Nikon Zマウントの標準大三元ズームNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sをぶら下げてスナップ撮影に出かけることが最近のマイブームになっている。確かに不便益もある。デカくて重いレンズを片手に街をぶらつくと疲れるし、見た目も怪しい。しかしだ！なんでも撮れる（気がする）のは変え難いメリットだと思うのだ。では実際にこのレンズで撮ってきた写真を並べることにしよう。
1.画角を選択できる。
ズームレンズだからといってどの画角でも選びたい放題…という使い方は好きではない。これはむしろ24mmと70mmのF2.8単焦点を合体させたハイブリットレンズなのだ。他にも35mmとか50mmとかそこらへんの画角が選べるがそれはおまけだ。あくまでも距離は足で調整し、記録したいイメージに合わせて（レンズ交換なくして）望遠画角か広角画角かを一瞬で選択できる、それが24−70mmF2.8である。
なんと博多駅バスターミナルの上階にある100円ショップでは店内の写真撮影が許可されていた。海外の観光客向けの計らいであろう。
にわかに今年話題になったハンコたち。未来はどうなる！？
同ビルのしまむらに貼ってあるポスターに目を惹かれた。かっこいいな。
このレンズにはデジタル測距窓があって今の画角を1mm単位で目視することができる。物理的に引けない時・寄れない時はズーム機能に頼るわけだが、それでも焦点距離を意識しながら撮影できるのは嬉しい。
2.描写の質感。
誰もがやってしまうフォトヨドバシごっこ。特に車のボンネットなんかは大好物だ。この日は薄暗い曇り空だったが、決して良い光と言えない状況でも質感を逃さずに捉えるレンズの恐ろしさよ。もとよりNikonはFマウントの時から金属や無機質なものの描写が美しかったが、Zマウントになってさらに拍車がかかっているように思える。これらの写真はブログ用に横幅990ピクセルまで圧縮しているが実際に4Kモニターで表示してみるとエグいほど階調に富んでいた。
上の2枚を比べてほしい。開放時、カメラ側のビネットコントロールをOFFにして撮影すると四隅の周辺減光が顕著に表れる。一段絞ると減光は解消する。個人的には減光も好みなのでRAW現像時にもそのままにしていることが多い。
黒の中にも黒が感じられる。海外のレビュー記事などを見ているとF4あたりで描写力がグッと上がるらしい。スナップだけに使うにはもったいないような気もするが、それがまた最高な贅沢という見方もあるか。
3.高感度はどうか？
これはレンズではなくカメラ依存の話だが。使用しているのは初代Z6である。iso1600程度であれば全く問題ない。iso1800をRAW現像で持ち上げるとノイズが目視できるようになった。しかしこれが暗いレンズの場合だとさらに感度を上げることになるので、明るいF2.8レンズのアドバンテージは確かにあると思う。
4.色を捻る。
写真家の西田航氏に触発されて最近こんな色味にハマっている。これは後付けだが、レンズが取り込む色の素性が良いからこそ（現像でイジっても）不自然な捻れ方にならないのだと思う。よくよく考えればZマウントに舵を切り替えたNikonの技術が全投入されているレンズだった。こんな使い方したらバチが当たるかもしれない。
5.多少重いが許容範囲。
もちろん単焦点レンズに比べれば重い。待て待て、そもそもスナップ向きのZマウントパンケーキレンズは（執筆時点で）まだ出ていない！あるのは寸胴単焦点ばかりだ。なお24-70mmF2.8とZ6との組み合わせ重量は1480gになる。決して軽くないが前述の通り各種恩恵も多い。この辺りはトレードオフだと思う。少しでも体の負担を下げるため今はストラップなしで手で直持ちしていることが多い。落としそうでちょっと怖いが。
疲れたら休憩する。スナップの楽しみのひとつ。
かっこいい車なのに屋根が残念なことに。こういうギャップを見つけられるのもスナップの醍醐味だと思う。それにしても35mm画角の万能性と感度Autoの手軽さがすごくいい。Nikonは撮り手の気持ちをアゲるものづくりが上手い。余計なお世話だが（SONYのように）もっと若い世代への売り込みが成功していれば営業利益赤字も防げたのではないか…と心配になった。頑張れNikon！
レンズが大きい分やはり人目につく。じっと構えていたら不審者にも見えかねない。一瞬しかないチャンスを捉えるためにはノーファインダーでシャッターを切ることも必要だ。ブレることも多いが、それはそれで楽しいので良いとしよう。※おまけ：このレンズで撮った写真を含めたスナップ動画を作ったので↓こちらも是非どうぞ。
総括。
スナップ撮影に重要なスピード感は多少犠牲にするかもしれない。そこを補うのは撮影者のフィジカルだと思うし、目立っても構わないメンタルの強さも求められるのは事実だ。それでもあえて標準大三元レンズをスナップに持ち込む理由は描写の良さと自己満足感にある。これで撮れなければ他でもきっと撮れない…だからこの選択は正しかったのだ！と思いたいだけだ。（ひろゆき氏に「それってあなたの感想ですよね」と言われそうだ。）ただ、その満足感とやらこそが趣味の世界において一義的な意味を持つであろうと信じてやまない。今日もうろうろ街を練り歩き、満足して家に帰る。iPadを眺めながら仕上がった写真を眺めてニヤニヤする。ただそれだけのために、Nikonの名玉の力を借りようではないか。
外観の質感などに関して綴った記事もあるのでご参考あれ↓↓↓
では諸君、よきスナップLIFEを！かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)