スマホ写真の画質を上げたいそこのあなた!廉価スマホでもRAW撮影ができるアプリMomentで撮った実写テスト、見てみたくないですか?お任せください。スマホはiPhone SE2で撮影。スマホ写真の限界突破に挑みます。
どうにかスマホに一眼レンズを装着できないか試行錯誤した前回。第2章では一旦レンズの話は置いておき、そもそもスマホカメラの性能限界を確かめてみよう!という試みを実証実験します。機材ヲタクの沽券に掛けて普段はスマホ写真なんて撮りませんがッ(食わず嫌い)そのバイアスを取っ払い、曇なき眼で真理を突き止めることが出来るのか!?やってみようじゃありませんか。
1.〇〇っぽい写真。
世界のカメラ史を丸ごと塗り替えてしまったスマホカメラ。その性能たるやいわんや。しかし機材ヲタク的観点による独断と偏見で申し上げますとスマホカメラの性能って10年くらい前に流行ってたPENTAX Q10と近しいスペックだと感じるのです。画素数といい、アスペクト比といい、センサーサイズといい、訳わからん深度合成といい…ほぼ一緒。↑↓iPhone SE2で撮ったこの写真の画質、非常にQ10っぽいです。Q10実写レビューリンク貼っておきます。激似です。
だから「スマホカメラって実はハードウェアは大したことないがソフトウェアの進歩で美しいっぽい写真が撮れるようになった説」を提唱したいのです(偏見)。結果、誰もがイケてるっぽい写真をスマホで気軽に撮れる世界の誕生であります。メーカーがそう仕向けるのは当然ですよね。例えば↑このスマホ写真、現実離れした不自然な色(建物と空のHDR)に嗚咽を禁じ得ません。おえぇ。
1番の弱点は色問題。
しかしヘイトを積んだ所で何も解決しません。ならば機材ヲタクの名にかけて積極的にスマホカメラを限界突破させてみようじゃありませんか。現時点で分かっていることは、その圧倒的な携帯性でシャッターチャンスにめっぽう強いこと。写真も動画も撮れること。多くの人が「カメラはスマホで十分」と唸るのも筋の通った話です。…あとは色さえ良ければなぁぁぁ!
MomentでRAW撮影!
そこで考えました!RAW撮影することで色問題を解決できるのでは?と。メーカー側からすれば素人の下手現像でスマホの評判ごと下げられるのは不本意なはず。よもや廉価版スマホにはRAW撮影すら実装されていませんし。ならば優秀アプリの力を借りましょう。今回は買切490円で一眼カメラ並みの設定が可能になるMomentを使ってスマホでスナップ撮影してみます。そのRAWデータをPhotomator(買切610円)で現像します。安いもんです。
Moment操作画面。
初めてMomentを使ったのですが、このアプリの優秀さにビビり倒しました。(1)マニュアル撮影が可能です。部分オートも出来ます。例えば任意のシャッタースピードを指定してISO感度だけ自動で動かしたり出来ます。(2)ボタン1つでRAW撮影モードに出来ます。(3)電子水準器ついてます。(4)簡易的ですがヒストグラムも表示出来ます。追加課金すればさらに細かい機能をアンロックできるのだとか。純正アプリがこれを入れない理由が分かりました。こりゃライトユーザーには機能過多。
さぁ準備は整いました。時は2021年12月、博多の街にスマホぶら下げて出陣じゃぁ!
スマホでRAWスナップ開始。
ここから先はMomentで撮影し、PhotomatorでRAW現像した写真となります。さて最初のカットから現実を突き付けられました。日陰と日向が混在するシーンです。
小さいセンサーの限界なのか、白飛びがちなハイライト&黒つぶれ気味のシャドーの合わせ技で露出が破綻寸前でした。のっけから悪意を感じるテストです。調整し過ぎて立体感が失われ、ぬぐぐ…だからスマホはHDRしたがるのか。
続いても輝度差の大きい環境です。ハイライトはお亡くなりに。かといってシャドーが生きている訳でもない。日向と日陰を混ぜてはいけない…と言うことは分かりました。
ん?柱がグニャり。若干、糸巻き型の歪曲収差があるような…。社外品アプリを使っているせいで補正が外れているのかもしれません。
興味深く感じたのは、全ての写真で絞りF1.8固定だったこと。スマホカメラには絞り羽がないと聞いたことはありましたが。Momentのマニュアル撮影画面にも絞り値は表示されておらず、露出はシャッタースピードとISO感度でのみコントロールすることになっております。なるほどね。
「なんでこんな写真撮ったんだろう?」と首を傾げるカットの救済措置・困った時のモノクロです。これはこれで…あり?
それにしても携帯性の良さはハンパないですね。サッと構えてパッと撮って終わり。周りに人がいてもスマホ写真ならあまり警戒されませんし。サイレント撮影ができたら便利だろうなぁ。日本の環境では無理でしょうけど。
コントラストがある写真には強い印象。逆にグラデーションは苦手。それがスマホ写真。
iPhoneSE2の画角は35mm換算で28mmだそうで油断すると余計なものが写り込みます。上下の角度でパースもつきやすい。何かを1点だけ表現したい場合には神経を使います。逆に一度で広範囲を収めたい場合・被写体が大きい場合・自分が後ろに下がれない状況などは換算28mmはすごく便利でした。トレードオフとは言い得て妙です。
撮って出しだと高確率で緑かぶりします。マゼンダ不足で不健康な色に。食べ物とかポートレート写真はRAW現像は必須だなと感じました。完璧に描き出されると人間のやることがなくなるので、文句言わずに現像します。
4.外付けレンズに手を出した。
そんな折、叩き売りされていたスマホ用外付けレンズを衝動買いしました。中華系無名メーカーです。スマホリグとのセット商品でして、もうツッコミどころ満載でしたので別記事にしたいと思います。今日はレンズテストのみ。クリップでスマホに挟んで使います。
画角が広がりました。逆光下でのフレアが…と思ったら、真ん中の円はフレアじゃなくてスマホレンズの写り込みでした。ゴーストも出ます。
よくよく観察するとクリップ側の穴(背面)から光が入ってきてました。パーマセルで片面を塞ぎました。
もう片方側はスマホの背面で隠れるので問題なしと。これでまともに写るでしょう!
…………う、うん。うんんんん。
ダメだこりゃぁ…!周辺ボヤボヤァァ。
興味本位でレンズを分解してみたのですが単純な凸レンズが2枚入ってました。虫眼鏡みたいなものですね。流石にこの画質では使う気になりません。外付けレンズが廃れた理由は明白、最近のスマホが複眼化するのは真っ当な進化だったんですね。結局「もうスマホでいいじゃん」となります。
ありゃ、足が長く見える。これでモテモテですな。
外側のレンズを外すと…あら不思議、マクロレンズになります。(そのかわり無限遠にピント合わなくなります)
このギミックは面白いですね。若干ブレている件は申し訳ありません。シャッタースピーとは1/122秒、風が強い日で被写体ブレでした。
まとめ。
スマホ写真の限界突破…と大手を振ったものの、先にメンタルが臨界点を迎えそうです。カメラ構造そのものとして物理的な大きさと画質は直結してるのだと改めて理解。そこを逆手に取って携帯性と利便性に尖りきったスマホカメラも相当なもんです。認めざるを得ません。
一眼カメラよりスマホが圧倒的に優れている点は、撮影・編集・投稿までを1台のデバイスでシームレスに完結できること。一眼カメラに電話機能が付かない限り(いや無理だろ)スマホの牙城は崩せないでしょうね。やっぱりスマホカメラは凄いや。
だったらスマホ写真の画質を上げれば良くないかい?…という流れになる訳で、ソフトとハードの両輪でスマホがこのまま進化し続けると、そのうち一眼カメラは淘汰されるのかもしれません。いやむしろ一眼カメラにSIMカード挿せるようになってほしい。
現実問題、まだスマホ画質はカンストします。だからこそRAW現像…なのかな。色に関しては自分でコントロールしたほうが楽しいですし差別化も容易です。カメヲタとして今後も一眼カメラ贔屓で写真ライフを楽しみつつ、スマホRAW撮影も積極的に取り入れて行きたいと思いました。
1年の締めくくり。
気がつけば年末。読者の皆様におかれましては今年も1年大変お世話になりました。スマホの話題の後に一眼カメラで締めくくる暴挙をお許し下さい。ボディ新品4台買ってお小遣い蒸発しましたモウ無理デス。スナップ写真並べてみたらまぁ色がバラバラで(´∀`)これもまた人生。
なお、ことの発端になったスマホ一眼化計画は今後も継続していく予定です。顛末はDOFアダプターのタグから一覧をご覧頂けますのでご興味ある方は是非。最後までお読み頂きありがとうございます。来年も(沢山買って)沢山撮って、楽しんでいきましょー!皆様も良いお年をお迎え下さいませ。ではまた。
ブログ管理人:isofss(イソフス)