毎回ニョキっとレンズを繰り出す必要がある沈胴式レンズ…私、嫌いだったんですけどね…この度その考えを改めようと思いました。新品が3万円台で買えるNikonの入門レンズNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRで毎日写真を撮り続けて1ヶ月、懺悔記事を綴ります。
沈胴式の成せる技。
これまで「ニョキッ」の儀式が面倒で沈胴式レンズを禁忌していたわけですが、そのデメリットを受け入れさえすれば享受できる意外なメリットを見つけました。それは焦点距離を意識できる点です。ニョキッと鏡筒を回転させる時、印字されている焦点距離に自ずと目がいきます。見えちゃうんです。これがよかった。
例えばこのNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRで言えば、沈胴を展開すると16mm/24mm/35mm/50mmの4つが印字されています。よって少なくとも王道画角である換算24mm/36mm/52.5mm/75mmの4画角からサッと最適解を選択しなければなりません。これは修行になります!フフフ。
「ここは換算35mmで行こう」とか「望遠か?いや換算50mmにしてあとは足で稼ごう」とか、その場に適した焦点距離を自然に考える訳です。一度画角を決めると(それを沈胴してしまうのはもったいなく感じ)そのままカメラを持ちっぱなしで歩くことも多く、手元でカメラがスタンバイしているおかげでシャッターチャンスにも強くなります。そんな付加価値まであったのか!?
どちらかというと今まではズームに甘んじるなッ!! 男は黙って単焦点ッ!!みたいなエゴを盲信していたわけですが、画角を意識しつつシームレスに焦点距離を選択できるズームレンズって控え目に言って最高じゃないかしら…?(今更)
運搬に全振り。
焦点距離を意識できるメリットに加え、沈胴式レンズの一般的なメリットも享受させて頂きました。なんといっても持ち運びが楽!最近、人生初入院を経験したのですが、その間も一日一撮を続けたかったのです。流石に病院に大型カメラを持っていくわけには参りません。しかしAPS-C機と沈胴式レンズの組み合わせだとバッグの隙間にスポッと入っちゃうんですね。
写真の本質は記録だと私は思っております。記録である以上、撮影してなんぼ、持ち歩いてなんぼ。つまり持ち運びのハードルをグッと下げる沈胴式レンズは大正解なのでした。もっと早く気づけばよかった。
(蛇足ですが今回の経験を通して、システム全体をコンパクトに全振りしているSONYのコンセプトに興味が湧きました。新型α6700の続報に期待していますッ)
寄り引き出来ない場所で。
もちろん、自分自身が前にも後ろにも移動できないような場所でも画角を変えられる定番のメリットもございます。特にこれが活きるのは遠景だと感じました。もし単焦点レンズで足を固定されたら画角は1つですが、ズームレンズだと複数選べます。旅行に標準ズームを持って行く人が多い理由はこれだったのか!?(今更)
もちろん漫然とズーミングするのではなく(移動できないとしても)出来るだけ自分のイメージと焦点距離を擦り合わせる努力は必要かと存じます。どうせ沈胴展開時に焦点距離のメモリが目に入ってきますしね。
例えば換算35mmで遠景を撮影しようとして、だがしかし電柱が入ってしまう、移動も出来ない、悔しい!50mmにして電柱を切ってみる、違う!この画角感じゃない、悔しい!…みたいな撮影体験ができるのもズームレンズの醍醐味だと思うのです。修行は楽しいのです。
まとめ。
今まで「沈胴式は嫌だ」と禁忌していた撒き餌ズームレンズがこんなに当たりレンズだとは完全に想定外でした。己の稚拙さを噛み締めつつ少なくとも3ヶ月くらいは連続で使い続けようと思っています。特に描写に関してはパッと見で満足していますが、特徴を語れるほど分かってもいません。数が必要ですね。
誤解を恐れずに申し上げますと16-50mmは王者S-Line24-70mmの絶対的安定感の木陰で活きるサブレンズかなと感じております。同じ標準画角のズームレンズですが、日常使いの16-50mmとガチ撮影の24-70mmで完全に切り分けて運用していく所存です。
もちろん↑これは機材病の戯言です。16-50mm単体でも十分使い倒せるポテンシャルはあると思いますし、おそらく高確率で沼の入り口にもなる撒き餌効果もあるでしょう…続きが知りたくなるってのは恐ろしい人間の性ですからね。今となって後悔しているのは最初からキットレンズで買っておけばコスパ良かったな…という点です。
もしこの記事を16-50mmを買う前に読んで頂いている方がいらっしゃれば、ぜひ私の屍を越えていってください、さぁキットレンズで買うのです!新品が実質2万円ですぞ。よき買い物にならんことを。
ブログ管理人:isofss(イソフス)