フレアがとんでもない。

きっとあのツルツルのエクステンションチューブが悪さをしているのだと思います。兎にも角にもフレアがブワァーーーッと出ます。ググってみると、真ん中に出るのは面で反射していて、筋で出るのは鏡筒のエッジで反射だとか。このレンズどっちも出るんですけど。当然コントラストがゴリっと削られます。

E-LUCKY 75mm F3.5作例2、角度によっては後光が差す。

↓ちょっとでも逆光だと真ん中がフワッとします。どんなシーンでもほぼほぼフレアが出ます。打率8割くらいで出ます。むしろ出ないと心配になるほど。

E-LUCKY 75mm F3.5作例4、とにかく画面中央にフレアが出る。これは味なのか?

レンズフードを付けられない構造なので、対処法としては手でハレ切りするしかありません。想像して下さい、右手にカメラ・左手親指でフォーカスしながら手のひらでハレ切り・顔はニヤニヤ…ものすごく怪しい人。

E-LUCKY 75mm F3.5作例3、手でハレ切りしてあげると効果あり。

歪曲収差には強い。

流石は元・引き伸ばしレンズ。真っ直ぐのものが真っ直ぐに写ります。もちろん電子的な補正はなし無し。気持ちよく写ってくれるのGOODですね。

E-LUCKY 75mm F3.5作例8、さすが引き伸ばしレンズ。歪曲収差にはめっぽう強い。

それにしても不思議な色が出ます。撮って出しなので加工一切してません。あのZ6系ボディのケミカル番長カラーはどこにいったのやら。ちょうどいい具合に中和されてるのかな。

軸上色収差がひどい。

↓この写真が顕著ですね。手前にマゼンダずれ。ついでに周辺画質もチェック、けっこう流れています。電子接点はないのでExif残りません。確かF5.6だったと思います。

E-LUCKY 75mm F3.5作例5、軸上色収差が顕著。

コマ収差に御用心。

夜だったので開放F3.5です。点光源をよくよく観察するとコマ収差のヒゲが大量発生しています。WEB閲覧サイズでは判別難しいかもしれませんが。周辺部の点光源がモサモサしているのはコマ収差です。↓左下のあたり。

E-LUCKY 75mm F3.5作例12、全体的にコマ収差がひどい例。

3.絞った描写はどうか?

F8で遠景描写を見てみましょう。うーん、なんかスカッと抜けない。もしかして前玉のスレ傷が原因かもしれません。等倍表示するとF8でも周辺は流れてました。

E-LUCKY 75mm F3.5作例6、F8で遠景。周辺の流れは否めない。

F11まで絞ってサンセット。下部分の橋のワイヤーは(Z6iiの2450万画素等倍表示で)ちゃんと1本ずつ写っていました。どうしても最新Zレンズと比べてしまうのは悪い癖です。むしろ3群3枚でここまで写るのは善戦してるのかも。

E-LUCKY 75mm F3.5作例7、F11まで絞った。細い線も描写していた。

4.玉ボケの形。

絞り羽は12枚。↓この写真はフォーカスを最短撮影距離にした時の玉ボケです。形状はまずまず。もちろん玉ねぎボケもありません。輪郭がはっきりしていてバブルボケの傾向が強いです。

E-LUCKY 75mm F3.5作例9、丸ボケをチェック。

↓サジタルフレア(周辺のグルグル)も確認。口径食はレモンのような楕円のような。癖が渋滞してて面白いレンズです。

E-LUCKY 75mm F3.5作例10、実はバブルボケがすごい。

5.スナップで使った感想。

個人的にアナクロに興味は湧かず、Zマウントの超絶画質に慣れてしまっていたので今更ボヤッとした描写に拍手は送れないかな…というのが本音でした。ただこのE-LUCKY 75mm F3.5に関して言えば

  • もともと中望遠画角が一番好き
  • Z6iiに繋がって良かった
  • フレアもまぁ個性でいいか
  • マニュアルフォーカス楽しいやん

と感情論丸出しで気に入りました。引き伸ばしレンズは3本目ですが1番好きかも。たぶんジャストで繋がった喜びが親心になってるかも。現代では考えられない3群3枚(しかも特殊レンズなし)のシンプル構造も相まって「おまえよく頑張ったな」的な生暖かい同情心すら感じます。

E-LUCKY 75mm F3.5作例11、距離と光源の強さによってボケ方も変わる。

盛大過ぎるフレア問題は(まるで擦られ過ぎたザコシショウのモノマネコントのように)見すぎると飽きてしまうと思うので、むしろ構図とカメラのハンドリング修行にはモッテコイだという印象です。何をどう写したいのか?油断が出来ません。光の条件が良ければ概ね柔らかい描写を出してくれます。

E-LUCKY 75mm F3.5作例13、玉ボケがないと落ち着いた描写。

周辺の滲みや色ズレ問題は、写すもので解決…ってのは力技でしょうかね(苦笑)。「写らなければどうということはない」ってシャアも言っていたような。

E-LUCKY 75mm F3.5作例14、撮って出しでこの写りは好きかも。

モノクロレンズだった!

途中で気づいたのですが、1950年代であればまだモノクロ時代ですよね。そもそもこのレンズはモノクロの66用のイメージサークルで作られているのだとか。あっ…と思ってピクチャーコントロールをグラファイト(強めのモノクロ系)に変更↓JPEG撮って出しです。いいじゃん!

E-LUCKY 75mm F3.5作例15、そうだった!モノクロ時代のレンズだった。

カラーでパッとしなかったのはモノクロ用レンズだったからなのかな。この辺りは今後の宿題としましょう。お題が見つかって良かったです。あと思いつきなのですが、フレア対策のために鏡筒内を塗ってしまおうかと考えてまして、ハイ、やったことはないです!どんどん沼に溺れている気がしないでもない。

最後までお読み頂きありがとうございます。E-LUCKY 75mm F3.5のファーストインプレッションでした。ほんともう自分でも「付ける薬がないな」と思うのですが、この記事を書いているこの手元に4本目の引き伸ばしレンズがあります(爆)…だって安かったんだもん。当面この沼からは出れそうにありません。引き伸ばしレンズ一覧で記事を一望頂けますので生存確認がてら是非お越しくださいませ。では諸君、良きオールドレンズLIFEを!かしこ。

ブログ管理人:isofss(イソフス)

1 2