私はスマホ写真が苦手です。あの合成っぽい色が…ですね。でも携帯性は抜群に良いし、そのまま保存できるし、編集も投稿も出来るし、その利便性たるや一眼カメラの比じゃありません。だったらば!スマホに一眼レンズを装着できれば最高じゃない?って思ったんです(今更感は否めない)。そんなポッと出アイディアの顛末をご覧下さい。

1.直でレンズ繋げてみたんだ。

単純な発想ですが直付けしてみました(´∀`)テヘ。iPhoneより被写体に寄れるiPadでテストしてます。iPadカメラの前にレンズを置いてピントが合う位置を探します。フィルム時代の引き伸ばしレンズを使っています。このサイズ感かわいいでしょ!

スマホで一眼レンズ使いたくて、直付けしてみたんだけど…。

……ううん。近くない?

デカすぎ問題。一眼レンズを使うと超マクロになってしまう。

↑これでも無限遠なのです。一眼レンズの本来のフランジバックにスマホを設置すればいいだろう…という単純発想でしたが、よく考えたらスマホ側にもレンズがついているので(光学的に)そうは問屋が卸さないという状況に。そりゃそうだ。結果、マクロ撮影しかできないシステムとなりました(涙)。

2.DOFアダプターの存在を知る。

世界は広いのです。同じことを考え、そして製品化にまで辿り着いている先人達がいたとは恐れ入ります。ググってみるとDOFアダプターなるものを発見。既にジェットさんがレビューしてはります。DOFとはDepth-of-field adapterの略だそうで(直訳で被写界深度アダプター)、うむ、素直にこれを買うのが正解かしら。高いけど。

つまり(1)一眼レンズのフランジバック面に像を写す板を置き(2)その板に写った像をスマホでマクロ撮影するという仕組み。天才ですね。その「板」には一眼レフカメラに使われているフォーカシングスクリーンをそのまま流用。完璧です。…値段以外はネッ!!これ自作できない?

DOFアダプターの全体構造イメージ。実用的であれば本格始動といきたい。

↑なんとも貧相なスタートではありますが、まぁまぁ実験実験。被写体はドラえもん。レンズの光を半透明の板(フォーカシングスクリーンの代用品)に写し、それをスマホで撮影。もしかして私も天才でしょうか?(°▽°)

実験道具を買いに行く。

準備の時間が1番楽しいかも。半透明の板を探しに100円ショップへ。おお!見つけましたぞ、まさにDOFアダプターのために生まれてきたプラスチックケースです(違う)。

100円均一で半透明のプラスチックを買ってきた。

おじさんはこのフタだけを持ってレジに並んだのですが、レジのおばちゃんに「箱は?」と目を丸くされました。

表面がザラザラ加工の半透明プラスチック。これを像面とする。

プラスチックの表面はザラザラしています。これでいいのかな?早速テストしてみましょう。

プラスチック面に結像した絵をスマホで撮影する。

おお…おおお!これはイケてる気がする、イケてる気がするぞぉぉ…。一眼レンズを通った光は上下左右が反転します。あと、スマホカメラでそのまま撮影すると被写体が小さ過ぎるのでズームをMAXにしています。もしくは普通に撮って後で超絶トリミングするか、どっちかです。

とんでもねぇ画質。

実際にスマホで撮影したカメラオブスキュラのファースト作例。

……おっふ。とんでもねぇザラザラ感。プラスチックの質感がそのまま画質に反映されてしまいました。まぁDOFアダプターの原理だけ分かっただけでも収穫としましょう。

今度は無印良品のPPフタで実験。100均よりも質感は良さそう。

もちろんここで終わる訳にはいきませぬ!そういえばウチで使ってる無印良品のPP(ポリプロピレン)の箱のフタがあったな。ぱっと見は100均のフタより上質です。よーし、無印ならワンチャンいけるんじゃないかな!?

ノイズ感は良くなった…のか?そうなのか?実写テスト実写テスト撃沈。

イケませんでした。100均よりちょっとマシですけど。スマホで普通に撮った写真と比較したらグゥの音も出ない結果に。↓↓↓

それに比べ、同じ被写体をスマホで直撮影。結局スマホでスマホでいいじゃん…となる。
iPhoneSE2、撮って出し。

ならば半透明のクリアファイルでどうだ!?(ズームせず最短撮影距離で撮るとこうなります↓↓↓)

半透明のクリアファイルでカメラオブスキュラをやってみた。

ちょっと(本当にちょっと)良いかも?これをトリミング&反転処理します。

しかし被写体が小さ過ぎる。マクロ化しないと始まらない。

うーん。よく頑張りました。

3.打破すべき四重の壁。

DOFアダプター実験で分かった課題は4つです。まず(1)フォーカシングスクリーン代用品を探すこと。半透明かつ表面の凹凸が少ないものが良いと思われ。そして(2)スマホカメラをマクロ化が必須。現状では過度なズームで画質劣化が顕著。(3)撮影時に画像が上下左右に反転してしまう物理現象をカメラアプリで解決できる?これは目星の有料アプリを見つけました。

あと(4)どうやってスマホにドッキングさせるの?…という根本的な問題があります。37mm・もしくは17mmのスクリューマウントを備えた安価なスマホリグ、これが一般的のようですね。ここは素直にDOFアダプター用スマホリグの力を借りようかと思ったのですが、1番有名なBEAST GRIPが約18000円…高ッ。SmallRigから8000円程度で同等品が出ています。いやぁ〜これは悩ましい。

DOFアダプターのブームが過ぎ去ったのも理解できる気がします。もう今はこんな努力しなくてもスマホ単体で綺麗に撮影できますしね。しかしカメラヲタク的には一眼レンズをスマホで使いたいんですよ。ただそのロマンだけを探しておるのです。

高ければ高い壁の方が、登った時気持ちいいもんな。

4.売れ残りリグを発見!

そんな折、在庫処分品を見つけました。完全なる無名メーカーですが。ポイント使って実質3300円、実験価格としては許容かな。カメラっぽいペンタもどきが可愛い。しかもレンズとマクロアダプターまで同梱だって!?

在庫処分品のスマホリグを発見。とりあえず買っておこう。

到着まで1週間というのが不安要素ですが。とりあえずポチりました。さて、残る課題「半透明の板」「スマホマクロ化」「上下左右反転」の壁も越えなければなりません。最後までお読み頂きありがとうございます。この宿題は次回に続くのです!たぶん、きっと。

追記:ミラクル起きた?

色々試している中でおっ!と思った組み合わせがこちらです。不恰好ですが。

ETSUMIのフィルムルーペ15倍をスマホに直付け。

これはフィルムの仕上がりをチェックする時に使う拡大鏡(ルーペ)です。倍率は15倍。ヨドバシで1000円くらいだったと思います。本来の使い方ではありませんがスマホに直付けしてみました。これを介してレンズを除いた図が↓こちらになります。

こんな感じで、レンズ→拡大鏡→スマホ、という構成。

今回は半透明の板はありません。トリミングもしていません。でも上手くいったんですよね。なぜに?理屈は分かりません!

フォーカシングスクリーンを介さずともピントが合うぞ!これは一体?
バーンッ!

歪曲が酷かったり周辺にフリンジが出てたりと課題はありますが、希望が持てる結果にニンマリ。もしかしてクローズアップレンズで拡大すればよかったりして。本家BEAST GRIP DOFアダプター初期型もそういう設計でしたし、これは今後が楽しみです。とりまカメラリグの到着を待つこととします。続く!