俄かにマイクロフォーサーズにハマって1ヶ月あまり。普段使いのカメラはもう12年前に完成していたんだな…と複雑な気持ちになっています。LUMIX GM5は今年のベストバイと言っても過言ではない満足感です。もちろん弱点もあります。一日一撮に持ち込んで毎日スナップ写真を撮ってきた感想を綴ります。

オールドレンズには不向きだった。

異論は認めます。私の用途ではLUMIX GM5とオールドレンズの組み合わせはストレスが溜まるセットアップでした。最大のボトルネックは(1)マウントアダプター経由で物理的にレンズを装着する際に強制的に電子シャッターに切り替わってしまう仕様です。さらに(2)GM5に薄型パンケーキレンズを組み合わせると小さ過ぎてフォーカシングに難儀する点…。なんでも小さければいいという訳ではなかった事実にショックを隠しきれませんでした。(3)ピント拡大の半押し解除をしたければ電子接点のある現行レンズを使わなければならなかったこと。つまり、あらゆる方面でオールドレンズ遊びには制約がかかる現実を突きつけられました。

GM5とBRIGHTIN STAR 28mm F2.8のセットアップ。外観。

しかしビジュアルだけは天下一品。ご覧ください、このかっこいいボディ!レンズは BRIGHTIN STAR 28mm F2.8 という厚さ9.9mmのライカMマウント用レンズです。マウントアダプター経由で物理的にGM5に繋いでいるため上記の制約をもろに喰らうことになって3日で運用を諦めましたが…見た目だけは最高にかっこよかったです。

LUMIX GM5 と BRIGHTIN STAR 28mm F2.8 の作例写真。雨の日のバス停を撮影。
JPEG

このレンズをGM5に繋げると画角は56mmになり、レンズの中心だけを使うので周辺の収差は息を潜めます。RAWで遊ぶ運用だと楽しかったかもしれませんが、太古の化石GM5にはUSB-Cでデータを転送する技術は(当然)搭載されておらず、無念にもここで諦めることにしました。マニュアルフォーカスレンズを楽しむなら最新フルサイズミラーレス一択だなと思いました。

1/500秒縛りのGM5。

首を項垂れるのはまだ早かったようです。(ギリギリ)新品で買える純正レンズ LUMIX DG SUMMILUX 15mm F1.7 ASPH. をGM5に装着してみました。これがまた…サイズ的にも重量的にも快適ったらありゃしない!最高です。オールドレンズが使えなかった無念はここで晴れました。GM5にはこれが正解なんだなと。

LUMIX GM5 と SUMMILUX 15mm F1.7の外観写真。スキンシールは自作。
普段使いのベストアンサー

GM5の軍艦部を自分でマスキングしました。もともとNikon ZR用に買ったスキンシールの残りをDIYで加工して貼り付けています。引きで見るとそこそこ健闘しているでしょ(笑)。近づくと荒が見えるのでこの距離でお願いします。百均で買った赤いシールを貼って気分はLeicaです。

LUMIX GM5で撮影。ショッピンモールに飾られた落書きされたアートな車を撮影。

さて、GM5本体の話に戻りましょう。小型軽量に全振りしたGM5には物理シャッターが1/500秒までしか使えないという制約が存在します。この事実を知った当初は「なんだ、エントリー機種だから手抜きされてるのか!?」と訝ったものです…しかし違いました。

LUMIX GM5で撮影。普段のスナップ撮影はこういうのでちょうどいい。お地蔵さんを撮影。

当時の開発者インタビューのような記事で見かけたのですが、どうやらこの仕様は小型化のための技術の1つだったようです。物理シャッターといっても実は後幕シャッターしか存在せず、つまり先幕を電子シャッターで賄うことでシャッターユニット自体を小型化できたという顛末でした。この「1/500秒縛り」は現行機G100Dにも受け継がれていることからしても、これはPanasonicを称賛する1つの事例と言えるでしょう。

LUMIX GM5で夜スナップ。マイクロフォーサーズは暗所に弱いイメージがあったが、夜でも明るい看板などは普通によく写る。

日中の屋外スナップにおいて「1/500秒縛り」はかなり高いハードルです。明る過ぎます。この縛り条件をうまくいなす方法は2つ。1つはレンズを小さく絞って露出を抑えること。しかし、ただでさえボケないマイクロフォーサーズ機なのでできるだけ開放F1.7で撮影したい。そうなると残された手段はNDフィルターで減光するしかありません。

SUMMILUX 15mm F1.7は最大撮影倍率0.2倍と普通のスペックだが、花を撮っていると寄れるレンズだなぁと思わせる魅力がある。

固定のNDフィルターはつけ外しが面倒くさいので可変NDフィルターを買い足しました。このパナライカ15mmのフィルター径は46mm。ちょうどAmazonのセールで1900円の安物フィルターを見つけたので買ってみました。結果は…少し黄色被りが気になるような…まぁいいか。可変域はND2〜ND32の4段分です。

LUMIX GM5は日付を焼き込む機能がある。フィルム写真みたいで面白い。レトロなお店の外観を撮影
GM5には日付の焼き込み機能もあるよ

1ヶ月あれこれ試行錯誤しながらGM5を体に馴染ませていきました。まず大前提として物理シャッター1/500秒縛りの中で露出管理をなんとかすること。個人的な好みで絞りはF1.7固定。シャッタースピードとNDフィルターで明るさを調整しながら、ISO感度はできるだけ下げておく。毎日繰り返していれば慣れるものですね。

今こそマイクロフォーサーズ。

↑ここまではJPEG撮って出しの写真でしたが↓少しだけRAW現像もしてみました。GM5のRAWデータは12bitです。このあたりもフルサイズの14bitに比べれば見劣りが…….などと考える必要はありません。普通に現像できますし、12bitで調整がうまくいかない場合はそもそも現場で適正露出が取れていないだけかと。

昭和ちっくなデザインの壁。そこらへんの裏路地、LUMIX GM5で撮影。

bit深度より気になったのはデータ転送です。GM5に対応している純正アプリ(Image app)はJPEGでも気が遠くなるほど転送速度が遅いです。前述の通りUSB-Cのデータ転送にも非対応です。この辺りは時代の壁を感じます。毎日写真を撮っていると都度都度SDカードを抜き差しするのは面倒なのですが…致し方ありませんね。

お爺さんが膝をついて自転車に空気を入れている。LUMIX GM5で撮影。

今どきマイクロフォーサーズなんて古めかしいでしょうか?否、今こそマイクロフォーサーズのような小型でスマホより綺麗に写る「撮ってる感じかするカメラ」が似合う時代になってきたと感じます。もはや一般庶民には高嶺の花になってしまったAPS-Cやフルサイズ機に(たぶん)未来は…ないです。だって買わないでしょ(買えないでしょ)エントリー層が。

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スマホに一般層のシェアを奪われて高級路線に鞍替えするしかなかったカメラ業界。皮肉にも普段使いの一眼カメラとして完成の域に達していたマイクロフォーサーズ。マイクロフォーサーズの凋落を片目に価格高騰に悶えながら太客頼みと高齢化が進んでいるカメラ界隈。どこに未来があると言うのでしょう。

もはや止める術などない!そして滅ぶ。人は…滅ぶべくしてなッ!

日常を記録する写真の楽しさは、カメラあってのこと。今、一般庶民に必要なのは馬鹿デカい超高画質な高級機材ではなく、生活に寄り添う日常カメラだと思います。そう、GM5のようなね。スマホではなく、おもちゃではなく、お高くもとまらない。毎日でも持ち歩きたくなる一眼カメラを、カメラメーカーには作って欲しいものです。