焦点工房が初めて自社ブランドのレンズを作りました!SHOTEN TRIBUTE 01 LTM 50mm f/1.1 です。昔からの焦点ファンとして胸熱展開です!ひと足先にレンズをお借りすることができましたので、この記事では特に描写の傾向について綴りたいと思います。

ふわふわ。

TRIBUTE 01 の光学設計は往年の銘玉Zunow 5cm F1.1をオマージュしたものだそうです。最近のレンズには珍しく、ストアページにはレンズ構成図やMTF曲線などの情報が記されていません。設計製造の監修は 中国レンズメーカーのODMを数多く手がける鋳鏡師DJ師によるもの。ビルドクオリティは折り紙付きですが、詳しくはこの記事と連動しているYouTubeでご覧頂けます。(※公開後にこの記事にもURLを貼り付ける予定です)

情報が少ないことも販売店側の販売戦略なのでしょうか?…皆目見当もつきませんが(※本当に)、プライベートで執筆しているこの記事では撮影してみた率直な感想を綴りたいと思います。

SHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1で撮影したモノクロの開放F1.1の描写。階段がふわっと滲んでいる。
F1.1

カメラはLeica M10-Pで、JPEG撮って出しです。開放F1.1では白昼夢のような非常にふわふわした描写となりました。

SHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1で撮影したモノクロのF5.6の描写。数段絞ると端正な描写に様変わりする。
F4

数段絞ると引き締まるものの、現代レンズのような超ハイフィディリティなパキパキ描写にはなりませんでした。それはそうですよね、1950年代の光学設計をオマージュしているわけですから。絞ってもどこかオールドレンズの味がする愛おしい性格です。

SHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1で撮影した開放F1.1の夕焼け。夢から醒めないような描写が愛おしい。
F1.1

このレンズは樽型の歪曲収差があります。すこしむくんでいる様子が伝わるでしょうか。

SHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1で撮影したF5.6の夕焼け。シルエットのアウトラインがはっきりして美しい。
F4

絞るとシルエットが浮き出てきました。このにじみの変化こそがTRIBUTE 01の真骨頂かと思います。意図的にふわふわした幻想的な描写を光学的に一発で出したい方にはおあつらえ向きです。

SHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1で撮影した森の中の木漏れ日。かなり光が滲んでいるのが分かる。儚い描写だ。
F1.1

開放時のにじみがあまりにも大きいため一眼ミラーレスカメラで開放F1.1で撮影するときはピントの山を探すのに苦労しました。その点、レンズの光をファインダーに通さないLeicaボディは有利ですね。

SHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1で撮影したF5.6の森の中の木漏れ日。ある程度持ち直してくれる。
F4

普段使い。

F1.1はあまりにも明るいので、シャッタースピードが最速1/4000秒のカメラで撮影する場合はNDフィルターで減光する必要がありますね。普通の描写でよい時はF4〜F5.6あたりがおすすめです。

SHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1の最大の弱点は歪曲収差が大きいことだろう。絞っても改善はしない。
F4 / モデル:M’s CHANNEL まこにゃん

Zunow 5cm F1.1が作られた年代を考えると開放モノクロポートレートは面白そうだなと…この記事を書きながら閃きました。←ご購入予定の方はぜひお試しください。

オマージュもとのZUNOW 5cm F1.1が作られた年代を考えるとSHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1はモノクロで使うのがいいのかもしれない。雑草に取り囲まれたエアコンの室外機。

当方独身中年限界おじさんのためポートレートには縁遠く、代わりにモノクロスナップを日々楽しんでおります。なんだろう…すごくいい。

水たまりのマンホールを撮影。SHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1。歪曲収差が目立つ。

ちょっと樽型収差が出てますが、昔はこういうレンズで皆さん普通に撮影していたのでしょう。TRIBUTE 01を使ったことで少しだけおおらかになれた気がします。

コメダ珈琲の前を横切る老人をSHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1で撮影。このレンズはスナップ向きだ。

頭の中を空っぽにして雑に撮り歩くスナップも(たぶん)許されるTRIBUTE 01。本家ライカレンズだとそうは言えないでしょうから。

SHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1を使ってノールックファインダーで仕事中の女性を撮影。少しぶれている。

測距メモリを見ながらノールックファインダーでパシャリ。シャッタースピードが足りず少しブレています。でも楽しい。

SHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1を木漏れ日の逆光に向けて撮影。穏やかなフレアが確認できる。

F4まで絞りましたがフレアが左上から降り注いでいます。

好きな人に届け。

これは私の完全な主観ですが、このレンズは多くの人に向けて作られたレンズというよりは、長らく沼に足を取られている猛者系住民の方に、あるいは焦点工房のファンの方に向けての超個性的な提案なのだと感じました。普段穏やかで寡黙な焦点工房の社長さんが「レンズできました。いかがですか?」と耳元で呟くイメージが脳裏をよぎるのです。焦点工房社内で一番レンズヲタクの陸さんが何度も・何度も・何度も・何度もチェックを重ねたレンズと聞いております。

SHOTEN TRIBUTE 01 LTM50mm f/1.1 とLeica M10-P外観。ブラックの鏡筒がかっこいい。

自社ブランド初めてのレンズが市場に迎合した量産型コンセプトではなくやりたいことを全部詰め込んだ個性派レンズとして登場したことに、いち焦点工房ファンとしてはニヤニヤが止まりません。なお、レンズ前面の銘板にはロット番号が慎ましく刻まれています。その一本は世界で唯一の一本です。にくいことをやってくれます。

鏡筒はブラックシルバーの2色展開です。シルバーボディにブラックの組み合わせも悪くないですね。当然ながらシルバー×シルバーもかなり良いです。そちらの組み合わせはまこにゃんさんとのコラボ動画で取り上げていますのでよかったらご覧下さいませ。

さて、TRIBUTE 01というネーミングが気になりますね。01ってことは…02があるのかn…おっとそこまでだ!ではまた次の沼でお会いしましょう。

ブログ管理人:isofss(イソフス)