レトロでかっこいいZfc Blackか?Zマウント最安値のZ30か?買うならどっち?今回はそんな悩める子羊にお送りする外観比較記事ですが、ところがどっこい!デザインだけじゃない違いすぎる使用感についても是非ご査収下さい。

まずは1分のショート動画をどうぞ!

上下左右から眺めよう。

実際に使ってみて感じたことを一言で表現するとデザインに紐づく機能性が全く違う2機種でした。Z30はすごく機能的。Zfcはカジュアルな撮影を楽しむカメラ。そんな感じです。具体例をカメラ正面から申し上げます。(以下、Zfcは三角環を外しホットシューカバーをつけています。Z30はデフォルト装備です。)

Z30とZfc Blackの外観比較・正面。ファンクションボタンの違いは大きい。

Z30には人差し指・薬指の位置にファンクションボタンが2つありますが、Zfcは1つです。使っているとやはりZ30の方が撮影の汎用度がダンチで上だと感じます。あと裸族で使うZfcはシャッターレリーズ時にファンクションボタンまで指で押してしまうことが多く、先人方の話によると外付けのグリップや革ケースを使うと誤操作を減らせるとのことでした。

Z30とZfc Blackの外観比較・背面。再生ボタンの位置が大きく異なる。使用感もかなり違う。

背面液晶側で違うのは再生ボタンの位置。Z30は右手で操作を完結できます。Zfcでは再生ボタンの代わりにDISPボタンが配置されております。これはこれで多用するボタンなのでありがたいのですが再生ボタンロスの痛手は否めず、ファンクションボタンがもう一つ欲しいと歯軋りするこの頃です。これは圧倒的にかっこいいデザインとトレードオフなのでしょう。

Z30とZfc Blackの外観比較・左側面。USB-Cケーブルが採用されている。イヤホンジャックの位置は違う。

左側面のゴム蓋の開けやすさは両機ともGood。USB-C給電に対応している点もGood。ところが音声入力の穴がバリアングル液晶に干渉する位置に鎮座しているZfc。なんだそれ(怒)!? 後続機のZ30では改善されたので干渉しません。

Z30とZfc Blackの外観比較・グリップ側(右側面)。言うまでもなく握り心地は全く異なる。

グリップ側の右側面をご覧下さい。このグリップ有無の違いは大きいです。Z30はフルサイズ機にも肉薄する握り心地を提供してくれます。Zfcはグリップ感を生贄に捧げて秀でたデザインと軽量化を実現させたのでしょう。

Z30とZfc Blackでは普段の持ち歩き方が全く異なることを示した図。ぶら下げる、もしくは抱え込む。
持ち方の違い。

これは持ち歩く方法の違いに直結しまして、Z30は(100円均一で買ったリングストラップを命綱にして)グリップに指を引っ掛けてプラプラ持ち歩けるのです。これに対し裸族のZfcは下から抱え込むような仕方でニギニギしながら持ち歩くことになりました。(小生ストラップが嫌いでして)裸族運用は圧倒的にZ30が楽だと感じました。

Z30とZfc Blackの外観比較・底面。質感が圧倒的に違う。Zfcはチープ。

底面も違うんです。カタログ上、Z30にはマグネシウム合金の記載は見当たらないのですが表面が梨地加工されておりチープな印象は皆無です。一方でマグネシウム合金と謳われるZfcですが表面はツルツル加工でちょっとプラスチックっぽい印象すら感じます。おそらく重心の感じ方の違いなのでしょうけど、Zfc(本体重量445g)は軍艦部がずっしりしていて底がスカスカしている印象なのです。Z30(本体重量405g)の方がバランスが良く好感が持てます。※個人の感想です。

Z30とZfc Blackの外観比較・上面。ユーザーセッティングが非搭載になったZfcは辛い。その代わりデザインはクールだ。

この底面の仕様の違いかどうかは定かではありませんがシャッター音も違います。ここまで計算して設計されているとしたらアッパレですが(あくまで私の印象ですけども)Zfcのシャッター音は非常にフィルムカメラっぽい艶やかさを感じるのです。刺さる人には刺さると思いますぞ。

本家フィルムカメラと比較

せっかくなのでフィルムカメラとも比べてみましょう。往年の庶民カメラ・Nikomat ELに登場してもらいました。ぬぬ…これだけでビール3杯おかわりできそうです。

Zfc Blackとフィルムカメラを比べてみよう。Nikomat ELを並べてみた。

Zfcは横幅が結構あるんだな…と思いました。Nikomat ELはオール金属ボディですからズシっと重さを感じます(それがいいのですが)。本家と比べるとZfcのボディは非常に軽量です。軽くしないと若い世代に売れないのでしょう。オールドレンズを装着するとそれなりに安定しますが前述の通り重心がどこにあるか分からない感じは依然ありますね。

Zfc BlackとNikomat ELの外観比較。上面から。

とはいえデメリットや不便さを凌駕する卓越したデザインに心を鷲掴みされること請け合いです。デジタルカメラにもロマンを求めても大丈夫なんだよとZfcは語りかけてくれます(妄想)。結局お金を払うのは自分なのですから、この意匠を採用したNikonにお布施を払いたい方はZfc一択でファイナルアンサーでしょう。

どっちを買うべきか?

冒頭で述べた通り、機能性を求めるならZ30は非常に優れたカメラだと思います。握りやすいグリップ・隙のないハードウェア・最安値と思わせない堅牢性、間違いなくお値段以上ニトリ状態です。電子ビューファインダー非搭載であることが最大のネックでしょう。

この度ZfcにBlackが追加されたことで歓喜したオジ層は多いことでしょう。私もその1人です。小型軽量とデザインを両立させつつお値段も抑えめです。センサーなど多くの部品がZ50やZ30の流用品です(だから安いのかも)。撮れる絵は同じですが撮影中の自己満足感は特筆すべきものがあります。趣味においてはここは肝でしょう。

石油王なら別として我々庶民には財力に限界があります。どちらを買うべきか?決断を迫られるわけです。しかしその迷える時間は至福のひとときでもあり、カメラ大国ニッポンに生まれて良かったと思う瞬間でもあります。さて貴方様はどちらのカメラを買いますか?よき選択にならんことを。

P.S. この記事のYouTube版を投稿しました!開封初日に撮影したので若干ウザいですが(´ཀ`)

ブログ管理人:isofss(イソフス)