こんなに小さい組み合わせで換算200mmの街スナップ出来るんだぜっ!既にディスコンになって久しいPENTAX Q10にDマウントのシネレンズを装着しております。SUN OPT TELEPHOTO F1.9 1 1/2(38mm)でスナップ撮影してきた写真お披露目会でございます。いざ。
シネレンズで街スナップ。
今日はウンチクすっ飛ばして写真から投稿します!(雑談と動画版が後半にございます)。場所によっては大雪が降っている中、ここ九州は温かくなってきました。お天気の日はスナップ撮影に出かけるに限りますなぁ。さて、私のジャケットのポケットから換算200mm(正確には212mm)のシネレンズを装着したPENTAX Q10を取り出しましょう。ほんとにポケットに入るサイズ感なのです。
このSUN OPT TELEPHOTO F1.9mm 1 1/2(38mm)はDマウントという古い古い規格のマウントのレンズです。メルカリで買った時には母艦のCINEMAX-8というフィルム映画撮影用のボディにレンズが2本着いている状態で送料込2500円でした。このボディはググると1960年代販売とのこと。レンズも相当古いと思います。
200mm単焦点で街スナップなんて私も初体験なものですから、何を撮っていいのか分かりません。とにかく狭い!(笑)そりゃそうだ。
望遠域でマニュアルフォーカス縛りだなんて…ド変態仕様以外の何者でもないです。ただしカメラのセンサーが小さいので比較的パンフォーカス気味に撮れます。
F8まで絞ると中心はそれなりにパキッとしてくれますね。手ぶれを考えるとシャッタースピードは1/200秒以上は欲しいです。
数メートル先から何やら視線が…。鳥さんです!野鳥撮影の知見がないので名前は分かりません。この時のF値は開放F1.9です。画質がとんでもないことになっております。
この日のお気にいりカット。ボディとレンズが小さすぎてホールドしずらいという贅沢な悩みを抱えつつ、飛行機来るまで結構待ちました。なお、この記事の写真は全てRAW現像しています。Q10の本来のアスペクト比4:3から→3:2に切り出しています。周辺画質を誤魔化している…とも言える!(´∀`)エヘヘ
弱点を活かしたい!
古いレンズに古いカメラ。どう考えても現行世代には勝てません。まぁ…そこがオールド沼の魅力なのでしょうけど。例えばレンズを無理矢理Q10に接続している関係で電子シャッター限定となってしまい、移動物はこんにゃく現象(ローリングシャッター)が出ます。あと逆光だとフレアでコントラストがガクッと下がります。この2点を踏襲した写真がこちら↓
そう!没カットにせずにモノクロ救済です。ていうか、そもそも1960年代だったらモノクロ全盛期ですよね。相性いい訳です。この1年、オールドレンズを触りまくって学んだことがあります。解像感は現代レンズに任せて「オールド沼は色で遊ぼう」であります!
自然光とストロボで比較。
とにかく環境に依存するシステムだと分かったので、三脚に固定し・絞りF8で・光を潤沢に用意したら描写が良くなるのでは!?と仮説を立てて実験です。200mmでテーブルフォトという暴挙に出ます。最短撮影距離で1mちょっと。三脚エレベーターの頂上から見下ろしている画角です。まずは窓際の自然光で撮影。シャッタースピード1/4秒です。被写体はスーパーで売っている80円くらいのお団子さん。
さて、今度はストロボ光で…と思ったのですが問題発生。普通、マニュアル調光のストロボだとメーカの壁を越えて使えるものですが、なんとPENTAX Q10のホットシューは奥行きが短いのです。なのでシンクロ接点が接合せず発光しませんでした。グッ…負けるものか。(ちなみに純正ストロボだったとしても電子シャッターの場合は最速1/13秒という縛りがあります。)
↑苦肉の策として1秒の長秒露光中にストロボを手動で発光させました。うむ、影が違う(当然)。発色も…良くなったかな?WEBサイズだと差が分かりません。
Dマウントレンズのススメ。
ここからは雑談です。Dマウントのメリットで真っ先に思い浮かぶのは安いことでしょうか。もはやディスコンになっているQマウントくらいしか使えるカメラがないのが残念。欲をかいて他マウントに繋げようとした私の失敗談リンクも貼っておきます…。もちろんDマウントの魅力は他にもあります!
とにかく小さい。収納も楽。
小さいは正義です。↓こんな小さな箱にレンズ2本と予備バッテリーが収納できます。小さい→持ち歩く→撮影する→楽しい。これは素晴らしいサイクルですな。
フランジバック調整は自作。
一筋縄でいかなかったのは無限遠出しでした。DマウントをQマウントに変換するマウントアダプターは安心のK&F Concept製を購入(過去に痛い目をみたハシュポ製は回避します)。しかし奥まで回し込んだことろがオーバーインフ域でした。距離にして目測1mm程度前に出すと無限遠が出ます。ググると「Dマウントはレンズ毎にフランジバックが違う」という情報を発見。スペーサーを自作してフランジバックを調整することにしました。
ホームセンターの資材売場でゴムシートを購入。厚さ1mmです。90円くらいでした。それを目測で丸く切り抜いてマウントとアダプターの間に挟みます。ゴムなので防塵防滴にもいいですね( ´_ゝ`)?。ゴムは固いほうがいいと思いました。別の薄手のゴムシートでも試したのですが、柔らかいとマウントに巻き込んでスペーサーになりませんでした。
それでもまだ∞位置で無限遠がぴったり出なかったので硬めの紙で同じようにスペーサーを作り、ゴム+紙で無限遠がジャストで出るように工夫。オーバーインフにならないので最短撮影距離も最大限引き出せます。やったね。マウントの奥までレンズをグッと固定することが出来なくなりますが、簡単に外れることはなさそう。
Q10×オールドレンズのデメリット。
それはもうミラーレス黎明期のカメラですから洗練されていないツッコミどころが山程あります!それを撮影体験として甘受できれば御の字でしょうし、逆に現行カメラのありがたさを思い知ることになりました。以下の情報をご拝読下さいませ。
NG1.起動が遅い。
これはPENTAX Q10側の問題なのですが、マウントアダプター経由でオールドレンズを使用している時に(つまり純正レンズが付いていない状態で)電源を入れると明らかに起動が遅くなります!スナップ撮影のような速射性が要になるシーンでは本当にイライラするんですよね。さらに起動ごとに「焦点距離入力」画面に飛ばされます。半押しすることで強制的に撮影画面を呼び出すことは可能ですが…記憶しててよねッ!センサーが小さいQ10ではフルサイズ換算で焦点距離が5.58倍と実用性に欠けるため、そもそも気持ちよくQ10でオールドレンズ遊びが出来るように設計されていない…のかもしれません。
NG2.ボディ内手ぶれ補正が暴れる。
これもQ10側の挙動です。純正レンズの時は優秀さを感じたボディ内手ぶれ補正ですがオールドレンズ使用時はどんでもなく暴れます!暴れ馬です。「焦点距離入力」を正確に入力してもダメ。特に望遠側がダメです。38mm(換算約212mm)では使い物になりませんでしたので、もう1本持っているシネレンズに合わせて13mmで固定しました。↑上の写真は全てこの設定です。
NG3.固定液晶でMF撮影は鬼。
分かっていたことですが、バリアングル液晶でもチルト液晶でもない、たかだか46万ドッドの固定液晶でMF撮影しようなど…苦行すぎて笑えませんでした。ピント合わせは至難の業…というかピンボケ量産です。理由は簡単で見にくいからです。一応メニュー項目からLCDの輝度変更も出来ますが…
NG4.電池が持たない。
オートパワーオフの最短は1分。私のメイン機Nikon Z6iiだと30秒から選べるのに対しQ10は1分/3分/5分/無しの4種類だけです。小まめにON/OFFを駆使しても、再起動時には時間がかかるし、待たされた挙句また「焦点距離入力」画面に飛ばされます。面倒だから付けっぱなしにすると小1時間もしないうちにバッテリー残量1コマ…みたいな状況に(涙)。…と小言はこの辺にしておきましょう。
まとめ。
このサイズ感で換算200mm相当の画角が楽しめるのは特筆すべきメリットだと思いました。カメラ側のユーザビリティが現行機種ばりに高ければ…スナップカメラのレギュラー入りを果たしたはず。すごく惜しい!やっぱりQ10は純正Qマウントレンズを使うのが1番なのでしょう。SUN OPT TELEPHOTOレンズの描写性能には概ね満足でした。息を呑むような写真は撮れないと思いますが、経年劣化に耐えた造りとコンパクトなメリットを考慮すると賛辞を送りたいレンズです。そもそも二束三文だから文句言えませんッ。↓動画版では記事に載せていない写真を掲載しております。是非是非。
さてさて、次鋒シネレンズCINE-NIKKOR 13mm F1.9(←記事はこちら)の検証も控えております。この沼はまだまだ続きそうです( ´∀`)グフフ。では皆さん、また沼の先でお会いしましょう。良きオールドレンズLIFEを!かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)