足じゃなくて本当の失敗事例ですね。でもデジタル機なので失敗しても実質無料!現在、別企画でフィルムカメラを同時に使っている最中でして、こういうミスも許されるデジタルの恩恵を改めて味わっています。ありがてぇありがてぇ。

明るいのに小型軽量。

ちょっとレンズの話を。このAF-S NIKKOR 50mm f/1.4G (Amazonリンク)は弟から借りているレンズでして、実際使ってみて良かったら自分用を買っちゃおう…と画策しておりました。お値段も(安くはないけど)良心的価格です!時代が時代ですのでFマウントレンズは買えるうちに買っておかないと…ですね。

レンズ側の開封F1.4という明るさは感度耐性が低いD60にとってありがたい仕様です。

D60は高感度耐性がほぼ皆無でして、個人的にはISO400で限界を感じます。こうなるとレンズ側の明るさが実用上の鍵になります。先月は開放F2.8のレンズを使っていたので暗い環境での撮影がほぼ無理ゲー状態でしたが、今月は開放F1.4ですからドヤ顔で2段分の余裕を楽しめました。

明るい場所では絞ればよいし、このレンズは絞るとシャキッと絵が際立つので気に入っています。

明るい環境では概ねF5.6あたりを常用しています。この辺りまで絞ると非常に端正な描写になってくれまして大好きなんですよね。雑味なくスッキリ綺麗に写ってくれます。

ハイライト側がスッ飛びがちなのはボディ側の性能だと思ってます。レンズ側の弱点としてはフリンジが出やすいことですかね。↑この写真も出てますね。これを小型軽量というメリットと天秤にかけましょう。F1.4の明るさで機動力も兼ね備えたレンズなのです。よしッ、フリンジは許そう!

中望遠足掛けの換算75mm相当となる画角。APS-C機でもそれなりにボケます。

大事なことを書き損じておりましたが、D60はAPS-C機ですのでこの記事の写真は全てクロップされた換算75mm相当の画角になっております!本来はもっと広い絵が撮れます。2度美味しいじゃん(と言うことにしておいてください)。

終わらない沼。

D60が我が家に着弾して3ヶ月。そのうち2ヶ月は毎日撮影してきました。今まで学んできたことを振り返りますと、(1)D60には親指AFという概念がない。(2)アクティブDライティングをONにするとSDカードへの書き込みに時間がかかる。(3)AFを使った途端に前ピン発生率が高くなる(個体差かもしれない)。(4)感度の安全圏はISO400までだろう。(5)シャッター音と光学ファインダーが雑魚。…この辺りがネガティブな特徴でした。

極端な逆行条件ではゴーストが出ますが、嫌な出方ではないので表現方法として有かと。

ポジティブな面もありまして(6)MFレンズ使用時のフォーカスエイドは正確。(7)色味において会心の一撃が出ることがある。(8)SDカードを抜かずにUSBケーブルでデータ転送できるし約1000万画素なのですぐ終わる。(9)通勤カバンに入れておける小型軽量ボディ。スナップ機材に大切な機動力を持ち合わせた光学ファインダー搭載の一眼レフカメラ…と謳うのは褒めすぎでしょうか。

CCDセンサーはISO感度耐性は低そうです。ISO400辺りが限界かな。
ただ高感度は苦手。これでISO400。

仮に前ピン問題がなければこの組み合わせで望遠側のスナップ機材はファイナルアンサーになっていたことでしょう。しかしAFが使い物にならない今、AF-S NIKKOR 50mm f/1.4Gがメインレンズになれなかった理由はただ1つです。AF-Sレンズってマニュアルフォーカスが壊滅的にしにくいのです!カクカクの極みで細やかなフォーカシングは無理です。構造的な問題であることは百も承知ですが、もう本当にここだけがネックなので惜し過ぎます。

前ピン問題を別にすればD60と50mm F1.4の組み合わせはかなり最強のスナップ機材だと思います。

AF-Sレンズでマニュアルフォーカスのヌルヌル感を楽しみたい場合、最上位単焦点レンズ群(例えばAF-S NIKKOR 58mm f/1.4G等)であれば全ての問題は解決するでしょう。あるいはコシナのフォクトレンダーで新品MFレンズを調達というのも粋かもしれません。いずれにしても機材沼は続きそうです。

オートホワイトバランスを禁止してプリセット縛りにしたことも一定の検証結果となりました。まぁオートでもいいかな。

こういった話をしていると時折「肝心の写真は?」というコメントが寄せられたりするのですが、それは仰る通りなのでグゥの音も出ません。こちとら機材趣味からスタートした人間ですので、とりあえす自分がニヤニヤする状況を作ってからの考えようと思います。

動画版もございます。

そうこうしているうちに次の月になりました。上記を踏まえつつ現在また別のレンズとD60の組み合わせで日々スナップに勤しんでおります。その話はまた別の機会に。では諸君、よき写真LIFEを!

ブログ管理人:isofss(イソフス)