スマホカメラは嫌なの!カメラがいいの!でもデカいのは嫌なの!…そんな贅沢な悩みをお持ちですか?同志よ、こんな面白いレンズありますよ。タイトルの通りのとんでもない全部盛りレンズ7Artisans 35mm F5.6を購入しましたので喜びの舞を踊りたいと思います。

似合うじゃないか!

このレンズのことは存じておりました。個性的なデザイン・絞りがF5.6固定であること・マニュアルフォーカスであること…などからしてちょっと変わった人が買うレンズだと思ってました。どんなにググってもNikon Zfcに装着した画像がヒットしなかったんですよね(悲)。正直、人柱になるつもりで購入したのですが…

7Artisans 35mm F5.6 on Zfc。これは小さくて素晴らしい。
…おや!?

あら、いいじゃない!思いの外、Zfcに馴染んでいて嬉しかったです。(お求めやすい価格帯のレンズに贅沢なことを求めるのは難がありますが)1つだけ欲を言えば…レンズ前面の文字が彫り込みだったら最高でしたね。7Artisansの「7」以外はプリントです。

7Artisans 35mm F5.6 on Zfcの側面。見てくださいこの薄い鏡筒!

横から見るとそのコンパクトさがよく分かります。なんとなくNIKKOR Z 26mm f/2.8っぽい形状ですね。もちろんAFは出来ません。明るさもF5.6で縛られます。しかしそれ以上に機動力の高さは特筆すべきものがあると思うのです。フルサイズで使えば35mm・APS-C機に着けると52.5mm。こんなレンズ、他にないですもん。

最大の弱点を綴っておこう!

正直に申し上げますとフォーカスリングの癖がかなり強いです(笑)。そう、これを笑えるくらいの寛容さは求められます。まずこのレンズ、蓋がついてます!前玉保護の機能としては面白いギミックなのですが、問題はその位置。蓋が閉まった状態からフォーカスリングを回すと蓋が開いて無限遠位置になります。←これが厄介。

7Artisans 35mm F5.6には蓋が備わっていて、フォーカスリングを回すと開閉できる。
無限遠にほんのわずかなクリック感。

蓋が開いた時(つまり無限遠の時)にささやき程度のクリック感が有りますが、往々にしてそこで止めるのは困難な印象でした。回し過ぎちゃうんですよね。無限遠時のピントの手前は目測で10mくらいでした。1番使うであろう近距離の撮影に必要なフォーカスリングの回転角は30度程度と非常にタイトですし、その角度の半分は(上の写真の通り)最短撮影距離付近で使います。つまり1m〜10mくらいのスナップで1番使いたい近接撮影がウルトラハードになっちゃう仕様です。ドM気質の方にはおすすめです。なお近接になるほど前玉が飛び出てきます。手で触らないようにご注意を。

個人的見解。

フルサイズ画角に対応したレンズですが専らAPS-C機で使う用途で購入しました。前述の通りスナップ撮影の機動力を上げるためです。グリップの浅いZfcにはこれくらい小型でないと(私の場合は)ストレスが溜まります。実際使ってみるとフォーカシングが上手くいかずピンボケしている写真を量産してしまうのですが、そんなボケ写真も趣味スナップにはご愛嬌と割り切りまして、フィルムライクなプリセットを当てて昭和感あふれる現像で楽しんでおります。

7Artisans 35mm F5.6の写真作例・湧き水を掬っているところ。

Z9につけてみた

当ブログらしく普通の人がしないであろう使い方にも挑戦してみましょう。レンズとのお値段差42倍のフラッグシップボディZ9に装着するとこうなります↓↓↓

7Artisans 35mm F5.6 on Z9。きちんとフルサイズ画角に対応。焦点距離は35mm。
良いではないか!

7Artisans 35mm F5.6は本来フルサイズ対応レンズなので何も間違ってはいないのです(ただニッチなだけ)。この装備で登山にも出かけました。不思議なことにレンズがついている感じがしません。縦グリ一体型ボディなのに軽いとさえ思えてきます。あとはフルサイズボディならではのEVFの見やすさだったり・ボディ内手ぶれ補正の恩恵が受けられるメリットは言うまでもなくGood Pointです。

7Artisans 35mm F5.6 on Z9。側面から見た姿はNIKKOR Z 26mm f/2.8に似ている。

MFの肝であるフォーカスリングのヌルヌル具合は非常に良好です。非常に・良好です。最近の中華レンズは素晴らしいですね。もちろん金属マウントです。保護フィルターは装着できませんのでレンズを繰り出した時に前玉を汚してしまう可能性はあります。

びっくりするくらい良く写る。

7Artisans 35mm F5.6の写真作例・街中スナップ。トンネルの先に人影。

(ピントさえ合えば)非常によく写ります!F5.6と小口径なことが功を奏してかフリンジの類も全然気になりません。実はフルサイズ画角で使うと若干の糸巻き型の歪曲収差があるのですがよっぽど直線が周辺部に映り込まない限り気になることはないでしょう(APS-Cクロップだとまず判別できません)。

7Artisans 35mm F5.6の作例・35mm画角の遠景描写。相当しっかり写ります。

そして寄れます。換算35mmで30cmまで寄れますからテーブルフォトなんかも楽ちんです。ただし寄る程に被写界深度は薄くなります。F5.6とはいえフルサイズなのでピント幅は薄々です。↓下のトーストは前側しかピント合ってませんね。

7Artisans 35mm F5.6の最短撮影距離は30cmなのでテーブルフォトはお手のもの。

今までこのレンズを避けてきましたが、それはデザインが奇抜だったからです。もしかして同じ感覚の方も少なくないのでは…?半分は博打の感覚で買いましたが(スタート地点が低かった分)思いのほか大正解だったので喜びを禁じ得ません。

まとめ。

MFを楽しみたい方やリーズナブルかつ描写の良いレンズをお探しの方にとってはストライクになる可能性大の7Artisans 35mm F5.6。一家に1本いかがでしょうか?このレンズの開封の儀&作例動画をYouTubeに投稿しました。

強いて言えば(1)オールドレンズライクな造形だったらなお良かった・(2)無限遠のクリックを強くしてほしかった・(3)プロテクトフィルターの枠を付けてほしかった。この3点を改修した2型を待ってます七工匠さん!20000円以下なら即買いで!

しばらくは7Artisans沼で散財しそうな予感(いやぁ50mm F0.95が2万円台とかチート過ぎますやん…)。待て待て、とりあえず35mm F5.6を使い倒すこととしましょう。毎日写真を撮る修行・一日一撮博多うろうろSNAPに早速投入しました。登山にも持って行きました。次回の記事はその感想です。では皆様、良き散財LIFEを!

ブログ管理人:isofss(イソフス)