いつもの毛色とは全然違う方向性ですが、今日は最近どハマりしてしまったマンガを全力紹介します。当ブログは本来カメラ機材系ジャンルですが今回は完全に別腹。そのタイトルはSPY×FAMILY。1mmもご存じない方に興味を持っていただくためのプレゼンテーションを勝手に始めます!ネタバレは回避してます(たぶん)。
フラグだらけのあらすじ。
舞台は冷戦中の東西ドイツをモチーフにしたと思われる架空の世界。主人公の1人、ロイド・フォージャーは凄腕のスパイ。頭脳明晰、智勇兼備、イケメンで教養もあり、家事・料理を卒なくこなし、諜報活動においては西側No.1と謳われ、100の顔、いや1000の顔を持つという変装の達人、それがロイド・フォージャー。少年マンガに必要なスキル全てを兼ね備えたチート主人公です。
そんな彼に舞い込んできた新規ミッションは、東側の重要人物ドノバン・デズモンドに接触し戦争計画を突き止めこと。国家統一党総裁であるデズモンドと接触できるチャンスは息子が通う学校の懇親会のみ。…という流れでロイド・フォージャーは孤児院から子供を引き取り、自分が父親になって学校に忍び込む作戦に出ます。
で、引き取られたこの子が2人目の主人公アーニャ。実は人の心が読める強化人間です。あまり多くは語られていませんが幼いながら壮絶な人生を歩んできた描写が散見されました。アーニャは父親になったロイドがスパイであることを早々に見抜いており、自分を引き取ってくれた父に好意を寄せ、また自分が学校に行くことで世界が平和になることを信じてやまないピュアな女の子です。ピーナッツが好きです。変顔が可愛いです。アーニャに課せられた使命は超エリート小学校・イーデン校に入学すること。その学校にデズモンドの息子が通っているからです。
さて入試の二次選考は親子三者面談。しかも父母・子供3人揃うことが条件となっています。よってロイドは婚活をして妻を(つまりアーニャにとっての母を)見つけなければなりません。ここで出会うことになるのが3人目の主人公ヨル・ブライア。ちょっと天然だけど家族思いの美人さん・27歳。ロイドとアーニャ・そしてヨルが出会うのは洋服の仕立て屋だったのですが、凄腕スパイであるロイド・フォージャーの背後と目線をあっさり取ってしまったことがきっかけでロイド家の母親として迎えられることになります。このヨル・ブライア、実は東側のエリート暗殺者という裏の顔の持ち主でした。
かくしてSPY×FAMILRというタイトルに相応しく偽装家族がここに爆誕。後に犬も加わります。
この奇妙な相関関係がこの漫画の醍醐味となっております。ロイドとヨルはお互いの本性を隠したまま(利害が一致するので)仮初の夫婦になった訳ですが、心が読める娘アーニャは2人の本性を知り、かつワクワクしています。そして親2人はアーニャの能力を知りません。お互いの裏稼業も知りません。この絶妙なバランスが物語を弾かせるトリガーになっており、入試から入学、学校生活に続く王道ギャグ漫画の火蓋が切って落とされることになります。
つまるところファミリーコメディなのです。令和のサザエさんです。(違う)
ベタな笑いが面白い!
このマンガ、めちゃくちゃ笑えます!本でも笑えるし、TVアニメ版も相当笑えますね。笑いの種類に関してはドリフに近い感覚を覚えます(※個人の感想です)。空からタライが落ちてきて頭にバコーンと当たる感覚(そんなシーンはありません)。若者だけでなく昭和世代のおじさんたちにも刺さると思いますよ。ボケがベッタベタのベタ路線で飛んでくるので、慣れてくると読者側でも、ある程度予測可能なツッコミを用意できます。その通りになった時の展開と、その時の作画がマジで笑えます。何よりアーニャの変な顔が可愛くてたまりません。週末は独り膝を抱えて部屋の壁を眺めていただけの私の人生に、久々に笑いの花が咲きました。このアーニャ人気は国内だけに止まらず、海外では(あの進撃の巨人を抜いて)人気爆発しているそうです。
面白エピソード(ネタバレなし)
不覚にも声を出して笑ってしまった一例を(極力ネタバレなしで)綴り倒したいと思います。
それは入学式での一幕。
クラスに必ず一人はいるいじめっ子がこのマンガにも登場します。まるでジャイアンとスネ夫を足して2で割った後にスネ夫成分を3杯くらい追加したような陰湿な男の子がアーニャをからかうのです。こうしたエリート学校でありがちな友達同士の派閥・軋轢・いじめに対抗すべく、スーパーアサシンである母親ヨルは、娘アーニャに秘訣を2つ授けていました。
アーニャは1つ目の奥義を繰り出します。それはよゆうのえみです。逆境に立ち向かう姿勢を示すのです!しかしそこは6歳児…。Googleで「アーニャ よゆうのえみ」で検索すると、この時の変顔が出てくるはずです。残念ながら事態は悪化し、いじめっ子はエスカレートします。意を結したアーニャが繰り出した2つ目の最終奥義は……重心を載せた渾身の右ストレートパンチでした!(おかん、何教えてんねーーーん!)
エレガントさが求められる上流エリート学校で暴力を振るうなど言語道断。アーニャは、8個貯まると退学になってしまうイエローカード的なものを入学初日から食らってしまいます。しかも、ぶっ飛ばした男の子、誰だったと思います。あぁぁーー喋りたいけどネタバレになるのでやめておきます。
さて…このいじめっ子君ですが、家庭で諸事情あるようで、父親に認められたいというコンプレックスを抱えていました。そんな折、自分の気持ちをストレートに表現したアーニャのストレートパンチに心を撃ち抜かれてしまい、彼はアーニャを好きになってしまいます。
ね?ベタでしょ!!この胸熱展開。
当のアーニャはなんとも思っていませんが、父ロイドの任務達成・ならびに世界の平和のために、男の子と仲直りしようと奔走します。男の子はそれが恥ずかしくも、内心嬉しく、しかしプライドが邪魔してアーニャとぶつかってばかりです。このドタバタコメディの合間に出てくるアーニャの変な顔がめちゃくちゃ面白いのです。
ページをめくった先に変顔が描いてある場合もあり、作者のセンスに毎回してやられています。長くなるのでここらで止めますが、SPY×FAMILRの笑えるポイントには枚挙にいとまがなく、
- 姉のヨルのことが好きすぎる秘密警察の弟ユーリの登場や
- ロイドのことが好きすぎて妻の役割を奪いたい後輩スパイの登場
- この後輩スパイと正妻ヨルとの決闘
…等等、胸熱ベタ展開について喋り出したら、あと2時間くらいは喋れます。万が一この記事のPV数が伸びたら続編作ります。
日本産業に一縷の光。
昭和の時代はものづくりが強かった日本。車産業しかり、カメラ産業しかり。しかし… バブル崩壊とインターネットの登場を経て、ソフトウェアをアメリカに・ハードウェアを中国に牛耳られ、世界の覇権競争から日本は消えました。仕事道具から洋服に至るまで今やほとんどの生活基盤の中枢は海外製品が担っています。
しかしマンガやアニメというジャパニメーション的な娯楽産業はこの悪夢の30年の間も市場を伸ばし続けてきました。サブカルチャーは市民権を得、マンガ・アニメは世界に日本を知らしめる産業と相成りました。(ゲーム産業もうちょっと頑張って欲しい!) この潮流は景気悪化と人口減少が確約されている目下国内情勢に差す一縷の光だと思うのです。
市場の裾野を広げたい?
特にこのSPY×FAMILY、計って人気を獲りに来たなと思わせる節々がもう。ヒットしている要因はマーケティングの上手さではないかと(誠に勝手に)妄想しております。例えば「ファミリー」と謳ってますから、かつての進撃の巨人や鬼滅の刃で一部問題視されていたグロい暴力表現がSPY×FAMILYではかなり削られています。また、美人でお胸の大きいヒロインが登場するもののいやらしさを感じない演出なんですよね。SNSでツイフェミの餌食になって炎上・失速…なんてことにはならないようしっかり楔を打っている作者・担当・ひいては集英社のハンドリングはお見事です(主人公がハイスペイケメンであることも効いていると思います)。今回は明らかにマスに向けて仕掛けている、そんな印象。
つまるところ、意図して・作られて・結果が出ている作品であるからこそ、内容を知っておくこと・肌にあえばその笑いを堪能しておくことは人生の糧になると思いまして久方ぶりにマンガを大人買いした次第です。インプットはご飯の次に大事ですから。
視聴方法。
SPY×FAMIRLの視聴方法ですがマンガだと1冊530円程度です。この度10年ぶりくらいにマンガ買ったんですけど、こんなエンターテイメントを500円で買える日本って素晴らしい。まだご覧になったことのない方は是非。現在9巻まで出版されているので大人買いしちゃいましょう!連載中の作品ですので今乗っかれば当分楽しめます。
ジャンプ+というマンガアプリをインストールすればスマホやタブレットで全話無料で読めます。←これは明らかに撒き餌ですが!タブレットくらい大きい画面だと読みやすいです(スマホだと目が痛い)。私はアプリから入って20話くらい読んだところで「あ、もうコレ本で買おう」と思って全巻購入に至りました。完全に集英社の思う壺ですね。いいんです!むしろありがとう。
アニメは2022年4月から放送が始まったばかりです。毎週土曜日23:00〜テレビ東京系で放送中らしいですが、我が家にはテレビが存在しないため恩恵に浴しておりません。Amazonプライムでテレビ放送分を1話から閲覧できます。アニメも相当演出が良くて、声優さんたちの演技・音楽・映像の見せ方が秀逸です。予算があるとこうなるのですねぇ。
まとめ。
と…いうことで、機材ブログから逸脱してマンガの話をしてしまいました。最近刺激不足のあなた・笑い不足のそこのあなた!騙されたと思って騙されてください。「やられたー」という爽快感が、きっとそこにはあるでしょう。知らんけど!
最後までお読み頂きありがとうございました。次回はちゃんと機材ブログに戻ります。また沼の先でお会いしましょう。では諸君、良きマンガLIFEを!かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)