斜め上の描写におもわず仰け反ってしまいました…まるでオールドレンズのようだったからです。超Hi-Fiな現代レンズへのアンチテーゼのようなAstrHori 85mm F1.8 AFの開封直後レビューをご査収下さい。前編の今日は特に外観から参ります。
※この記事の内容は2ndfocusのプロモーションを含みます。
レンズ概要。
オール金属鏡筒の重厚感たっぷりなレンズ、その名はAstrHori 85mm F1.8 AF。重量は650gで純正同型レンズの470gより180g程重いです。ちなみにAsrtHoriはアストロリと読むそうです。
描写の傾向が純正とは全く異なるので、価格が純正の半額以下だからといって値段で選ぶことはおすすめしません。しかしビルドクオリティに関してはかなり高級感を感じる精巧な造りでした。なんといっても大口径のガラス玉にはロマンが詰まってますから!フィルター径は72mmです。
8群9枚の光学設計・マルチコーティング・絞り羽は9枚・マウント部分にファームウェアアップデート用のUSB-Cポートがあります。樹脂製ですがレンズフードも付属します。どうしても純正同型と比較検討したい方のためにNIKKOR Z 85mm f/1.8 Sの作例リンクを貼っておくのでご参照下さい。
Z9と組合せ。
さて、今日の本題は外観です。趣味においてかっこいいは正義ですから。Z9に装着したところ…なかなかいいじゃないですか!見た目においては純正Z85mmF1.8を凌駕しています(※個人の感想です)。
縦グリ一体型ボディのZ9がお辞儀をせずに自立するバランスの良さ、素晴らしいです。レンズ自体が重いのでシステム全体として鈍器あるいは筋トレ道具感は否めませんが、まぁいいでしょう。
こちらはレンズフードを装着した前面です。サードパーティレンズですがAFの挙動は特に問題なく快適に使えました。純正の30万円クラスのS-Lineと比較すると合焦速度に明確な差がありますが、純正10万円クラスであれば僅差といったところでしょうか。普段使いでストレスになることはないと思います。
特に目だった弱点はレンズフードでした。高級感のある鏡筒と比べると随分チープな樹脂フードです。しかし、仮に金属フードが別売5000円だとしたら…うーん。樹脂フードを同梱してくれたのはアストロリの慈悲なのかもしれません。
純正との明らかな違いがこのバヨネットの突起でした。この突起は金属製ですがバネなどのギミックは入っておらず、度重なる付け外しの結果 フード側の樹脂が摩耗していくことは容易に想像できます。私はフードをつけないことにしました。
Z6IIIと組合せ。
Z6IIIにも装着してみましょう。ボディ側が軽量になったことで取り回しは良くなりました。黒光りが渋いですね。そして明らかに純正Z85mmF1.8のエリンギ形状よりもかっこいい!
操作面で好みが分かれるであろう要素を1つ。フォーカスリングがかなり重いです。か・な・り・重いです!ちょっと触ったくらいでは動かない…と表現しても過言ではないでしょう。擦過音が鳴るような嫌な感じではないのですが、シンプルに重いです。もちろんバイワイヤーなので物理的にフォーカシングしているわけではありません。AFレンズなのでこのリングをカスタムしてISO感度を割り当てたところ(重いことが功を奏して)案外快適でした。純正レンズのコントロールリングもこれくらい重ければいいのに…。
アルミ削り出しのザラザラフォーカスリングはアストロリのお家芸。重心が前のめりになる分、ここの指がかりが心地よいことはメリットでした。冬場は指が寒くなるかもしれませんね。
ビルドクオリティに関しては純正に負けず劣らずいい勝負していると思いますが、描写は別物でした。100枚ほどスナップ撮影した現時点での感想は「なんだこのオールドレンズライクな描写は!」となりました。写真作例記事は1ヶ月間毎日使った上で再執筆しますが、とりあえずファーストカットを以下に並べます。
お写真を少々。
まず印象の良かった点から挙げますと、開放F1.8のボケ味は素直だと思いました。ボケに全力を尽くした結果、他の収差が暴れたのかな…と邪推しております。まずはJPEG撮って出し写真から参ります。
問題は周辺画質です。否、これは問題ではなく個性と言うことでポジティブ解釈しましょう。とにかく滲みます。中央は普通・ちょっと周辺あたりから急激にジワリます。絞ってもそんなに良くなりません。まるでオールドレンズみたい。見てくださいこのタクシーのテールランプ↓
しかしこれは考えようですが、癖の強いオールドレンズを新品で買えて・AFで撮影ができて・Exifデータも残せるのです!この描写が好みであれば(※ここ重要)唯一無二のレンズになるのでは!?
あまりにも滲むので「これはRAWを捻った方が面白いのでは?」と思い立ちまして、RAWをNX studioで開いてフレキシブルカラーピクチャーコントロール(以下FCと書きます)で現像しました。この記事の執筆時点ではまだZ9側にFCを逆輸入することはできません。ファームウェアアップデートが待ち通しいですね。
現時点でこのオリジナルFCをカメラ側に登録できるのは最新機種のZ6IIIだけですが、今後これがNikon機全体に広がっていったら撮影がもっと楽しくなるだろうなと期待しています。特にアストロリのような癖の強いレンズに × 自分で考えた色味をパソコンを通さずにJPEG出力できるなんて = 絶対楽しいでしょ。
実は過去のNikon機であってもRAWで撮ってさえおけば NX studioでこのFCを適用することは可能です。…私も知りませんでした。パソコンの中に眠っているRAW没カットにFCを当てる遊びに最近ハマっています。D4sのRAWにFCを当てた時には声が出ましたウヒョ!!
もとより純正レンズの超絶描写に慣れているからこそ、こういったレンズ道楽や現像遊びを堪能できるということを忘れないようにしたいものです。純正には純正の強みがあり、そこと競合しないスキマに強い個性を捩じ込んできたアストロリには拍手を送りたいものです。新品で買えるAFオールドレンズ(風)に興味のある方はぜひご検討くださいませ。
この記事は読むのに2分もかかりませんが、同じ内容を喋ると20分になりました。純正Z85mmF1.8Sとの無慈悲写真比較もやっております。続きはYouTube版で是非。では皆様の買い物に幸在らんことを!
ブログ管理人:isofss(イソフス)