本当は買う予定はなかったのです。しかしX-E4ボディ単体が売り切れていたので仕方なく…そう、仕方なくキットレンズセットを購入したのでした。パワーズームのキットレンズだなんて…速攻で売り飛ばそうと思っていたのですが…あれ??このレンズ、結構使えるやん。術中にまんまとハマったフジ初心者のXC 15-45mmF3.5-5.6 OIS PZファーストインプレッション、忖度モリモリでお送りします。
1.こんなに安くていいの?
XC 15-45mmF3.5-5.6 OIS PZの最大の特徴はコスパの良さでございましょう。単品だと30000円ちょっと、中古だと20000円界隈、そしてX-E4のキットレンズセットだと実質10000円程度で買えます。新品で10000円って…。なお、レンズの焦点距離は(35mm換算で)23−69mm相当なので標準ズームとしては至って王道です。レンズの明るさを示すF値が焦点距離によって変わってしまう仕様もキットレンズらしいですね。最初からF5.6に絞っておくことで24-70mmのF5.6通の実用レンズとみなして使うのも有。日中屋外であればF5.6もあれば(シャッタースピードの兼ね合いでも)かなり実用的ですし。で、実際に使ってみての感想ですが、このレンズ広角側がおもしろいんです。基本は小型軽量・広角単焦点レンズとして、たまに画角を変えたい時は70mm中望遠レンズとして、そんな活躍が期待できます。作例をどうぞ↓↓↓
広角と望遠しか使ってませんが、結構バリエーション多めに撮れると思います。いいじゃん。
2.めちゃめちゃ軽い、135g。
楽しく写真を撮ることと機材の軽さはかなり密接に関わり合っていると思うのです。重いと持ち出さなくなってしいますからね。ところがXC 15-45mmの重量はわずか135g。もはや空気みたいなものです。小型のX-E4との相性はかなりGOODです。私は純正グリップとの組み合わせで使っていますが、それでも軽い軽い。
耐久性は心配。
ビルドクオリティは…プラスチック感が否めません。評判の良い18-55mmとの違いはココでしょうねぇ。鏡筒にグッと力を加えると素手でも大破させられそうな感じ。落とすと一発アウトな予感。防塵防滴でもありません。レンズフードも同梱されておらず…というかバヨネットの切り口がないので社外品のねじ込みフードを使うしかありません。だから軽い・安いのでしょう!
前玉のフィルター枠は52mm。うちに転がっていたNikonのHN-2(現在はディスコン品)というメタルフードを着けてみました。こうすることでレンズ交換の時に前玉接触を心配せずに置けるようになりました。似たようなフードはAmazonで簡単に買えるので、お探しの方は52mm径のものを物色されたし。
3.かなり寄れます。
最短撮影距離は(ワイド端・換算23mm)で13cm!これはセンサー面からの距離なので、レンズ先端からだと5cmくらいしかありません。その時の最大撮影倍率は0.24倍。ほぼクウォーターマクロです。あまりに寄れるので光の差し方によってはレンズの影が被写体に落ちてしまいます。↓↓↓
4.パワーズームってどうよ?
XC15-45mmはパワーズームです。電源を入れるとにゅーんとレンズが繰り出してきます。これはデメリットなのでしょうか?考え方によってはメリットかなぁ。私、Nikon使いだったのですが自分でレンズを沈胴しなくて良いパワーズームには称賛の拍手を送りたいのです。というのもNikonの沈胴式レンズは電源ONの後に自分でレンズをニョキっと撮影可能距離まで伸ばす工程が必要だったので。その手間が無いのはGOODです。かつ、収納時はコンパクトになりますからね。
ただし、広角端23mmと望遠端69mmの中間の焦点距離にするときは不便さを感じました。(※焦点距離は35mm換算です。分かりにくくてゴメンなさい。) 希望の場所で止まらないことが多いのです。なので広角端か望遠端の2択で使うようになりました。実際どれくらい画角の違いがあるか↓↓↓ご覧ください。撮影位置を変えずに撮ってます。
ついでに描写力も見てみよう。
広角側・望遠側で描写力は変わるのでしょうか?ちょうど良さげなキリキリした被写体(壁)を見つけましたので撮ってみます。まずは望遠側にして被写体全部が写る位置に立って撮影しました。↓↓↓WEB用なので横幅990ピクセルまで縮小していますが元データでは線がハッキリ見える程度に解像していました。
続いて広角側で最短撮影距離までグッと寄って撮影しました。ここまで寄れることはGOOD。でも周辺は滲んでいますね。中央は良い感じです。私はまだXFレンズの経験は2本目の新参者ですが(1本目は18-55mm)富士フィルムのズームレンズは周辺画質は良くない印象を持ちました。じゃあ遠景ならどうだろう…↓↓↓
うーん。(何度も擦って申し訳ない)NikonのZに比べると天地の差がありますなぁ。まぁでもそれを理解して受け入れた上でXFマウントを楽しもうと思っているので問題なしです。周辺は捨てよう、日の丸構図なら任せとけぇ!
望遠端の描写力もチェック。うむ、パキパキに解像する訳ではなさそう。でも普段からオールドレンズを使っている身としてはここまで写れば及第点なのです。描写力を求めたければ単焦点に手を出すべきかな。
5.レンズ手ぶれ補正が3段分。
無いより有るほうが良い!でもカタログ上で3段なので依存してはダメかも。心の保険として覚えておきましょう。スチルでのお話ですが、仮に実用上2段くらい手ブレを抑制できるとすれば→暗所で感度を2段下げられるということになります。夜の室内(Ev5)でワイド端換算23mm使用・本来はシャッタースピード1/30秒・F値は開放F3.5・ISO感度1250あたりが適として、ここからシャッタースピードを2段下げると1/8秒・ISO感度320となります。APS-CセンサーのカメラでISO感度を1250から320まで下げられれば画質にかなりリターンされるかと。お部屋で料理を撮る…とかなら恩恵あるかも。(動画での効きは検証していませんが、3段程度なら過度な期待は出来ない…かな)
6.レンズ構成は豪華。
レンズ構成は9群10枚。そのうち3枚が非球面レンズ・2枚がEDレンズです。APS-Cのサイズ感だからこそこの価格でここまで豪華にできるのでしょう。ただし公式HP上でもMTF曲線は公開されていなかったので、実際写りがどうなのかは自己判断となります。じゃぁ意地悪なテスト撮影やっていきましょう↓↓↓
逆光でフリンジでる?
めちゃくちゃ意地悪な被写体(光る壁)を見つけました。いやいや、フリンジ耐性良くないですかコレ。こちらはCapture One Express FUJIFILMのRAW現像でレンズプロファイル補正ONです。ソフト的に消しているだけかもしれませんが結果OKならOK!
さらに意地悪なド逆光です。拡大すると流石にパープルフリンジが出てます。この価格でこれだけ頑張ってることにむしろ拍手ですね。少なくともキヤノンの撒き餌50mmF1.8より優秀。(比較そこ?)
ボケる?
ボケません!残念。トレードオフで失っている部分でしょうね。1番ボケやすい望遠端でピントは前から3番目のハトです。うーん、ボカしたければ単焦点ですね。
結論、売るのやめた!
本当は次のレンズ購入の下取り用にするつもりだったんですけどね。XC 15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ、やるじゃん!と言うのがファーストインプレッションでした。とんでもないコスパで手に入り、めちゃくちゃ軽く、沈胴式であることも苦にならず、寄れるし、手ぶれ補正もあります。ズームしたければできるし、画角も換算23-69mmと実用的。中古売却相場は10000円界隈、売っちゃえば実質タダみたいなレンズ。もし高望みするならXF16-80mmF4 R OIS WRがあります。こっちは防塵防滴かつ6段分の手ぶれ補正・換算24−120mmのF4通しで使える万能仕様ですが価格は90000円代。さぁどうします?15-45mmならキットレンズ購入で実質10000円ですよ奥さんッ!
最後までお読みいただきありがとうございます。では諸君、良きキットレンズLIFEを!かしこ。
ブログ管理人:isofss(イソフス)