Nikonの新型ミラーレスカメラZ6IIIでどんな写真が撮れるのか?この記事ではレンズをあれこれ着け替えながら撮影したJPEG写真を並べつつ、実際に使ってみたボディの印象を綴ります。沼住民の方の購入前の検討材料になれば幸いです。(※この記事はプロモーションを含みます)

キットレンズが強過ぎた。

正味10日間の貸与期間の中で1番使っていたのはキットレンズのNIKKOR Z 24-120mm f/4 Sでした。恥ずかしながら今回初めて使いましたが……なんじゃこの万能レンズはッ!!

Z6iiiで博多駅うろうろSNAP。壁面アートを撮影。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

とにかく軽いです。S-LINEのハイフィディリティな描写を24mmから120mmまでの万能画角でF4通しで使えて、寄れて、キットレンズ時のコスパも凄まじいチートレンズでした。ずるい!

Z6iiiで博多うろうろSNAP。ショーケースの中のスーツマネキンを撮影。リフレクションも綺麗。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

焦点距離を伸ばすとレンズ鏡筒も伸びる物理仕様にはいささか消極的であった筆者でありましたが、出てくる写真を見てそんなの関係ねぇ!と小島よしお氏ばりの握り拳を地面に向けて打ったものです。繰り返しになりますがこれらの写真はJPEG撮って出しです。

雨の日に濡れた駐車禁止の看板を撮影。Z6iiiは持ち歩きに強い。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

Z6IIIからサービスが開始されるイメージングレシピに興味がないわけではないのですが(実際素晴らしいサービスだと思いますが)、日に日に複雑になっていく機能の類に辟易している筆者は既存のピクチャーコントロールから慣れていこうと思いました。それでも数が多過ぎるくらいです。任意でメニューから消す機能が欲しいところ。

機動力と新型EVF。

Z6IIIは前世モデルに比べて少し肉厚ボディになりましたが、それでも軽い部類のフルサイズカメラだと思います。比較対象が極端ですが…ここ直近の2ヶ月間は縦グリ一体型ボディで毎日スナップ撮影しておりましたので、Z6IIIに持ち替えてその機動力の高さに小躍りする勢いでした。

Z6iiiと超広角レンズで雨の日の街スナップ。スローシャッターでタクシーにモーションブラーをかけている。
NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

Z6IIIに↑広角大三元レンズや ↓アダプター経由のオールドレンズを組み合わせても、peak designのスリングバッグ(容量3L)にフード無しですんなり入るサイズ感でした。持ち歩きしやすかったです。

オールドレンズとZ6iiiで猫の模型を撮影している。中級機のヒエラルキーでレンズ名を入力できないのはZ6iiiの惜しい点。
Micro NIKKOR-P.C Auto 55mm F3.5

最大4000cdの輝度を誇る新型EVFも素晴らしかったです。屋外でフラッグシップ機のZ9と並べて使いましたが一目瞭然でZ6IIIの方が視認性に優れていました。このEVFはオールドレンズと相性抜群ですね。

マクロレンズは楽しい。Z6iiiだとEVFも綺麗なのでMFレンズの運用が捗る。
Micro NIKKOR-P.C Auto 55mm F3.5

ただ残念ながら執筆時点でZ6IIIにはピント拡大の半押し解除機能が省かれていたり、レンズ情報手動設定で任意のレンズ名を入力できない状態だったりと、中級機由来のヒエラルキーで前につんのめる現実は甘受せねばなりません。この点はYouTube版でもお喋りしております。

ファームアップに期待!

「迷う理由が値段なら買え」

続く「買う理由が値段ならやめておけ」までセットで言い得て妙だと思います。Z6IIIが発表された直後から高過ぎる!!と怒りの声が方々で上がっていましたが、ひとえにそれは円安の影響であるからして。

ピクチャーコントロールを使ったJPEG撮って出しが快適な点もZ6iiiの良いところ。キャナルシティの噴水を撮影。
NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

岸田総理が就任した時の為替(1ドル111円)で換算するとZ6IIIは約28万円となり、あれだけの最新技術を詰め込んでいるのに実質値上げなしのバーゲンプライス中級機であることが分かります。…まぁそんなこと言っても何の解決にもなりませんけどね。

取り回しの良いZ6iiiと70-200mmのズームレンズを使って動物園の猿を撮影。猿には認識AFは効かない。
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

営利目的のメーカーからすれば売れる場所で売るのが定石でしょうから日本市場など捨て置いて、FUJIFILMのようにあからさまな輸出戦略に切り替えてもよかったでしょう。しかしNikonにその気はないように思えました。そう感じたのはインフルエンサー向けの先行体験会に参加した時のことです。

標準大三元レンズとZ6iiiを組み合わせて植物園で花を撮影。レンズパワーの強さが分かる作例。

箝口令が敷かれている中、新宿に集まったインフルエンサーは主にYouTuberでしたが、貸出機材だけでも相当な予算を割いていたと思われます(参加人数の名言は野暮なので伏せます)。広告費を抑えるためにYouTuberを起用している…と巷で揶揄されるような雰囲気は皆無でした。むしろこれはTVCM1本作るよりも効果的と踏んだ昨今のマーケティングなのでしょう。日本国内でZを売るんだ!という気概を見せつけられた日にはこちらも遊びでレビューする訳にはいきません。この辺りの後日談はまたスピンオフ動画作ろうと思います。

新しいモノクロモード2種も搭載されたZ6iiiはバリエーション豊かである。建物と光の陰影をモノクロで撮影。
NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S

話を戻しますと、どんな美談を綴ろうとも目下40万を投じる動機にはなり得ないでしょう。現実問題、高過ぎますから。そして日本円目線での値上げの潮流は今後も続くことでしょう。少なくとも新品機材は従来のイメージの+10万円くらいで見積もっておいた方が健全な精神を保てそうです。

万能ズーム24-120mmとZ6iiiがセット売りされているのは素晴らしい。建物の反射を低彩度で撮影。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

もうこれからは本当に必要なものだけを買っていくのが賢い選択なのかもしれません。新製品レビューの記事にこんなことを書くのは気が引けますが、別に発売日に買わなくたっていいじゃないですか。本当にその機材が必要であれば、自分の都合が整った時にバシッと買えばいいのです。欲しい日がセール日なのですよ。

動物園のような移動の多い撮影場所ではZ6iiiくらいの小型軽量カメラが望ましい。池に浸かる虎を撮影。
NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

妥協なき高性能中級機と謳われていたZ6IIIはこの先 数年に渡ってミラーレス中級機の前線で戦えるポテンシャルを持っていると思います。価格以外で買う理由があるそこの貴方に、そうあ・な・たに!Nikonのものづくり最新作を是非是非ご堪能頂きたく、このプロモーションを締めくくりたいと思います。

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外観をチェックしたい方はこちらの記事もどうぞ。

スナップ編の動画版もあるよ。

ブログ管理人:isofss(イソフス)