みなさんこんにちは、健康ですか?ローマは一日にして成らずと言いますが健康も然り。日々の積み重ねで体は作られます…良くも悪くもね。私はそれを実体験で思い知りました。タイトルの通りです。自戒を込めて書くこの記事が健康診断で再検査が出た若い方の目に留まりますように。

だって面倒臭いんだもん。

全ての元凶はここにあります。かつて若かりしの時、会社の健康診断で再検査が出てしまいました。尿検査(潜血)の項目に引っかかったのです。渋々病院にかかり、CTやらなんやらの検査で腎結石が判明しました。大きさは2mm程度。落ちてきたら痛いやつです。それはそれは地獄の痛みだとか。しかし若さゆえの過ちとは恐ろしいもので、その時は「まぁ大丈夫でしょ」と気にも留めていませんでした。

翌年の健康診断も同じ尿検査で再検査判定…でも次の年はなにも引っかからず…のような繰り返しでグダグダ時間だけが過ぎていきまして。私としてはただひたすら「面倒臭ぇなぁ」程度の認識だったのです。潜血判定と言っても目に見える症状はありませんし、一度も痛みを感じたこと(つまり結石が落ちてきたこと)もなく、年一度の面倒なイベントでしかなかったのです。

約7年後、定例の再検査でちょっと進展します。泌尿器科のエコー検査で石が7mmくらいになっていることが分かり、紹介状をもらって大病院で再再検査となりました(超面倒)。精密検査をするとやはり7−8mm程度の大きさになっていると判明。ここまで大きくなると自然落下は困難のようです。衝撃波を使った破砕手術という選択肢も教えてもらいましたが入院が面倒臭くて一旦様子見としました。…そして次の予約をすっぽかして雲隠れしたのであります(申し訳ありません)。これがパンデミック前の出来事です。

時は満ちた!

4年後。ちょうど去年の今頃です。冬の寒い時期でしたが突然異変が表れます。自宅のトイレが…真っ赤に染まったのです。…え? 時間が止まりました。見たことのない光景でした。小生、お小水は座ってする派でして、流そうと立ち上がった時に驚天動地の光景が飛び込んできた具合です。サードインパクトが起きたのかと思いました。でも痛みはありませんでした。これがいわゆる血尿というやつですか。

これは何か体内でヤバいことが起きているな……と思いつつも(忙しかったので)病院に行くことはなく…。こうなるともはやつける薬がありません。その2ヶ月後にやってきた健康診断で(当然)尿検査で潜血判定→再検査となりました。重い腰を上げて精密検査を受けることに。無痛だったので「今回も大丈夫だろう」くらいの気持ちでした。ところが…

その時のVlogがこちら。

14mmでした。育ちに育った腎結石の直径が14mmになっていたのです。ガンダムで例えるとザクのマシンガンくらいの火力だろうと舐めていたらコロニーレーザーを喰らった…そんな感覚です(たぶん)。

私「でも痛みはないd…」先生「手術です!!」私「……。」

はい、私の負けです。流石に血尿が出た後でしたからここは腹を括って手術に臨むしかないでしょう。紹介状を書いてもらって訪れる病院はかつて雲隠れした大病院でした…ごめんなさい。YouTubeに入院前の心象を喋っている動画があります。

1回目の手術。

これまで健康でしたから入院と手術が人生初体験なのです!有給をたっぷり頂き、まるで遠足にでも行くかのような・大人の夏休み気分で病室に入りました。入院は5日間で3日目が手術です。特に前の2日はほとんど休憩時間みたいなものですからブログと動画編集を進めようとiPadを持ち込んで作業に勤しんでおりました。入院最高ッ!!

初めての入院なので若干ウキウキしています。病室でブログを執筆している様子。
ブログ書きたい放題!

面食らったのは食事です。かなり質素でした。投稿したTwitterの反応を見ていると↓これは豪華な部類に入るみたいです…。食べ盛りの成人男性には拷問に近いものがあります。もちろん薄味です。割り箸やマグカップは持参しなければなりませんでした。この辺りは病院によってルールが異なるかもしれません。

びっくりしたのは病院食が質素だったこと。これでもまだ豪勢な方と聞いてさらにショック。そりゃ痩せるわ。
1番ボリュームのある夕食がこれ。

もちろん間食が欲しくなるので院内のコンビニに足を運ぶわけですがこれが殿様商売の極地が如く値段が高い高い!富士山の頂上にある売店なみに高額でした。お菓子は買い貯めて持参したほうが賢明ですね。

お腹が減るので間食を買いに院内のコンビニに出かけるものの、殿様商売価格にびっくり。この4点で1000円近い出費。
とにかく値段が高い!

そして手術当日となりました。特段緊張することもなく、ストレスを強いてあげれば絶食のために朝ご飯が抜きだったことでしょうか。バスタオルのような術衣をまとって手術室へ向かいます。先生は男性ですが、看護師さんたちは全員若い女性です。今回の手術は経尿道的尿路結石除去手術というもので、ムスコ君の先から腎臓まで管を挿れて結石をレーザーで破壊するという方法。つまり……恥ずかしいのです。手術中はすっぽんぽんですからね。意識がある時間はひたすら壁を眺めて心を無にしておりました。人生で1番恥ずかしい時間でした。

手術当日の術衣。思ったより穏やかな気持ちで手術室に向かいます。
↑手術室に向かう前の様子。

いよいよ全身麻酔です。点滴が入ってくると意識が落ちます。絶対に抗えないと聞いておりましたのでちょっと気を強くもってどんなもんか試してやるつもりでしたが……次の瞬間、「終わりましたよー」と起こされました。え????体感で1秒も経っていませんが。全く痛くなかったんですけど。いやはや日本の医療技術はすごいですね。開口一番「社会保険に文句言えませんね」と言ったのを覚えています。

ところが、1回目の手術で結石は除去できていませんでした。このことを告げられた時は頭が真っ白になったものです。尿管が狭くて管が腎臓まで達しなかったとのこと。事前の説明でもその可能性は示唆されていました。なので今回は尿管ステントと呼ばれる管を留置して撤退。尿管を広げた後に2回目の手術を行うことが確定しました。…マジかよ。

地獄の始まり。

その夜、鎮痛剤が切れたあたりから生き地獄だったのです。猛烈な尿意が襲ってきます。翌日まではムスコ君には管が挿さっておりまして(写真を添付できないのが残念ですが)それはそれは無惨な姿でした。その管からお小水は強制的に外のバッグに排出されるシステムになっておりますので(膀胱にはおしっこが溜まらず)トイレに行く必要はないのですが、兎に角 漏れそうでしかたがない気持ちになるのです。もちろん力んだところで何も解決しません。おしっこは自分の意識とは関係なく排出されるからです。

かつ、痛いんです。そりゃ異物がブッ挿さっている訳ですから痛いに決まっています。尿意と痛みが波のように停めどなく襲ってきます。藁にもすがる思いでナースコールのボタンを押します。しかし看護師さんからは「朝まで頑張って」と言われて終了。先生のGOサイン無しでは管を抜くことは許可されていないのです…。こんなことになる前に、2mmや7mmの時点で処置しておけばよかったのです!

長い長い夜が明け、おしっこの管を外すこととなりました。今回は意識がある中で自分でパンツを下ろし「お願いします!」という儀式に進みます。この時だけベテランの看護師さんが担当してくださったのは何かの配慮なのでしょう…。こちとら恥ずかしいどころの状態ではないのですが。

ようやくあるべき姿になったムスコ君。しかし安堵も束の間、今度は排尿時に激痛が走るようになりました。切れたような痛みです。…そりゃ今まで管が刺さってましたからね…お察し下さい。男性の方はお分かり頂けるかと思いますが、おしっこが出た後の引っ込めるあの動作の時が1番痛いのです。あまりの痛みに「あ”あ”あ”あ”あ”…ッ」と声が漏れるほど。むしろ声を出した方が痛みが紛れます。痛みが怖くて構えてもしばらくお小水が出てこなくなったのは軽いPTSDなのかもしれません。

この痛みは術後1週間くらいで落ち着きました。それから次の手術まで約1ヶ月半。この期間も下腹部の痛みは続きました。体内に何かが残っているような感覚です。特に自転車に乗るとダメで、出勤後の会社のトイレでほぼ100%血尿が出ていました。尿管ステントの仕業です。今では笑い話ですが当時は毎日が憂鬱でしたね。この時の動画も残ってます。

2回目の手術。

夏の盛り、2回目の入院となりました。1回目と同じで5日間の入院の3日目に手術となるスケジュールです。今回は病棟が新しい棟だったのでシャワールームなどの設備が充実していました。新棟には有料の洗濯機と乾燥機が設置されていましたが洗剤はありませんでした。ぼったくり価格でよければ院内コンビニで買えます。こういう情報は経験しないと分からないものですね。

前回同様、病室は相部屋なのですが、この度はイビキが大きなお隣さんとマッチングしてしまいました。筆者は神経質な人間ですのでこれは非常にストレスになりました。ワイヤレスイヤホンのノイズキャンセリング機能を耳栓がわりにして凌ぎます。お隣さんエピソードでもう1つ、緊急入院となっていたらしい外国人さんがいらっしゃったのですが、退院当日にカタコトで「お金がナイ」と言い出してスタッフの方がバタバタされていました。もう医療費は先払いにした方がいいのではないでしょうか?

MacBookにWindowsを入れてSteamでゲームする入院患者。
入院は夏休みである(違う)。

こちとら2度目の入院ですから慣れたもんです。今回は空き時間にゲームをしようと心に決めておりまして、ちょうどPCの買い替えタイミングでしたのでMacBook Proを購入し → Parallels DesktopというソフトでWindowsを起動させ → Steamでゲームをするという暴挙に出ます。…普通にNintendo Switchを買った方が賢かったのでは…。

病室で天井を仰ぐ。術後はただ痛みとの戦い。健康って本当にありがたいですね。

手術に関しては例のごとくサクッと終わりまして、今度は無事に破砕に成功したようです。石を詰めたカプセルを頂きました。真珠のような想像をしていましたが…思ったほど綺麗ではないですね。さて今回も尿管ステントが留置されております。これから先、1ヶ月ほど残った破片が落ちてくる可能性があるため尿道を保護する目的で留置しておかなければならないのです。当然ですが激痛です。「ムスコ君にずっと何かが刺さってる」と言えばイメージ頂けるでしょうか?

粉砕された腎結石を瓶に詰めてもらいました。案外、美しくない。
14mmの腎結石、木ッ端微塵粉砕!

手術翌日、熱が出ました。手術に起因する感染症が原因の発熱を疑いましたが、CPR検査でまさかの陽性判定が出てしまい即刻隔離されました。どこでもらったか分かりません。相部屋の方にも迷惑をかけてしまって申し訳ない思いでした。翌日まで入院の日程が組まれておりましたが即刻退院となりました。平たく言うと追い出されました。病院側としてもコロナ患者に割くリソースはなかったのでしょう。朦朧としながら・ステントの入った体で・4泊分の荷物を担いで・徒歩15分の道のりを歩いて帰った夕間暮れ。この夏の思い出を私は2度と忘れることはないでしょう。

最後の恥辱。

1ヶ月後。例のごとくステント痛と戦う日々を過ごしているうちに初秋となりました。ついにステントを抜く日帰り手術の日を迎えたのです。この度はお股が開く大きなチェアに座ることになります。術衣の下はスッポンポンです。しかも前2回と異なり今回は意識がある中で局部麻酔だけで処置が進みます。目の前には大きなカーテンが垂れ下がっているので、私の大事な部分がどうなっているのかは皆目見当もつきません。ただ…チェアが…グゥィィィーンと音を立ててお股を広げるので股間に冷たい空気が流れ込んで来るのは分かります。その局部麻酔とやらは、文字通り局部に、つまり、その、先から何か液のようなものを挿れられる変な感覚がありました。コネコネされている感じです。話は聞いていたので万が一暴れる君になったりしないか心配だったのですが……実際はそんな余裕など全く無く、ただただ恐怖でアームレストをギュッと握りしめて世界の終わりみたいな顔になっていました(たぶん)。

ステントを抜くタイミングになって先生が現れて「はーい、抜きまーす」と言う掛け声とともに一瞬痛みが走ります。味わったことのない変な感覚でした。鳥肌が全身を駆け巡ると同時にステントは抜かれました。看護師さんに「最後にステント見ますか?」と問われましたが顔面蒼白の私にそんな余裕はなく(おそらく白目だったと思います)、長きに渡り痛みの原因となっていたステントはそのままゴミ箱へと放り込まれたのでした。最後にレントゲン写真を見せてもらったのですがステントはそりゃ痛いわという形状をしていました。「尿管ステント」でググったらイメージ画像が出てきます。

さて、その日の帰り道から実感したことがありまして、あれだけ痛かったのが嘘のように全く何も感じなくなったのです!日本の医療ってすげぇぇぇぇ!!!それからさらに1ヶ月後、簡単な検査のために通院し、これにて治療工程が全て終了となりました。

費用の話。

入院や手術自体が初めてだったものですから、どれくらい費用がかかるか分からない不安がありました。結論から申し上げますと高額医療費制度のおかげでとんでもなく出費が抑えられました。年収によって負担額が異なるらしいので詳細は伏せておきます。この制度を用いずに仮に社会保険の3割負担のままで5日間の入院と手術を行った時の医療費は目ん玉飛び出る金額でした。入院に関わる部分は相部屋 or 個室等の要素によっても費用が上下すると思われます。私の場合は2回手術しておりますので単純にこれらの金額×2回分の出費となるところでした。3回目の日帰り手術は制度の対象外でしたので通常の社保負担で支払っています。なお高額医療費制度の申請は(病院にもよると思いますが)入院当日に受付でマイナンバーカードを専用機器に差し込む1分程度の作業で完結します。素晴らしいですね。とっとと紙の保険証などは廃止して全国民マイナンバーカード強制システムにすればいいと思います。これに反対する人がいる理由が分かりません。

実は、加入していた県民共済の共済金が医療費より遥かに大きい結果になって驚きました。平たく言うと黒字です。月々3000円ちょっとのプランに加入しているだけなのに、トータルでZの180-600mmが買えるくらいの共済金が入ってきました。痛みに耐えた先に逆転ホームランが待っていたとは!ありがたやありがたや。

教訓。

若い皆さんへ。おじさんから託したいメッセージがあります。(1)健康診断で再検査が出たら面倒臭がらずに徹底的に治療しましょう。ほったらかしても病気は治りません。若さは有限です。(2)とりあえず県民共済の入院と手術の補償に入っておけば大丈夫だと思います。私個人の見解ですが生命保険の類はぼったくり不安ビジネスだと思っています。県民共済と貯金の組み合わせでなんとかなりました。(3)日本の医療と社会保険の恩恵は凄まじいものがあります。日本に生まれ落ちただけでも国ガチャは成功しているということを実感しました。マイナンバーカードも隅々まで活用しましょう。私は今回、各種制度や税金の仕組みを勉強することの大切さを思い知りました。(4)親族に結石経験者がいる場合は要注意です。私の父は過去に3度、結石が原因で緊急搬送されています。結石は遺伝するみたいです。実は今回私の2度目の入院と全く同じタイミングで父も結石再発で入院していました。父子揃って入院とはもはやコントです。

あれから半年が経ちました。喉元過ぎれば痛みも忘れるものです。でも油断すると私も再発するかもしれません。(Amazonリンクはこちら)を沢山飲もうと思います。実際よく飲むようになりました。この1年は特に慌ただしさに揉まれた1年となりましたが、健康であることのありがたさを学んだ1年でもありました。命は有限です。残りの人生、できる限り健康でありたいものですね。おっさんの入院日記に最後までお付き合い頂いてありがとうございます。かしこ。

ブログ管理人:isofss(イソフス)