斉木楠雄の ψ 難で表現にするとおっふとなりましょう。この度、コシナから新発売となったフォクトレンダー(Voigtländer)のULTRON vintage line 35mm f2 aspherical type ii vmを一目惚れ購入致しまして。今どきマニュアルフォーカスだけのガラスの塊に大枚叩くなんて常軌を逸しているかもしれません。本記事は、レンズ選びにおいて特に見た目や所有感を重視される方へ熱烈にフォクトレンダーをお勧めする目的で書き進めて参りますので、お財布をご準備の上ご拝読頂きますよう宜しくお願い申し上げます!でわ参りますッ!
1.意外とずっしりしてます。
ULTRON vintage line 35mm f2 aspherical type ii vm、長い名前のレンズですが鏡筒はコンパクトです。2型になってから変わった部分はフォーカスリングがノブから指を引っ掛けるくぼみ式になりました。光学系は5郡8枚(異常分散部分ガラスと非球面レンズ各1枚ずつを含む)から変更はないようです。Vintage Lineと名を戴くシリーズはクラシックな見た目の中に現代的な光学系を詰めたレンズプロダクトとなっており、そのコンセプトだけでビール3杯おかわりできそうです。重さはレンズ単体で210gとかなり軽量のはずですが、真鍮削り出しの鏡筒が妙に冷んやりしており(高級感のバイアスも相まって)なんかずっしり重さを感じます。2型ではブラックとシルバーの2色展開で販売されています。
金のプロテクトフィルターを見つけてしまい…。
シルバー鏡筒に似合うプトテクトフィルターを探していたところ…なんとマップカメラで金(色)のプロテクトフィルターがあったのです!マルミとのコラボ商品らしく、グレードはDHGスーパーシリーズ(高級路線ではない普通のタイプ)のようですが、真鍮に塗装を施さずにあえて金属の色を残したとのこと。ULTRONも真鍮製ですのでシンパシーを感じて即買いしました。
開封の儀はフィルター装着から始まると相場は決まっておるのです。して結果やいかに…?
おっふ。これはズルいです。クラスで人気の女子が私服で現れた…くらいの破壊力があるかと存じます。さて、このレンズは富士フィルムのX-E4に装着しようと思いまして。もともとライカのMマウント用のレンズですからマウントアダプターで富士フィルムのXFマウントに変換せねばなりません。せっかくなのでマクロ撮影が可能になるヘリコイド付きアダプターを購入しました。SHOTENのLM-FX Mです。こちらも真鍮製です。繰り出し量6mmでとんでもなく近接撮影できます。でもコレ高いんですよね…しかし寄れるようになるのは魅力だよなぁ。よし明日からは一日一食の節約生活じゃ!
2.X-E4とULTRON 35mm f2の美しさ。
おおおおおおっふ。個性が溢れ出しております。いや、普通に考えてオートフォーカスレンズが正解ですよね。なぜに不便な選択肢に手を伸ばすのかなんて…それは見た目に惚れ込んだからの一言に尽きます。いいんです、趣味は自己満足でッ!キリッ。
なお、X-E4はAPS-Cセンサーですから焦点距離は1.5倍で換算52.5mmとなり、レンズの中心部分だけを贅沢に使うことになります。めちゃくちゃカッコいい純正レンズフード(LH-12)も欲しいのですが10000円って高過ぎて涙、今回は見送りました。
3.使い勝手はどうか?
えーと、これはX-E4側の問題なのですがはっきり言って持ちにくいです!X-E4に(これまた10000円クラスの)純正メタルグリップMHG-XE4を付けておりますが、それでも男性の手(大きめ)でしっかりホールドしてフォーカシングに集中するのは困難と思われます。見て頂いた方が早いですね↓↓↓もはや親指シャッターが出来そうです。
ちなみにEVFは覗く事すらはばかられる程小さいです。眼鏡人には厳しい現実でした。見やすさを取るならX-T4が正解のような気がします。なのでもっぱら背面液晶での撮影に振り切って使ってます。しかしですよ!(富士フィルムへの文句が続きますが笑)フジのピント拡大ってピクセル等倍じゃなくて単に引き伸ばし拡大になってないかい?っていうくらい拡大画面が見にくいのです。詳しいことご存知の方いたら教えてください!ついこの間まで使っていたNikon Z6はEVFにしてもピント拡大にしても格段にハイレベルでした。ボディの価格差を考えるとそりゃそうだとなる訳ですが。
がしかし!撮影時に頑張らないとピントが合わないっていう臨場感は結構楽しいものですね。確かにピントを外した写真が量産されます。なんかフィルムカメラを使っているみたいです。このX-E4とULTRON 35mm f2の相性はある意味で粋なのかもしれません、便利すぎる時代に逆行する組み合わせとしては。
意外な盲点その1:レンズが重い?
ちょっと面白かったのが、この組み合わせだとフロントヘビーでおじきしちゃうんですよね。X-E4(364g)+メタルグリップ(100gくらい?)のボディ側に対して、レンズ側はULRTON(210g)+マウントアダプター(100gくらい?)+プロテクトフィルターとなり、まあまあレンズが重たい構成になっております。全体を持った時もなぜかレンズ側に重心を感じます。首掛けストラップだとギリギリ首で支えられる重さかな…という感じでした。その分、金属感というか重厚感というか、所有欲をくすぐる組み合わせなのは間違いないです。前屈みだと置き場所に困るので、とりあえず保管場所はアルカスイス互換の三脚に鎮座させております。こういう時の外付グリップは便利ですね。
意外な盲点その2:ピントは薄い。
数枚撮ってすぐにピントの薄さを体感したのですが、もともとフルサイズ用のレンズですのでAPS-Cセンサーでクロップ運用したとしてもF値ごとの被写界深度はフルサイズの時のまま。クロップ分だけ(焦点距離の割には)ピント幅が薄く感じても致し方ないのかも。よってボケ量もフルサイズ用ということになり、開放F2の割にはよくボケているように見えます。
4.作例。
見た目の話ばっかりでしたが、最後にちょっとだけ作例を。届いて初日ですので数枚ですが。せっかくフジのカメラですのでJPEG撮って出し、フィルムシュミレーションはプロビアです。
最短撮影距離58cmに加えてヘリコイド全繰り出しで撮影しました。絞りは開放F2です。ピント薄過ぎ。
逆光にするとフリンジは出ます!パープルなのか、緑色のはみ出しなのかは状況によって変わりますが、出るッという事実だけは確定です。個人的には許容範囲。その分コンパクトなのでOK。
猫様に逃げられないギリギリの距離で撮らせていただきました。目線は頂けず…。開放F2です。いかがでしょうか。けっこう現代的な描写だなと思いました。ピントさえくれば全然イケる気がします。
まとめ:見た目最高で楽しげなレンズ。
まだまだ撮り慣れていませんが、意外な点も含めてお気に入りレンズになりました。なんと言っても他の追随を許さない個性的な見た目が最高にアガるレンズです個人の感想ですけどッ!でも趣味の世界で気持ちを高揚させてくれる道具って大切ですよね。あとはどう使いこなすか…とりあえず大量に撮ってレンズの傾向を掴もうと思います。作例記事はフォクトレンダータグからご覧くださいませ。
最後までお読み頂きありがとうございました。では諸君、良きレンズ沼LIFEを!かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)