レンズ沼からこんにちわ。今回は見た目だけでポチってしまった引き伸ばしレンズE-LUCKY 75mm F3.5をカメラに繋げる回です。作例もたっぷりご用意しております。欲しくなってもしらないぜッ!では早速参りましょう。
E-LUCKYシリーズは種類が多いのです。このシルバー鏡筒の75mm F3.5は初期のもの(1950年代前半)。販売元は藤本写真工業、しかし同社製造ではなくOEMだったとか。貼合レンズが存在する3群4枚テッサー型(後期)だとバルサム切れの可能性もあると勘ぐり、初期型3群3枚トリプレットにこだわって探した1本でした。(ところが分解してみると2枚は鏡筒に接着されていたというオチは前記事参照) 今回と前回の内容を動画にもまとめてます↓↓↓
1.Nikon Zマウントに繋ぐ。
さてと現代のミラーレスカメラに繋ぐ方法を考えましょう。E-LUCKY 75mm F3.5はL39マウントです。マウントの付け根からセンサーまでに必要な距離フランジバックは68mm。これをNikonのZマウントで実現したく画策します。
まずZマウントをマウントアダプター(SHOTEN LM-NZ M)を使ってライカMマウントに変換します。そのMマウントを変換リング(K&F Concept製)を使ってL39マウントに変換します。でもまだフランジバックが足りないので…ステップアップ&ステップダウンリングならびにエクステンションチューブを組み合わせてM42マウント径で距離を稼ぎ、最後にステップダウンリングでL39マウントに戻します。
レンズの10倍以上の金額をアダプターに投資するなど狂気の沙汰ですが、フォーカスリングが存在しない引き伸ばしレンズをカメラで使うために避けては通れませんでした。ただし恩恵もありまして、高額なLM-NZ Mのビルドクオリティは金額に見合って非常に優秀です。冗談抜きに↑コレ一生使えると思います。今後ライカMマウントやL39マウントのオールドレンズを無限に楽しめる付加価値も付いてきますし。
エクステンションチューブとやら。
フランジバックを稼ぐために使ったのがこちら。3個セットで1000円前後のM42規格エクステンションチューブです。無名中華ブランドです。最初に注文したセットが中国発送で1ヶ月近くかかることに後で気づき、別でもう1セットを無駄に買い足したので手元に6リングあります…まぁいいか。後者は届くのが早かったです。この中で一番長い28mmを使いました。
おそらくアルミでしょう。塗装もしてありますが内部はツルツル仕様です。(このフラグ回収は後程…)なにはともあれ、今回は奇跡的にフランジバックがジャスト出ました。オーバーインフなし=ヘリコイドを閉めた状態で無限遠がいきなり出ます。これは嬉しかった。ただし無名中華メーカーの工作精度は甚だ疑問が残るクオリティですので運要素もあると思います。
接続完了!
いかがなもんでございましょう。悪くない、悪くないのでは?思いのほか剛性感はあるんです。前述の通りフランジバックがジャストですから最短撮影距離もヘリコイドを余すところなく出せます。中望遠レンズとしては特筆するまでもない距離ですが、実寸で約94cmでした。他社マウントで再現する場合はフランジバック分だけ長くなりますね。世界最短Zマウントがここで活きるとは。
レンズ保護したら4群4枚に…。
前回の分解記事にも書きましたが、前玉のスレ傷が激しかったこのレンズをこれ以上痛めないようにプロテクトフィルターを装着したい。しかしネジ山などありません。39mm径のフィルターの逆さ付けが枠的にはピッタリでして、それをパーマセルテープで止めたもんですからトリプレットがスポイルしております。
前玉保護のためには致し方ありますまい…。まぁ3日もすれば慣れるでしょう。
なお、この黒いエクステンションチューブをシルバーに塗装した記事もございます。これがまたカッコ良くてカッコ良くて(自画自賛)。
2.癖の大渋滞。
さて写真を見ていきましょうか!ファーストカットがこちら。この後の作例は、撮影カメラがNikon Z6ii・ピクチャーコントロールはスタンダードでJPEG撮って出しです。さぁ70年前のレンズの実力を見てみましょう。
実写テストの作例を大量投下します。1ページに収めるとスクロールが超長くなってしまうので一旦区切らせて頂きたく次ページからレンズ描写の癖がダダっと続きます↓↓↓