趣味用途のカメラ沼の話です。この度Nikonの万能ミラーレスカメラZ6iiを下取りに出して5年前の一眼レフカメラD850を新品注文しました。時代に逆行する決断です。確実に終わりが見える一眼レフカメラを今買う理由とは?? 3つの選択肢からD850を選んだ理由を喋りたいと思います。一眼レフに興味ある方・Nikon好きの方・そして現D850ユーザーの皆様にほくそ笑んで頂ければ本望です。※同内容の動画版もございます↓↓↓

1.前提条件。

まず、今まで使ってきたNikon Z6iiに不満があったから乗り換える訳ではないことを申し上げます。むしろZ6iiの完成度は非常に高く(初代Z6・そしてZ5を実際に使ってきた経験と比較しても)満足度は沼史上過去一と言って過言では無いクオリティでした。特に、初代Z6で不満だった弱点をiiでことごとく潰してきたNikonの気概には感銘を受けるばかりでした。例えば↓↓↓

  1. チルト展開時にEVFセンサーが誤作動しなくなった
  2. 電子水準器が見やすくなったこと
  3. 画像再生がスピードアップしたこと
  4. USB-C給電に対応したこと
Nikon中級機以上に備わるサブセレクター。ユーザビリティは秀逸。
右手側に集中したボタン類。

こうした改善に加え、当然ながら初代Z6が持っていた基本性能も普く踏襲されており↓↓↓

  1. ボディ内手ぶれ補正のおかげで動画を手持ち撮影出来る
  2. iメニューを自在にカスタム出来る
  3. OVFと見紛うほどのEVF品質
  4. 主要ボタンが右手側に集約され、かつカスタム出来る
  5. ハンドリングしやすい2450万画素

などのユーザビリティを数え上げると枚挙にいとまがありません。ボディ単体で24万円前後の価格帯ですから決して安い買い物ではありませんが、その金額に見合う相応の造り込みでした。強いて1点だけ不満を述べますと本体左側の端子カバーのゴムが固いことです!ボディが薄いので物理的にこうするしかなかったことは百も承知ですが。

Z6ii唯一の欠点。端子カバーのゴムが外しにくい!

ではなぜ乗り換えるのか?

きっかけは2つあります。ひとつはレンズです。今まで使ってきたZマウント純正レンズは6本。そのどれもが素晴らしく(私が言わずとも所有しておられる方は全員ご承知のことと思いますが)描写は折り紙付きです。レンズ沼であれやこれや散財する中、今年の初めに憧れだったSIGMA 105mm F1.4 DG HSM (通称ボケマスター)を購入。金策のために手持ちのレンズを下取りに出したタイミングと重なって、とうとう純正レンズが0本になってしまったのです。

購入したボケマスターはFマウントレンズですから、すんなりとFTZを買えば話は終了だったのですが、発売されたばかりのFTZiiは目下欠品中。妥協で初代FTZを買うのは腑におちず、当面は無接点アダプターで無理やり繋いで使うことにしました。そんな折、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、日本国内では地震もありました。

仮にもし自分や家族や情勢不安・自然災害に見舞われれば、カメラ趣味などと言っていられません。カメラを含め昨今の物価高騰も著しいです。そう考えた時、ふと「死ぬまでにもう1回一眼レフ使いたいな」と思ったんですよね。それ以上でもそれ以下でもなく、ただの感情です。自分の写真の原体験がフィルムカメラとデジタル一眼レフだったからです。買えるうちに買っておきたい…と。これが2つ目のきっかけでした。

2.三つの選択肢。

FTZii買うのとD850買うのがほぼ同じ金額ってどういうこと?

話を元に戻します。FTZiiが在庫ありとのことでいよいよ購入しようと(いつも通りマップカメラを)まさぐっていた訳ですが、前述の通り一眼レフが気になっていたので試しにNikonの現行一眼レフD780をカートに入れてみました。D780であればSIGMA 105mm F1.4がネイティブに接続できるなぁ…と興味本位だったのですがこれがマズかった。なんと(Z6iiを生贄に捧げれば)D780がFTZii単品購入とほぼ同額の手出し30000円界隈で買えるのです。こういうちょっとしたきっかけが一番効きます。沼住民の皆さん、お分かりになりますよね!?

ヒエラルキーの壁。

D780について調査を開始。高まる気持ちとは裏腹、現実はそう甘くありませんでした。沼住民の沽券にかけて言い切ります。2020年に発売された Nikonの一眼レフD780は(ユーザーの皆様に不快な思いをさせる発言であることは申し訳ない…)初代Z6を一眼レフ化したフルサイズ入門機という位置付けだと判断しました。あえて入門機仕様に格下げされている部分があったことが根拠です。にも関わらず価格帯が中級機Z6iiと同じ24万円界隈だったのです。以下に列挙します。

  1. サブセレクター非搭載(Zは全て搭載)
  2. 非圧縮RAWで撮れない(Z5と同じ)
  3. USB-C充電まで対応(初代Z6と同じ)
  4. 電子水準器が野暮ったい(初代Z6と同じ)
  5. OVFのアイポイントが21mm(D850は17mm)
  6. ボタン類の造り込みの違い

Z6iiは同価格帯なのにこの全てを満たしており、削ぎ落とし感が否めないD780をどうしても甘受出来ませんでした。しかし残念ではあるものの、メーカーを責めるのはお門違いとも思いました。なぜならZシリーズにはフルサイズ入門機のZ5が存在しますが、一眼レフにはD780よりフルサイズ下位モデルがもう存在しません。D780を上位機種D850と揃えるとD850が売れなくなります。だから理解はできます。→だったらFTZiiを買ってZ6iiに繋ぐ方が賢明だと思いました。しかしそれでは「いつかは一眼レフ」の夢が叶いません。そう、もう欲しくなっちゃてるんですよね、この時点で。「いつか」とは「今」のことです。今しがたシレッと登場したD850がまさか真打になるとは思ってもいませんでした。一旦まとめます。

  • Nikon Z6iiは万能中級機、満足。
  • 憧れのSIGMA 105mm F1.4を使いたい!
  • 買えるうちに一眼レフ買いたいな。
  • [1]現状 Z6ii+FTZiiが無難な策
  • [2]D780だとダウングレード
  • [3]え?D850?

3.苦渋の決断。

興味を持ったが吉日。Nikon一眼レフの集大成とも言われる中級機D850に一気に気持ちが傾きました。スペックどうこうより工業製品としての習熟度にです。ヨドバシカメラでD780とD850の実機を触り比べて確信しました。これだ!と。(D850ユーザーの皆様に頷いて頂きたい話ですが↓)

  • カメラを掴んで持ち上げた時の剛性感。
  • 異常なまでのファインダーの造り込み。
  • 官能的なシャッターフィーリング。
Nikon公式HPより引用。D850背面。
Nikon公式HPより引用。

某ひろゆきさんに言わせれば「それってあなたの感想ですよね」に集約されてしまいそうですが、そう思わせるものつくりだと全身の細胞が叫んでる気がしました。カメラ沼の恐ろしいところは、こういうヒエラルキーに気づいてしまう瞬間です。まんまとメーカーの掌で踊らされております。もう先に言っておきますが、どうせD850を買っても終わりません。この先にはフラッグシップ機→ライカが待ってます。なお、お金はありません。

ただし5年落ち。

D850の最大の弱点はUSB-C充電ができない所。

ただ良いことばかりではなくて、発売から5年近く経ったD850には抜き差しならない時代の壁もありました。(1)USBが謎の形(USB 3.0 Micro-B端子)です。家のそこらへんに必ず転がってるUSB-Cを使って撮影データをPCやタブレットに吸い上げることが出来ません。(2)USB給電はおろかUSB充電も不可能。これは本当に痛い弱点です。家のそこらへんに1本は転がっているUSB-Cを使って充電できないなんて…悲し過ぎます。

記録メディアや電池を抜きたくない。

現行機種ではUSB-C給電なんて基本中の基本スペックです。そのお陰でSDカードやバッテリーをカメラから抜かずに諸々の通常運用が可能です。Z6iiでは出来ていました。D850に乗り換えることで生じるこれらのデメリットは致し方なく受け入れることとします。足にあった靴を探すのではなく、靴に足を合わせようと思います。全ては「いつかは一眼レフ」を今叶えるためです。

4.今後の楽しみは?

今更一眼レフを選ぶなんて狂気の沙汰以外何者でもありません。ピンチはチャンスの精神で楽しもうと思います。

死にゆくFマウント。

ただし私にはボケマスターがあります!これをFマウントにネイティブ接続できるなんて贅沢の限りです。そしてFマウントのオールドレンズもあります。当ブログでエース記事にもなっているMicro-NIKKOR-P.C Auto 55mmは50年選手(しかもF3.5と暗いレンズ)ですが近接描写は逸品です。また最期のレフ機D850で最初の標準単焦点NIKKOR-S Auto 50mm F1.4を使うロマンもあります。両方ともAi改造を施さねばなりません。YouTubeのネタが出来ました。

人生初の高画像機

正直4575万画素も要りません。主な出力先である当ブログの必要画素数は65万画素程度。YouTubeに写真を貼り付けるとしてもFHDで200万画素。高画素は必要ないと今まで避けてきました。しかし高画素でないと分からない世界もあるはず。データハンドリングのノウハウを習得せねばなりません。RAW現像・ブログ執筆・動画編集の全てをiPad Pro1枚で完結させてきた今のスタイルは変更せねばならないかも…。周辺環境も課題になりそうです。

スチルに重心を置く。

今更一眼レフを選ぶということは、動画ではなく写真に注力することを意味します。これは願ったり叶ったり。例えばボディ内手ぶれ補正を失うことで手持ち動画は撮れなくなります。大丈夫です撮ってません。像面位相差を積んでいないD850ではライブビュー撮影の頻度も減るでしょう。瞳AFもありません。いいんです。だってファインダーを覗きたいから乗り換えるのです。ミラーレスのように撮影前から露出が見えることもありません。いいのです。人間露出計になりましょうぞ。私は一眼レフで写真が撮りたいです。

ありがとうZ。

ORMY液晶保護ガラスを装着したカメラの様子。満足です。

私のZマウントの歴史は一旦ここで終わります。とはいえZ9の廉価版が出たら(つまり物理シャッターレスの低画素モデルZ8?が出たら)D850に加える兄弟分として買い足したくなると思いますが。なおD850に辿り着くまでの過去12年13台の散財費(詳細はこちら)を全て計算してみたのですが、売却費差し引いて純粋な支払額が2,030,440円となっておりました。たられば知識さえあれば最初からライカに逝くべきですね。

…という個人的な機材沼話に最後までお付き合い頂きありがとうございます。お勤めを終えたZ6iiは今日この後下取りに発送します。初代Z6とZ5と合わせてほぼ3年間、本当にお世話になりました。Nikonの開発者の皆さん、このカメラ最高でした。そして全国のD850ユーザーの皆様、現役一眼レフユーザーの皆様、よろしくお願い致します!!!Fマウントよ、私は帰ってきたー!

続く。