写真を撮ることは大好きなのですが、毎日同じ通勤ルート・同じ時間・同じ機材で同じような景色にレンズを向けていると…飽きるんですよね。だいたいそんな時はインプットが足りていません。そんな折、ふいに買った写真集に救われた話です。
マンネリ化の原因。
毎日写真を撮り続ける修行、一日一撮。今年ももう7ヶ月が過ぎました。早いですね。今月のうろうろ機材は古のエントリー一眼レフNikon D60にAi NIKKOR 45mm f/2.8Pの組み合わせでした。持ち歩くハードルをグッと下げてくれるコンパクトセットです。以下の写真は全てJPEG撮って出しで、仕上がり設定は「より鮮やかに」を選択しています。
スナップ写真のマンネリ化は一日一撮 1st seasonでも味わいました。その時もちょうど半年を過ぎたあたりだった記憶があります。毎日写真を撮るといっても社会人ですから活動時間は限られますし、いくら都会に住んでいるとはいえカメラを持って歩ける範囲には限度があります。
撮るものがなくなっていく実感。スナッパーは、普段見ている景色にワクワクしなくなる焦燥感と常に戦わねばなりません。写浴を呼び起こすために機材を買い足しても解決にはならないのです。あぁ…またこの感覚か…となってからが本番ですよね。
1つの傾向として人間を写し込んでいない写真を撮り続けるとマンネリ化しやすいと思いました。とはいえこのご時世、赤の他人にレンズを向けるハードルは決して低くありません。そこまでして何を表現したいのか?そもそも何でスナップ写真を撮りたいと思っているのか?好きなのは機材なのか?写真なのか?
ベタですが、そういうことです。
Forever Saul Leiter
こりゃいかん…ということで本屋に駆け込みました。本当は梅佳代さんの写真集を買いたかったんですよね。自転車に乗った女の子が逆さまにあっかんべーしてるあの写真が見たくて…。ってどの本だっけ?というか梅佳代置いてないぞここ。
しかたなくソール・ライターを買いました(とか言ったら怒られそうですが)。しかしこんな名著をまだ見ていなかったとは勉強不足にも程がありますね。頭の中をリセットするには十分過ぎる内容でした。自分の住んでいる街を日々撮り歩くって有意義な時間の使い方なんですね〜。
ソール・ライターの写真にはそこに生活する人が沢山写っていました。顔がおもいっきりドーンと大きく写っていることは稀で、どちらかというと人間は風景の中に馴染んでいることが多かったように思えます。なるほど、知らない人間を無許可で狙いにいくわけではないのか(そりゃそうだ)。これはすぐに真似しましょ。
雨降りと言えばソール・ライター!写真集を買って以来、天候が悪い日にワクワクするようになりました。あとはガラス反射越しの世界とか、強烈な前ボケもそうですね、今自分の目で見ている景色をソール・ライターだったらどう切り取るか?…おっと? マンネリはどこかに行ったようです。
でもどこかで梅佳代さんになりたい欲求も忘れていなくって、次買う写真集は梅佳代さんにしようと思います。写真集って(機材に比べれば)そんなに高くないじゃないですか。お手頃なんだから見る努力を怠ってはいけませんね、これは反省です。
私、家の中にモノを置きたくない・とにかく床と壁が大好きな自称ミニマリストを標榜しているのですが、写真集だけは別腹にしないといけないなと思いました。本って嵩張るから嫌いなのですが…写真は紙で見たいですもん。葛藤します。
ちょっと待てよ、自分で撮っている写真もモニター鑑賞だけでいいんだろうか?せっかく毎日写真を撮り続けているのだから、例えばそれを1年単位で本にしたら面白いのでは?…灯台下暗しといいますか、たった1冊写真集を買っただけでマンネリ化がぶっ飛んだ単純回路の自分の脳みそに今は感謝しています。インプットは大事ですね。
住んでいる街を日々撮り歩いて自分で写真集を作る。できるだけその時その場所にいた人間様も一緒に収めておく。写真を積み上げたら一定間隔でそれを物理的なモノに変換しておく。別に誰かに頼まれたわけでもないのに淡々とそれを繰り返す。「人間っておもしろいな」と言っていたリュークの気持ちが少し分かりました。
気分一新!
一日一撮の当初の目的はカメラ機材の習熟度を上げることでした。それはそれでメリットの多い活動ではあるのですが、せっかく残る写真を活用しないのはもったいない!いい学びを得ました。
そういえば梅佳代さんも機材構成は超超シンプルでしたよね。弘法筆を選ばす…いつか自らそう言い放てるようになりたいものです。さて、一日一撮は引き続き8ヶ月目に突入しております。また次の沼でお会いしましょう。
ブログ管理人:isofss(イソフス)