形に見惚れて衝動買いしてしまったZ30が届きました。それはそれは嬉しかったものですからレビューを書こうにも私情しか入りません。一晩開けたのでなるべく冷静に・忖度無しに・ググっている方の知りたい内容に応えられるよう、高揚感を堪えつつ感想を綴ります。予約直後に呟いておりましたZ30に期待したい重箱の隅チェック項目10選(下記リンク)の答え合わせと共にご拝読下さいませ。
デザインと実用性。
形から入ってもいいじゃないですか。下の写真は同梱のストラップ(AN-DC25)・特典のSmallRigウインドマフ・別途購入したSmallRigベースプレートの三種の神器セットとなります。[1]モノとしての美しいことは趣味においては命綱なのです。持ち歩く動機づけになりますから。
デザイン性だけじゃない。
実用性も備えているのがZ30。真っ先に思いつくのはその”軽さ”でしょうね。カタログスペックどうこうではなく[2]レンズ込みの重量感がストレスにならないと表現したく思います。持ち歩きたくなるスナップカメラ、まさに実用的です。
Nikonのお家芸である[3]グリップ感についてですが、手の大きい方・指の長い方には小指が余るかもしれません。私は余りました。シャッターボタンより手前上面に鎮座するiso感度ボタンやRECボタンは指をグリっと曲げないと届きません。普段使っているフルサイズ機と比べると些か窮屈ですが、トレードオフで小型軽量を実現している訳ですから文句は言えません。
手の大きい方は別売りのベースプレートがオススメです。私はSmallRigの回し者ではありませんが、型番3857のプレートはガチでオススメ出来ます。小指のグリップが担保出来ますし、モノの作りも非常に良かったです。ガタなくピッタリ吸い付くようにフィットするSmallRig製品、大好きなんですよ。重量は60g。底面はアルカスイス互換です。直営店よりAmazonの方が安いです。
一長一短バリアングル。
こと動画撮影になると特に自撮りにおいては[4]バリアングルは最強でした。これは慣れの問題だと思うのですが、スチル撮影時に光軸上に液晶がないのはやはり気持ち悪いものです。EVFもありませんので逃げ場はありません。慣れましょう。
確実に毎回使うことになるバリアングル液晶。立て付けも問題なく、少し固めで(ガバガバより良いと思います)堅牢性を感じました。すぐ横にはタリーランプがあります。録画を視認できる安心感は大きいですね。三脚据え置きの自撮り動画撮影機としてフル活用しようと思います。
芸が細かいところ。
Nikonたらしめる気の利きようを幾つか。まず[5]USB-Cケーブルの端子カバーがアクセスしやすい機構になっていました。Z30にはバッテリーチャージャーが同梱されていませんのでUSB-Cポートで充電することになります。これはGOODです。
[6]ボタンの反応速度も良好で、例えば画像再生ボタンを押してもサッと表示されます。測ってみたら約0.5秒でした。引き合いに出して申し訳ないのですが初代Z6の時に感じていたもっさり感はありませんでした。同じエンジンなんですけどね。あと、画像再生ボタンが右側にポジションしてくれているのもGOODです。
[7]電子水準器も第二世代Zシリーズを踏襲したシンプルな表示のものを採用してくれております。ありがたい。
欠点はこれだ。
数少ない欠点を上げましょう。それは[8]ボタンの押し心地です。押し込んだ時にキーボードのようなカチカチ音がします。これはフルサイズ中級機では鳴りません。価格帯を考慮すれば致し方ないことなのでしょう。
並べてみるとボタンの大きさも違いますね。大きさが違うということは内部の構造や耐久性も異なってくるのだろう…と解釈しました。その分リーズナブルですからね(上の2台だと価格差3倍ですから)文句は言えません。
初日のスナップ作例。
何はともあれ写真をご覧頂きましょう!カメラなんて撮ってナンボですから。ちなみに執筆現在ではiPadのOSがまだZ30のRAWデータに対応していないためiPadでRAW現像出来ませんでした。ここは早めの対応を望みますAppleさん!…と言うことで以下はJPEG撮って出しとなります。
EXPEED6とZレンズの組み合わせだと濃厚な色味になるイメージがあるため、スチルも動画も基本的にピクチャーコントロールを「ニュートラル」に設定して撮影するのがマイブーム。
2088万画素のZ30。14bitのRAW写真であっても[9]Wi-Fi転送で約12秒/枚とお手軽です。JPEG画像であればLサイズでも約6秒。低画素最高じゃん。流石に動画はUSB-C経由がいいです。(そもそもSDカードを抜くことに抵抗がなければ詮無きことですが)
[10]シャッターフィーリングは良好です。音にしても感触にしてもまずます。正直言うとフルサイズ機と比べると見劣りします。でも手抜き感は全く感じません。写欲につながるシャッター音を初級機といえど蔑ろにしないのがNikonなんですよね。
開封初日、1番ハマったのは↓ブリーチでした。人工光との相性が良さげです。現状(iPadで)RAW現像できないのであれば、これを機にクリエイティブピクチャーコントロールの深掘りを楽しむのもアリですねぇ。
まとめ。
特筆すべきはやはりこのコンパクトさでしょう。カタログスペックは今回は度外視しています。そこに拘るなら結局中級機以上で散財する羽目になるかと。Z30の場合は「小さいから持ち歩く」とか「持ち歩けるZシステム」とかそういうことなのです。
普通の人の感覚からすればレンズ込みで10万円オーバーのカメラで入門機だなんて理解し難い感覚だと思いますが、同じ入門機でもNikonの入門機はちょっと違います。出し惜しみせず全振りです。「Nikonは商売が下手だ」みたいに揶揄されることもある程にです。しかしそれは手に入れるユーザーにとっては恩恵でしかないのです。Nikonユーザーに頑固な人が多いのは入門時代の感動でマインドセットされているからなのかもしれません。かくいう私もそうですが。
今メインで使っているカメラがある場合、サブ機としてのZ30は非常に魅力的であると考えます。例えば高画素や高機能はメイン機に委ね、日頃の軽いフットワークにZ30を導入する使い方です。本当にうまいポジションに現れたカメラだと思いました。
ブログ版では冷静に努めましたが、先に撮影したYouTube版では興奮と忖度だらけの内容になっております。お時間ある方是非。では諸君、良きカメラLIFEを!かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)