流行りに乗っかっただけの話なのですが、ハッセルブラッドのウエストレベルファインダーそのものをスマホで撮影するPOV(Point of View)をやりたくてRigを自作しました。嗚呼、この記事の内容は一体誰の役に立つというのでしょう!?

HasselbladでPOVをするためのRigをDIYしてみよう。全体図。
これです。

先に完成図です。このRigに搭載するカメラはHasselblad 500C/Mですが他のシリーズでもいけると思います。ほとんどの部品をAmazonで調達しました。以下の説明文(色文字)に販売ページのリンクを貼っています。

土台はしっかりと。

載せるものがハッセルですからRigに妥協はできません。特に土台部分に関しては予算度外視で参りましょう。動画撮影機材であるSmallRig製の15mm径のカーボンロッド2本ロッドクランプで固定し、中央部の1/4インチネジを使ってボディ用のクイックシューと縦向きの柱を取り付けることにしました。

15mmロッド2本とロッドクランプ2個で、まずは土台を作ります。
大きい土台ですが安定はします。

接合部が金属同士の部分にはゴムシートをカットして両面テープで貼っています。これは滑り止め防止の効果が大きかったです。ゴムシートはホームセンターで100円くらいで買ったものになります。ホームセンターでいろいろ物色する時間って楽しいですよね。地面に接するロッドクランプの4箇所にも石突用としてゴムを貼っております。

金属通しが密着する部分はゴムシートを貼り付けます。3/8インチネジ穴に1/4変換アダプターを敷設します。
ネジ緩み防止のゴムシート

カメラを取り付けるクイックシューにUlanziのフライカムF38を購入。ただ1/4インチネジ1本ではハッセル本体の重量に耐えきれずネジ緩みを連発してしまいました。それで1/4穴の直下に敷設されている3/8穴をアダプター経由で1/4穴に変換して2穴連結にしたところガチっと固定できるようになりました。

ハッセルブラッド本体の取り付けはウランジのフライカムF38でクイックシューとします。
すげぇいい…

フライカムF38は非常にビルドクオリティの高い製品でした。脱着はワンタッチでロック機構も付いてます。さすがはUlanziですね。SmallRigもそうですが原始的な部品だからこそ安物ではなく名の知れたメーカーを使いたいものです。ちょっとお高くなりますけどね(汗)。

ハッセルブラッド本体の重量に耐えられるようネジは2本で留めます。
(何言ってるか分からないかも知れませんが…)

クイックシューの2穴連結ですが、補助用の2本目のネジは前述のロッドクランプに同梱されていた1/4インチネジを使いました。ただしネジに遊びの部分がないのでクイックシュー側のネジ挿入部で固定しなければなりません。サラッと書いていますがこの結論を出すためにいろいろ購入して数千円溶けました。皆様、私の屍を超えていってください。

三脚座に取り付けるためにはロッドクランプをもう1つ準備する必要があります。

蛇足を1つ。この自作Rigを三脚に固定する用途としてロッドクランプを追加し、カーボンロッド前方から差し込む形としました。このロッドクランプは単品でも販売されています。もちろんSmallRig製です。

柱とスマホホルダー。

土台から高さを稼ぐ柱にはNICYRIG製のチーズロッド(15mm径)を取り付けております。結局チーズロッドのネジ山を使わなかったのでチーズロッドである必要はなかったのですが…。この棒は先端がM12規格のネジ穴になっているので、ここにM12→1/4インチ変換アダプターを差し込んで土台とスマホホルダーを連結しました。

土台ができたら縦向きに柱を取り付けます。15mmロッドを1/4インチネジで組み付けます。
チーズ穴の方向はワッシャーで調整。

ただ、単純にロッドを1/4インチネジで土台に組み付けてしまうと(ネジ山の関係で)チーズ穴がレンズに向かって正面を向いてくれません。↑上の写真のように斜めになります。当初これが気持ち悪かったのでM6規格のワッシャーを(金属とゴムをそれぞれ数枚用意して)挟み込むことで正面を向くように調整しました。

上面にはSmallRigのマジックアームを取り付け、その先にスマホホルダーを設置します。

先端の1/4ネジにSmallRigのマジックアームを装着し、その先にスマホホルダーを取り付けて完成です。このRigをファインダー越しの私の世界初号機と名付けましょう。POV動画を撮影するたびにカメラ位置を調整する必要はありますが、とりあえず撮影を開始することはできました。人生初のPOV撮影の最初の5カットの様子はYouTubeのショート動画で投稿しております。

生まれたて映像。

今回のRig制作に必要だった費用はザッと13000円程度でした。暗中模索で購入して結局採用しなかったパーツを合わせると20000円近くかかっています…えぇそうです人柱ですとも。ハッセルユーザーの皆さんの1人か2人のお役に立てば…本望です。今後もしかすると弍号機・参号機と改良を重ねるかもしれません。

初号機の感想。

完成したこのRigを使って中判フィルムを1本(12枚)撮影してきました。全カットPOV動画も撮っています。フィルムが現像から戻ってきたらPOV動画をYouTubeにあげようと思います。実際に使ってみた感想はシンプルで「写真撮影には邪魔…」という身も蓋もないものでした。そもそも露出計がなく、AFもない、重いし、左右反転するファインダーで全てを追い込まなければならないハッセルのシステムです。自分の集中力をPOVに割かれるのは足枷でした。

これでハッセルブラッドでPOVが出来るようになりました。

でもハッセルブラッドの撮影体験の魅力を動画で発信する方法としてPOVほど優れたものはないでしょう。ウエストレベルファインダー越しの撮影体験は他の追随を許さない独特な世界線だと思います。自己満足のためにはRigなしで撮影することが必須でしょうし、ここはトレードオフですね。

動画版もあるよ。

ということで現在2本目のフィルムを装填している我が愛機500C/Mは早速Rig無しで現在運用中です。まだ数枚目ですが撮影はとても捗っています。3本目はまたRigを使うと思います。試行錯誤しながら答えのない沼で溺れていこうと覚悟しつつ…さて今日も撮影に出かけましょうかね。最後までお読み頂きありがとうございます!

ブログ管理人:isofss(イソフス)