最近調子に乗っておりました。そういう油断で事故は起きるのです。欲をかいてレンズを改造しようとしたらシャッター幕を壊しかけた話、ここに綴ります。教訓は「素人が調子に乗ると痛い目みるぞ」です。

DマウントシネレンズをZマウントに繋ぎたかった。

初めて8mmフィルム映画用シネレンズを入手したのがついこの間。分解清掃も済み、これからデジタルカメラで使おうという段階でした。Dマウントのシネレンズ(フランジバック12.29mm)はPENTAX Qマウント(同9.2mm)にしか繋げられない物理的制約があります。そんな折、レンズ魔改造を経てM4/3マウント(同19.25mm)に繋いでおられる猛者の動画を拝見したのです。

なるほど。レンズの後ろ側にテレコンレンズを追加すればいいのか。じゃあ真似してみよう!…と、その発想が身の程知らずでした。補足:動画投稿主さんは全く悪くありません。私のメインカメラはNikon Z6ii(同16mm)。ワンチャンいけるかもしれない!?

計画。

(1)Dマウント→Cマウント変換リングを買う→(2)CマウントからM4/3へのマウント変換アダプターを買う→(3)M4/3からZマウントへのマウント変換アダプターを買う。しかし、この場合フランジバックはZマウントの16mmになってしまうため、上記(1)のCマウント変換リング後方にテレコンレンズを接着してフランジバックを伸ばす…と言う作戦。この手順でDマウントを物理的にZマウントに変換できると思った時期が俺にもありました。(フラグ)

100円均一で素材調達。

動画で紹介されていたレンズを見つけてきました。普通に100円均一に売っていました。心躍ります。(フラグ)

100円均一で売っているマクロレンズをテレコンにしようと言うアイディア。

開封してみるとプラスチックレンズが2種類入っていました。エクステンションチューブやレンズフードも同梱されておりますが、用事があるのはマクロレンズです。

いざバラしてみるとプラスチックレンズが並ぶ。

このマクロレンズをテレコン代わりにします。なんとDマウント後方のネジ径とほぼ同じサイズでした。紹介動画の展開と同じで心躍ります。これだとCマウント変換リングに難なく接着できそうです!(フラグ)

なんとDマウントの口径とほぼ一致するではないか!?

まずはテストしてみよう…と思いまして。この両者のネジ山同士をパーマセルテープで仮止めしました。

そして事故は起きた。

Z6iiを開口しまして、センサーギリギリまで近づけます。背面液晶で見る限り、無限遠でピントが合っているように見えました。で、ちょっと1枚写真撮っとくか…とシャッターを押しましたところ…

無謀にもDマウントをZマウントに変換するテストで事件は起きた。

パチッ!と音が鳴り、100円レンズが吹っ飛んでいきました。ついでにこの時(↑写真にある通り)ストロボ付けっぱなしだったのを忘れてました…。異音と同時に発光したものですから…それはそれはビックリしました。え?え?シャッターに干渉したん?え?え?(パニック) 大の大人がオロオロする始末。

シャッター幕干渉時の写真がこちら。危うく故障するところだった。

↑その時の写真がこちらです。おそらく物理シャッターの先幕が100円レンズに接触したと思われます。幸いにもセンサーに傷などは見当たりませんでした。シャッター幕が喰らったダメージ量は(Z6iiは任意にシャッター幕を閉められないので)不明です。一応、単写・連写ともに異常なく動いておりますが…。

懲りずにまだやる奴。

落下の衝撃で100円レンズは床でバラバラになっておりました。

事故の衝撃でマクロレンズがバラバラになった。これってレンズに直付けできる!?

ん?これってマウントに直付けできるんじゃね?…と悪知恵が働くものですから付ける薬もありません。

Dマウントにテレコンレンズを直付けしてみた。これでフルサイズカメラに像は写るのか?

あーあ、ついちゃいましたよ。これをもう一度センサーに近づけます。アホです。どうしようもありません。今度はシャッターをサイレントモードにします。これで電子シャッターになるので干渉しません。なおDXモード(APS-Cクロップ)にしてます。

DマウントシネレンズをZマウントAPS-Cモードで撮影した撮影した写真。写らなくはないが。

撮れました。無限遠も出てそうです。……………で?

リスクに見合わないメリット。

ここでようやく冷静になりました。確かにDマウントのシネレンズを愛機Z6iiに繋げられたら楽しいと思います。しかしそれを実現させるために支払うリスクの方が相当大きいのです。仮に魔改造マウントアダプターを完成させたとて、上記のようにAPS-Cクロップでもケラれる始末。もはやメリットはどこへ?

アナクロ傾倒の落とし穴。

最近このジャンルでの動画投稿に手応えを感じていたこともあり、足元が見えなくなっていたのは明白。たかだか100円の出来心で、大枚叩いた24万円カメラボディの心臓部付近で事故を起こすなど…もっての外。素人が調子に乗るとこうなります。深く反省。Dマウントレンズに関しては、予定通りPENTAX Q10へアダプター経由で繋いで遊ぼうと思います。

最後までお読み頂きありがとうございます。皆様におかれましても無意味な冷や汗をかかぬよう、私の轍を踏まぬようこの話を踏み台にして下さい。どうかご安全に!