あほ丸出しのタイトルですいません。ここのところモヤッとしていた霧がSIGMA fpに出会ったことでブッ飛びまして完全に恋に落ちましたハイ。この記事にオチはありません。カメラ好きの方に・願わくば既にfpユーザーの方に・はたまた「こんな顧客もおるで」ってことでSIGMA関係者の皆様の目に止まれば本懐です。お時間ある方は先にお進み下さいませ。

1.いつかボケマスター。

私は機材ヲタクの一般人(薄給)です。そのくせ惚れた機材を買ってしまう持病があります。治療予定はありません。きっとカメラ趣味の方々にはご理解頂けると思うのですが、いつの日かSIGMAレンズを使ってみたいというささやかな夢を抱いておりまして、特に105mm F1.4 Art (通称ボケマスター)は憧れの存在・高嶺の花なのです。使いこなせるか?…という杞憂は割とどうでもよくて単に欲しいだけです。その症状が定期で訪れるものですから困ったものです( ´∀`)ワクワク。

妥協した過去。

じゃあ買っちゃえば?という話ですが問題が2つあります。まず(1)現在所有のカメラがNikon機だということ。残念ながらZマウントでSIGMAレンズを使うにはFマウント用レンズをFTZ経由で繋がなければなりません。大人の事情です。そして(2)ボケマスターは結構高いのです。一眼レフ時代のレンズですから急がねばディスコンにもなりかねない。現にAmazonではFマウント用が出てきませんでした。下記はEマウント用です。

SIGMA 135mm F1.8 DG HSM | ArtとZ6、外観。

実はボケマスターよりだいぶ安い135mm F1.8 Artを購入した経験はあるのですが妥協したのは悪手でした。FTZがカッコ悪いのと(SIGMAは悪くないぞ)、ボケマスターのあの無骨なレンズフード込みの外観とは一線を画しており、135mmは長続きしませんでした。でもね…写真のインパクトは凄かった。

SIGMA 135mm F1.8 DG HSM | Artを振り回してスナップ撮影。
SIGMA 135mm F1.8 Art × Nikon Z6

現ZマウントS-Lineと似た描写クオリティを何年も前から世に放っていたSIGMAに脱帽です。いや大口径単焦点ラインナップに弱いZマウントと比べたらもうレンズは全部SIGMAで揃えてもいいよねって思います。あぁ、やっぱりボケマスター欲しいわ。

2.実機を触って恋に落ちた。

そりゃ触ったら末期ですよ…という話。

sigma 105mm F1.4を電子接点なしで使う案は没になりました。絞りが開かないので。

心のどこかで「Fマウント用ボケマスターを無接点アダプター経由(F1.4縛り)で繋いだら安く買えるじゃん!」って思ってた希望が砕け散りました。通電していない時は絞り羽が閉じるんですね。そうでもしないと剥き出しのミラーレスセンサーが確実に焦げるでしょうからこれは正解なのです。ちなみにFTZ2は欠品中。仮に買ったとしても20万円近い出費。そりゃないわ。

そこでfpの登場である。

いけませんお客様、マウントごと変えちゃえ…と耳元で囁かないで下さい。

ヨドバシカメラにfpを触りにいってむしろ苦悶!

癖が強いことで名を馳せた初代fpがここで私の心に刺さったのであります。fpならLマウント用ボケマスターがネイティブに繋がります。他のSIGMAレンズも無尽蔵に選べるし。ん?長い目で見るとレンズ的には賢明な判断かも!?

カメラに求める機能。

皆さんはカメラに何を求めますか?

正直な話、今使っているNikon機に1mmも不満は無いのです。個人の感想ですが、オリンパス以外の国内メーカー13台の新品カメラを買ってきた経験で分かったこと、それはモノとして1番信頼できるのはNikon機だってこと。特にZ6iiに関しては過去最高の買い物だったと満足しています。グリップ感・操作性・堅牢性・メニューやUI・価格帯・Wi-Fi通信・USB給電・ダブルスロット、どれもが及第点。いろんな現場に耐えられる基本性能を持ち、RAW現像もしやすい、色もストレート。

穿った見方をすれば、金を積めば誰でも基本値を上げられる道具なんですよね。冒頭で「モヤっていた」と述べたのはこの辺りです。ところがfpはそうはいきません。実機を触って確信しました。「おぬし、人を選ぶカメラだなっ」と思った10点を列挙します。

(1)ふにゃふにゃシャッター。

衝撃だったシャッターボタンの感触。なんじゃこりゃ!…でもfpって電子シャッターじゃないですか。物理シャッターと同じ感覚を求めるのはお門違いかなと思いまして、Z6iiをサイレントモードにして確かめてみたら同じ感触でした(´ཀ`)ワハハ。これは間違いなく慣れで解決できると思う。

fpのシャッターフィーリングは最悪。でも慣れかな?
ふにゃん…。

(2)握りやすかった。

もちろんfpにボケマスターを装着して試しました。意外と外付けグリップなしでもいけそう。※完全に主観です。デカいレンズはボディじゃなくて鏡筒で持つ前提で。もちろんグリップ沼・リグ沼で溺れるのも悪くない前提で。

(3)コントラストAF。

AFの挙動はやっぱりコントラストならではの動き。ブワブワしてましたね。ここが呑めない人は初代fpは無理でしょう。

(4)210万ドット固定液晶。

ヨドバシカメラの室内環境下に限った印象ですと背面液晶は思いの外見やすかったです。炎天下屋外ではどうでしょうね?オールドレンズのマニュアルフォーカスはどうだろう?とりあえずピント拡大が半押しで解除される仕様には拍手と感謝を送りたいです。これでチルト液晶だったらfp買ってましたねー!

(5)RAW撮影ストロボ同調1/15秒。

ストロボ運用は諦めないといけないのかな?いやイルコさんはそれでもfpでストロボ使ってましたよね。fpは出来ないことではなくて出来ること探そうという発想を持つべきカメラなのでしょう。不便益を楽しめる人に向いてる機材だと思います。

3.カタログに載らないfpの良心。

SIGMAの良心を感じるユーザビリティを発見。(6)開け易いUSB-Cの蓋。Zシリーズはここが固いのです。固い方が防塵防滴には優れているかもしれませんが開けにくかったら本末転倒なんですよね。初代fpはUSB給電が出来ません。バッテリーチャージャーも別売です。画像のWi-Fi転送もありません。つまりUSB-C接続を多用することになります。そこをちゃんと考えてるSIGMAの姿勢に感銘を受けました。

sigma fpの端子カバーはとても良心的。
左:fp / 右:Z6ii

(7)ダイヤル・ボタン換装サービス。

度々槍玉に上げられる初代fpのダイヤルふにゃふにゃ問題、しかしそこで終わらないのがSIGMA。有償でfp-Lと同じボタンに換装してもらえる公式サービスがあります。にくいなと思うのはFAQを読んでると山木社長に諭されている感覚になることです。FAQには出来ないことは出来ないとはっきり書いてます。すごく好き。

(8)横スクロール型のUI。

fpのメニュー画面は思いの外、分かりやすかった。

メニュー画面の構成もミニマルにまとめられていて(パッと見)好印象。基本、横にグルグルしていくのかな。ファームウェアのアップデートもちゃんとあるし、SIGMAって売り切って終わらないメーカーだという印象。この画面構成も使う人のことを考えてくれてる結果なのかな?と感じました。初見者にそう感じさせるブランディングの上手さよ。

(9)RAWに頼らないカメラ。

直感なんですが、fpって撮影時点でイメージを追い込んでいくべきカメラかなと。少なくとも「とりあえずRAWで撮っておけば何とかなるやろ!」とは逆路線だと思うのです。上記のUIを触りながらそう思いました。「写真」を楽しみたい人にはハマるだろうし、そろそろ機材沼から抜けたい人にも向いてそう。

(10)ボケマスターは唯一無二。

感極まって失禁しそうです。やっぱりカッコイイ。カメラ趣味の醍醐味は所有感でファイナルアンサーでしょう。やっぱりネイティブ接続の方がFTZ経由にはないスマートさを感じます。なんででしょうね。

これは完成系。sigma fpに105mm F1.4をつけたい。
これはヤバい!

これはきっと、最初からサイコガンダムに乗る世界線。

4.fpの弱点を事前検証。

じゃあ電子シャッター由来の欠点を甘受できるか試してみましょう。まずはフリッカー問題。公式FAQによるとライブビュー・Pモード・Aモードの3種ではフリッカー低減が効くものの、Sモード・Mモード・電子手ぶれ補正・HDR撮影の4種で抑えられない可能性ありとのこと。これをZ6iiで検証します。サイレントモード・フリッカー低減OFF・シャッタースピード1/250秒です。出ますね。

電子シャッターのフリッカー問題を実検証してみた。高速シャッターでやっぱり出る。

ローリングシャッター問題。

結論から言うと高速シャッターでも出ます。下記Z6iiでサイレントモード(電子シャッター)・シャッタースピード1/250秒・左から右にそこそこゆっくりパンしてます。これが嫌ならZ9買うしかない。

電子シャッターのローリングシャッターを検証してみる。1/250秒でもこうなる。

同じ条件で物理シャッターに換えると↓こうなりました(まだ若干ブレているのはシャッタースピード起因の被写体ブレです)。うむ…横に動く被写体はfpには不向きという結論。

ローリングシャッターが出る設定でも物理シャッターだと出ない。

5.まとめ。

ここまで4000字近くお読み頂きありがとうございます。それでもマウント乗り換えは迷っています。なぜかって?Zだと無難だからです。ボケマスターに憧れる側、既にNIKKOR Z 24-120mm F4 Sを予約しています。我ながら優柔不断が過ぎて草も生えません。

繰り返しになりますがNikon機に不満はありません。ZレンズS-Lineの描写力は世界一だと思います。24-120mmがあれば何でもそれなりに撮れるでしょう。年に数回ある有償の撮影依頼だって安心してこなせるでしょう。←これです。これなんですよね多分。機材にお金を積んでおけばちょっとしたお小遣いになる時代。でもそれってお小遣い稼ぎの機材選びじゃん。それでいいのか?カッコ悪っ。機材選びは己の合わせ鏡なのだと…それは学びました。

あと「機材」から「写真」に対する比重を大きくしなきゃそのうち詰むな…という点も課題です。その点でSIGMA fpをスチル重心で使う選択は変態以外の何者でもない気がします。相当不便なはず。それを楽しんでるまきりなさんはかっちょいいと思う。

さて。

これも半導体不足の影響でしょうか?Amazonにはfp Lしかありませんでした。流石に6000万画素はいらないんだけど、それは別として安過ぎませんかSIGMAさん?どゆこと?

仮にマウント乗換するなら、もういっそSIGMA生活圏で全部固めますよね。大三元だって10万円界隈。いわゆる大手3メーカーの半額で純正レンズが買えるのですから。

新しい年を迎えるにあたり、これが良い出会いになるのかどうか?冷静と情熱の間で悶々と検討してみようと思います。さぁ脱皮することは出来るのでしょうか!?それは今後のブログ内容に跳ね返って表れると思います。こんな長文にお付き合い頂いて本当にありがとうございます。現fpオーナーの皆さん、私をSIGMA沼に突き落としたい場合はコメント欄(もしくはTwitterのDMで)煽って下さい。多分チョロいです(爆)。では諸君、良き散財LIFEを!かしこ。

ブログ管理人:isofss(イソフス)

追伸:結局こうなりました↓↓↓