SNS界隈で定期的に開催されるフルサイズ vs APS-Cどっちがいいの論争。今回はTwitterでトレンド入りする程の盛況ぶり。しかし元を辿ってみるときっかけはインフルエンサーに対する難癖が導火線になっているように思える。あぁ嫌いなんだね?

写真のないカメラ大戦。

「フルサイズは素晴らしい!フルサイズこそフルサイズ!フォァァァー!!」「ふざけるな、APS-Cでも素敵な写真は撮れる!ギェェェェー!!」と街中でドンパチやり合っている大人達をあなたは見たことがあるだろうか?私は無い。

だが匿名で闊歩できるSNSだと状況は変わる。フルサイズ・APS-C・初心者・入門機…などの(まるでライターを擦った時の火花くらい小さな)フレーズを火種として怒りを粉塵爆発させる大人のなんと多いことか…。彼らにとって(おそらく)気に食わないのはフルサイズカメラでもAPS-Cカメラでもなく特定のインフルエンサーなのだ。単純に嫌いなのだ。都合よくここは匿名の戦場。指を動かすだけで引き金が引ける。

今回は特に(あるいは今回も)、フルサイズユーザーとAPS-Cユーザーが二手に分かれて戦っているというより、怒った一眼ガチ勢 vs 発信元のインフルエンサーという相関図になっていて、日付が変わる頃には他の著名なインフルエンサー達が後方の高台で各々の旗印を掲げている様子。見物人を含め戦場をグルッと取り巻く人だかり。カメラ界のBreaking Downと揶揄されるこのリングには現在欠けている要素がある、それは写真だ。突撃用の4枚の写真なんて建前だ。詰まるところ撃ち込みたいのは文字だろう。カメラ大戦なのに言葉で戦っているとは実に面白い!(ガリレオ)

真のアンチ活動。

嫌いであれば無視すれば?…そうは問屋が卸さないのが現代人ッ!!「嫌いな相手がいて、手元には140文字の弾丸があり、自分は写真を撮っている・本気で取り組んでいる・それを生業にしている自負もある。ポートフォリオならプロフ欄にある。ブロックなんかじゃ生ぬるい、さぁ開戦だ!」

しかしこういう状況は側から眺めているとコンプレックスの発露にしか見えない…。

相手を(言葉で)否定したところで相手の考えを変えることは出来ない。絶対に出来ない。論破したとて所詮論破に過ぎない。そう、これは他人の喧嘩を眺める一種のエンターテインメントだ。一時的にスカッとするがそれで自分の撮影技術が伸びることはない。ド突き合いの果てに何が残るのと言うのか?

嫌いなら嫌いでいいじゃない。

悟った風を吹かせているが私も好き嫌いが発露する一小市民だ。嫌いなインフルエンサーだってそりゃいる!だが見る。見るしフォローするしチャンネル登録だってする。だが叩きに行ったりはしない。前述の通り戦ったところで得るものはないし、そもそも経験が・収入が・機材が・人脈が・人望が・地位が・名誉が・(かわいい女の子をたくさん撮影する回数が) 自分より上の人なんて山ほどいる事実を忘れたくない。例え嫌いだとしても相手の方が(色んな意味で)強いなら、わざわざ出向いて「俺の方が強い!」と声を上げるのは粋じゃない。コメントしに行くのは好きな配信者に限る。

むしろ学べるものを頂戴して自分で実践する方が真のアンチ活動だと思う。嫌いなアイツが切磋琢磨して磨いてきた技術を真似できるなんて脳汁吹き出してどうかなりそうだ。ネガティブな感情も使い方次第なんだよ。(ちなみにY氏のことは大好きである)

結論はとうの昔に出ている。

最後に、擦られ過ぎて原型を留めていないフルサイズ vs APS-C論争についても触れておこう。車に置き換えてみる。「普通車 vs 軽自動車どっちがいいの論争」があったとしたらどうだろう?そのつぶやきの多くがインフルエンサーに対する難癖だったり、論破する目的のカウンターだったりして、それが拡散され、著名人もどんどん参戦して大盛り上がりの状況である。で?結局どっちがいいの?答えは簡単だ。人によるよね!

一般人から見たらフルサイズvsAPS-C論争。

何言ってるか分かんないので何度もリピートして下さった熱心な視聴者さんには申し訳ないと思っている。以下の原稿をご拝読頂きたい↓↓↓

フルサイズに限る!描写力はセンサーサイズに依存するんですよ。大きい方が光をより多く取り込めますからね。絵で例えると、ノートくらいのサイズに描くのと、大きなキャンバスに描くのでは仕上がりは違うでしょ。そういうことですよ。さらに、フルサイズは全体的にボディもレンズも価格が高いんです。それってつまり原価が高いってこと。カメラを構成する様々な要素がより高い水準で設計されているという事実。いいものを使いたいじゃないですか。あとね、APS-Cから始めても、どうせフルサイズが欲しくなるんですよ。そこはメーカーも一丸となって王者の戦略をとってきますから、よりいいものが欲しい!次の世界を見てみたいって絶対になるんです!だから最初からフルサイズを選ぶのが最も賢くてコスパのいい選択なんですよ。

フルサイズ陣営の言い分

APS-Cに限る!機動力が違うんですよ。センサーが小さい分、レンズも小さく設計できる。よってシステム全体をコンパクトにできる。それはカメラ機材を普段から持ち歩く習慣につながる。シャッターチャンスに強いんです。そういうことですよ。さらに、APS-Cは手を伸ばしやすい価格帯なんです。普通に考えて最初から何十万円も趣味に投資できないじゃないですか?でも妥協はしたくない。APS-Cはそのバランス加減が非常にコンシューマー向けなんです。あとね、フルサイズから始めても、使いこなせなかったらただの文鎮ですよ。大枚叩いて、場合によってはローンまで組んで開けた扉の先にあるのは高級文鎮だってのはとんだ皮肉ですよ。絶対そうなりますって。諸々の要素を鑑みてAPS-Cを選ぶのは非常にスマートだと思いますけどね。少なくとも現実的です。

APS-C陣営の言い分

トレードオフの原則で測れば実は同じ土俵にいる両者。仲良くしろよ。というかそもそも両陣営は いがみ合ってるんだろうか?全てを満たした機材などこの世に存在しない。自分にマッチした機材を選べばいいだけの話。目下SNS上で目にした「適材適所」という表現が言い得て妙だ。別に戦うほどのことでもない。結局は当該インフルエンサーのことが気に入らないだけだろう。

だが「影響力のあるインフルエンサーが片方に肩入れする(ような)発信をすると自分の中に物差しがない初心者は信じてしまうから困る」…だと?

黙れ小僧ッ!先人の影響を受けずに初心者が自身の体験だけを頼りに生きていくってのは全部買う世界線なんだよ。そういうお前は口ほどに買い物していないだろう?冗談は口だけにSayよ。

…という私の個人的な思念はさておき、この一連の流れの過ち、つまり思想の押し付けは何も生み出さないという教訓は胸に刻んでおきたい。繰り返しになるが、相入れない考えの人間の頭の中身を変えることは出来ない。スルーするのが1番スマートではないだろうか。

まとめ。

結論はとうの昔に出ている。数多ある情報を読解する能力を身につけるべきこと。嫌いなら嫌いでもよい。それより情報を活用してみようぜ。フルサイズかAPS-Cか結論が出ない時は両方買うんだ。結局お金が必要なので働こう!以上だ。かしこ。

ブログ管理人:isofss(イソフス)