時代の流れがミラーレスに移り変わって早数年。最近のカメラは本当に便利になりましたよね。ところが定期的に一眼レフを触りたくなる衝動が襲ってくるから不思議なものです。この度、2014年発売のNikon D4sを中古で購入しました。その話を少々。

とんでもない良品を引き当てた経緯。

買い物に妥協はしない!これは機材沼住人のプライドみたいなものですが、残りの人生でもう一度一眼レフを使う機会を設けたいと思った時から買うならフラッグシップと決めていました。しかし安い買い物ではありません。お財布事情的な落とし所としてNikon機で探すならD4(約10万円)・D4s(約13万円)・D5(約25万円)の3択だったのです。D6は予算オーバー。Z9とバッテリーを共通させたかったのでD3s以前のモデルは却下としました。

中古D4sの良品が132150円でした。元箱付き、バッテリーチャージャーなどの付属品完備。

結果から申し上げますとD4sを選びました。中古の一桁機は往々にしてプロが現場でゴリゴリに使い込んだ「並品」が中古市場に並んでいるイメージだったのですが、カメラのキタムラのオンラインショップに「良品」がcoming soonで並んでいるではありませんか!

Nikon D4s外観写真・正面

キタムラさんの場合、中古ボディの外観写真は3枚しかありません。しかもcoming soonの商品画像には透かしが入っています。ところが透かし越しでも綺麗な状態であることは明白でした。興奮しましたよ…これはもしかして消耗が少ない個体なのでは…と。見つけた日以降、1日に何回もページを更新して状況をチェック。人気が出ると争奪戦になるから…マツさん、これ以上D4の紹介動画出さないで…と震える日々でした。

Nikon D4s外観写真・背面

10日くらい経ったタイミングで販売開始となりまして、速攻で購入。送料込みで132,150円です。10年落ちとは言っても当時のフラッグシップ機が13万円ですよ。Fマウントに未来がないことを差し引いてもお安いのではないでしょうか。初めて一眼レフを買った時は(確かEOS 80Dだったと思いますが。記事はこちら)15万円でも膝をガクガクさせながらローンを組んだ記憶があります。

Nikon D4s外観写真・上面

到着後、真っ先に確認したのはシャッター累積回数です。MacBookだとExifデータの中でボディのシャッター回数を確認できます。それがなんと58,482回だったのです。D4sの耐久回数は40万回ですから、あと34万ショットくらいは心の保険が適用されます。嗚呼、これで私のレフ機沼は終着駅となりました(仮)。

Nikon D4s外観写真・左側面

地味に嬉しいのは左側面の端子カバー類が独立していること。一眼レフは構造的にボディの幅に余裕があるので開閉もしやすいです。ここは普段使いのユーザビリティ(特にUSBを使ったデータ転送)に直結するので非常に好感を持ちました。

興味のないスペック紹介。

検索流入が命綱のブログ執筆においてスペック紹介をなおざりにするのは致命傷ではありますが、好きじゃないんですよねスペック紹介。誠に勝手ながら実用性で魅力を感じたところだけ書かせて頂きますと、前述の通り(1) D4s以降の一桁機でバッテリーが共通であるという恩恵は大きいです。ちなみに消耗度もまだ-1の状態でしたので長く使えそうです。

Nikon D4sの純正バッテリーチャージャーとZ9のチャージャーを比べてみる。EN-EL18aはZ9チャージャーでは使えない。
左がD4s付属チャージャー(右がZ9用)

ちょっと残念だったのが、D4sに付属しているEN-EL18a(↑グレーのバッテリー)はZ9同梱品のチャージャーMH-33では充電できませんでした。MH-33はEN-EL18b以降が対応しているので、コンパクトかつUSB-Cが使える利便性を優先するなら最新のEN-EL18dを追加購入する必要がありそうです。もうこんな状態の良いD4sに出会えることは難しいでしょうから追加バッテリー購入の際は純正の18d一択です。

中古品を選ぶ上で大切にしているスペックに(2) 光学ファインダーの見やすさと汚れ具合があります。Nikonのお家芸である丸窓・100%の視野率・ファインダー内にゴミがないこと、この3条件を満たしていたので大満足です。ゴミの混入を防ぐためにアイピースをDK-17F(フッ素加工保護ガラス入り)に換装しました。

Nikon D4s外観写真・丸窓アイピース
DK-17Fに換装済

一桁機なんて(趣味人にとっては)嗜好品の極みでありますから、(3)言わずもがな上質な物理シャッター音は譲れません。シャッター切るたびにちょっと漏れそうです。いや漏れているかもしれません。今まで聞いた中で最高のシャッター音はD3でしたがシャッター累積回数38万回のボディなので無理をさせたくない事情があり、これからはD4sで悦に浸りたいと思います。

Nikon D4s外観写真・記録メディアのWスロット。
↑この写真の2番に入っているのはコンパクトフラッシュ

(4)記録メディアはXQDとコンパクトフラッシュ(Type1)のダブルスロットです。XQDはZ9から払い下げのカードを使い、コンパクトフラッシュに関してはSANWAのSDカード変換アダプタを買いました。カードの相性問題を心配していましたが、サンディスクのSDXC 64GB(170MB/s)で問題なく書き込みが出来ました。これで64GB×2スロットとなり満足です。

ちなみに背面液晶の保護フィルムD6用が流用できました。HAKUBAのフィルムを選んだ所、メイン液晶・サブ液晶・肩液晶の全てにおいてジャストサイズでした。ただ個人的にはフィルムの透過性が好みではないので、メイン液晶だけはフィルターではなくガラスタイプの製品を別途購入しております。地味に出費が嵩みますが一生モノですのでケチるところではないかと。

Nikon D4sにはD6の液晶保護フィルターがぴったりサイズで使える。
D6用がジャストサイズ

使ってみてかなり嬉しかった点に(5) USBケーブルでデータ転送できることがあります。これで記録メディアを抜き差しせずに済みます。UC-E15という付属品ですが、ボディ側は謎の形(名称不明)→出力先がタイプAの形状です。タイプC変換のアタッチメントをつけてパソコンやタブレットにデータを転送しています。便利!

Nikon D4sは撮影データをUSBでPCに送信可能。

以上5点が個人的に最も大切にしている要素で、今回のD4sは幸いにもオールクリアでした。こんなボディに巡り会えたことはきっと奇跡なのでしょう。…運を使い切った感はあります。

高級文鎮化する恐れあり。

ここまで条件が揃っていると安易に持ち出して傷をつけたくない…という過保護スイッチが起動してしまうのです。カメラなんて使わなければただの文鎮なのに!そもそも毎日写真を撮り続ける修行・一日一撮の企画のためのサブ機選びの顛末がこれです。ボディだけで1.35Kgもする鈍器を本当に通勤のお供にするのか?と問われるならば……そ、その件に関しては回答を控えさせて頂きたいと思います(汗)。なおD4sとZ9の重量差はたったの10gです。ミラーレスなのに意外とZ9(1.34Kg)って重いんですね。

現行フラッグシップZ9と4世代前のD4sを並べてみた。
実は重量差10g

人間ってなんて強欲な生き物なのでしょう。沼が干上がったと歓喜した舌の根が乾かぬうちに使い倒しても差し支えない小型軽量ボディを探す旅が始まりました。D4sは休日に気楽に趣味を満喫するための用途として、また毎日家の中で眺めて愛でる高級文鎮としてその座を与えようと思います。

D4s & AF-S NIKKOR 50mm f/1.4 G

組み合わせるレンズは、当面はAF-S NIKKOR 50mm f/1.4 Gがベストアンサーではないかなと感じております。最終的に58mm f/1.4Gでツモれれば最高です。ディスコンになる前に買わなければ。

D4s & Ai NIKKOR 45mm f/2.8P

出来心でAi NIKKOR 45mm f/2.8Pを買ってしまいました。これは小型ボディ用のレンズですがD4sに装着しても悪くないですね。せっかくの一桁機なのでAFレンズを使わないと勿体無い気もします。

D4sでスナップ写真。秋の紅葉を撮影。非常に美しい。
D4s / AF-S NIKKOR 50mm f/1.4 G

正直なところまだ写真が全然撮れていません。怠惰です。D4sは私の19台目のカメラ沼だったのですが実は20台目も着弾しました。この話はYouTube版でご覧頂けます。もう次こそは終着駅ですよ………という世界線を何度もタイムリープしている気がします。

大マジメ動画です!

ブログ管理人:isofss(イソフス)