まさかシネレンズに手を出すなど…今まで考えもしませんでしたが、メルカリで2本2500円だったのです。実質タダみたいなものです。この見た目に心を射抜かれました。なんて小さいんだ君は!?ではCINE-NIKKOR 13mm F1.9の分解清掃をお届け致します。動画版もあリまっせ。
1.映画8mmフィルム用のレンズだった。
実は以前所有していたPENTAX Q10を数年ぶりに買い戻しまして、その流れでシネレンズの存在は知っていました。そらもうYouTube身漁っておりましたので欲しくなるのも必然で。フランジバックの関係で今やQマウントでしかDタイプのシネレンズは使えません。そのQマウントも既にディスコンです。これは深い沼の予感がプンプンしますね。転売ヤーの値段釣り上げに紛れてジャンク品が二束三文で売られていたらチャンスです(たぶん)。
2.位置確認が最重要。
早速分解していきましょう。このレンズはマウント側から外します。必要な工具は1mmのマイナスドライバーとカニ目レンチの2つでOK。このレンズをググってご来訪頂いた方は既に玄人だとお見受けしますが、分解道具をまとめた記事のリンクも一応貼っておきますね。
まず1番後ろのマウントを捻って外します。するとフォーカスリングを止めているマイナスネジが2本出てきますので測距メモリとの位置関係を写真などで記録した上で外しましょう。今回は測距メモリを無限遠・F値を開放F1.9の位置を基準としました。間違った時のデメリットは無限遠が出なくなることでしょうか。
3.ペッツバール型4群4枚。
CINE-NIKKOR 13mm F1.9をググってみますとレンズ構成はペッツバール型の4群4枚という情報が出てきまして、実際に分解したレンズの枚数・形状と一致しました。構成図を見よう見まねで書き起こしたのが↓こちらです。こう見えて前玉は貼合レンズではないのでバルサム切れの心配はありません。
ではレンズを取り出しましょう。後玉の後ろ側をカニ目レンチで開きます。黒い蓋が外れると最後部のレンズを外せます。向き(表裏)に注意しましょう!コンタクトレンズくらいの大きさなので取扱いが大変です。
続いて後玉の前側ですが、こちらもカニ目レンチでリングを外すとレンズも抜けます。向きにご注意ください。勢い余ってポロっと取れると分からなくなりますので。すぐ前には絞り羽が見えますね。ちっさい!
小さい故の注意点。
今度は前玉側ですが、前玉鏡筒が絞り機構にボンドでべったり貼付いていました。無水エタノールで浮かせて抜きます。普通に回して外せます。前玉鏡筒を抜くと手元に絞り機構が残りますが…
絞り羽に異常がなければ触らぬ神に祟りなし。↓このマイナスネジを外すと絞り羽にアクセスできるようになりますが(私も一瞬外してヤバさを理解しそっと戻しました)、この小ささですから相当難易度が高そうです。なおF16の位置でないとネジが戻りません。ここから先はご自分で判断なさって下さい(汗)。
前玉2枚は黒いストッパーを外して前から綿棒などで押してあげると外れます。この時もレンズの向き(表裏)にご注意下さい。外した後では見分けがつかない程似ています。
分からなくなった時は触感で確かめましょう。前から2枚目の玉は凹レンズなので分かるかと。
1番前の玉は触っても正直分かりませんでした。確率1/2ですね。
表裏さえ分かっていれば、バルサム切れの心配もないので無水エタノールを思う存分使って清掃できますね。組み上げは逆手順で行います。フォーカスリングのはめ込み位置さえ乗り越えればめでたく終了です。
4.分解を終えて。
私にしては珍しく大きなトラブルを招くことなく終わりました。もちろん…実写テストまで気は抜けませんが。CINE-NIKKOR 13mm F1.9は別売のマウントアダプターでPENTAX Q10に繋げることが出来ます。もちろんマニュアルフォーカスです。お世辞にもキレイとは言い難いQ10の背面液晶でどれだけピント合わせが出来るか…腕が試されます。Q10のセンサーは1:2.3型なので換算73mm程度の画角になるとか。うーむ、大好きな画角じゃん。
ついでにもう1本のシネレンズSUN&OPT 1/2インチ F1.9も分解清掃しました。こっちは大混迷でしたので…改めて記事と動画を投稿しますね。でも目下分解してる最中は楽しいんですよね。当分この沼から抜けられそうにありません( ´∀`)フフフ。※CINE-NIKKORのスナップ作例まとめましたぞ↓↓↓
最後までお読み頂きありがとうございます。ご一緒にオールドレンズ沼で溺れないように溺れましょう。では諸君、良き沼LIFEを!かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)