FUJIFILMから発表されたX-Eシリーズの第四世代X-E4。その類を見ない美しさたるや!いやはや本気で欲しくなってしまった。動機はただ美しいからですけど何か。美しいは正義だ。首の皮一枚で(今は)思いとどまっているが、感情で買い物をして散財してきた経験を生かすべく、X-E4のどこに惚れたのか冷静に分析してみようと思う。ブロガーがこんな事を言うのはおかしいが、同機の購入を検討している人には続きを見てほしくない。さぁカメラ選びで重要な見た目中身を忖度なしで天秤にかけてみようじゃないか。いやホントただの日記になってしまっているので悪しからず!

1.唯一無二のデザイン。

X-E4のカタログをもらってきました。
カタログもらってきました。

Less is more.

「ないほどにある」と訳される、近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエの名言がある。その言葉を具現化したかのようなX-E4。安直な表現だがライカみたいだ。グリップやボタンを減らしたおかげで洗練されたデザインに仕上がっている。かつ、小さく軽い。レンズ次第ではポケットに入るサイズ感だ。これはヤバい。なにも気負う事なくスナップ撮影に持ち出せてしまう。お家芸フィルムシュミレーションをもってすれば加工など無くとも写真は既にエモい。つまるところ息をするようにシャッターが切れて絵も綺麗。そんな気分に酔えるX-E4。

海外での紹介動画。字幕付きでご覧下さい。

初値が10万円を切る。

この、してやられた感。本体価格で10万切るなんて実質無料みたいなものだ(?)。はっきり言って安過ぎる。同じ画像エンジンを搭載し、同じようなレンジファインダー風のXpro3は2倍の価格だもの。カメラ沼住人の沽券をかけて宣言しよう。これから写真を始めたい人・初めてカメラを買う人にはX-E4は超絶オススメだ!たとえX-E4を買ったことが原因でカメラ沼にハマったとしてもFUJIFILMならレンズマウントは1種類だからレンズが無駄になることはない。X-E4に組み合わせるべきレンズは新型パンケーキXF27mmF2.8 R WR一択だろう。これぞミニマリズムの代名詞。

2.フルサイズ信者の壁。

しかし私は既にフルサイズミラーレスNikon Z6を所有している。X-E4になくてZ6にあるもの、それはフルサイズセンサーだ。どんなに美しいデザインであってもX-E4の中身はAPS-Cセンサーなのだ。だから何だ?と思う方もいるだろう。しかし私は知っている。センサーの大きさは色の豊かさに直結している。ボケ量も大きい。暗所にも強い。一度フルサイズに手を出してしまうと抜けられない壁に囲まれてしまう。

(身の上話で申し訳ないが)過去に使ったAPS-CセンサーのカメラはCanonのEOS80D(レンズキットで15万円で購入)、FUJIFILMのX-T20(購入時7万円)、そしてSONYのa6400(実質9万で発売日購入)の計3台。一方でフルサイズセンサーはNikonのD610(購入時12万円)とZ6(購入時25万円)の2台。各々のカメラの特徴が出ているように思える写真を並べてみよう。

EOS80DでCBR250Rを撮る。
APS-C / Canon EOS80D
X-T10で撮影。
APS-C / FUJIFILM X-T20
a6400でマラソンを撮る。
APS-C / SONY a6400
D610で猫ちゃんを撮る。
フルサイズ / Nikon D610
85mmで花束を撮る。
フルサイズ / Nikon Z6

明らかにフルサイズの色は素晴らしい(と言うバイアス)。その事実を身銭を切って理解していたはずだったのだが…。あまりにインパクトのあるX-E4のミニマルデザインに過去の記憶などすっ飛んでしまった。加えて(前の記事でも書いていたように)ここ最近はRAW現像に疲れていたのも事実。見た目がきっかけとはいえ、このタイミングでJPEG撮って出しを得意とするFUJIFILMのプロダクトに思わず引き込まれそうになっていた。

3.実機がない!

もう買う気持ち8割でヨドバシカメラへ実機を触りに行ってきた。X-E4の発売日は少し先なので型落ちX-E3を試してみたい…と。しかし既にディスコンだったのか、売り場にX-E3はなかった。代わりに鎮座していたのは新型兄弟機のX-S10。グリップを除けば形状はX-E4と似ている。ここからイメージを逆算しようとX-S10を構えてみたところ…。

これはオシャレガジェットだ。

手にとったファーストインプレッションはこれだった。いわゆる昭和なカメラっぽさはない。フィルム時代のオール金属ボディの重厚感とは真逆にあるようなスマートガジェットとでも言えようか。ボディは軽く、取り回しも良い。これだと持ち運びの負担は減るだろう。シャッター音も品よく控えめ。カメラ自体に押しの強さはなく、持っている本人をオシャレに見せるガジェットのような印象だった。10代〜20代の若者に間違いなく似合う、そんな佇まい。(※個人の感想です。)

ここで我に返る。いかに「重いデカいフルサイズを使っている俺かっこいい症候群」が深く根付いていたことか。その欲求を満たす動力は単に見栄だ。だったらライカっぽいという理由でX-E4を選ぶのではなく本当にライカに行くべきだ。

値段の理由。

X-S10のスマートさと手元にあるZ6の違いを考えてみた。発売開始時の値段にして2倍。当然、ものとしての作り込みも違う。Z6は重いしデカい。カメラの中に部品がずっしり詰まっている感が凄い。ボタンひとつとっても、触って心地よい部材が選ばれている。それを言い出すとキリがないが、昔のフィルムカメラなんて最高の触り心地がする。ガラスと鉄の塊だから重いし冷たい。道具感が強いのだ。X-S10からはそれを感じなかった。でもかっこいい写真はきっと撮れる。コスパだって良い。では、さらに安価なX-E4はどうだろうか?「これぞ心躍らせる道具だ!」と言わせてくれるのか君は?

フィルムカメラNikomat EL
これはフィルムカメラ。こういう本物感がほしいのだ。

結論。

道具としてのユーザビリティで考慮すると、2020年以降のSONY(a7siii/a1)・Canon(EOS R5/R6)・Nikon(Z6ii/Z7ii)のフルサイズミラーレスカメラは一線を超えたように思える。価格からしても、これら重鎮フルサイズを超えるAPS-Cカメラは存在しないと思う。私が所有している初代Z6も(Z6iiに比べれば見劣りするものの)そもそも道具の完成度を下位モデルと比較するのがお門違いだろうし、むしろ上位機種に肉薄している事を喜ぶべきだった。見た目だけで乗り換えても結局飽きた頃にZ6iiに買い戻る姿が目に見えている。実用性を取るならオシャレX-E4ではなくガチフルサイズに軍配が上がる。ではサブ機としてX-E4はありか?否。たとえ湯水のように予算があったとしても(ないけど)他社マウントを平行して運用するのは気持ちが悪いのだ。……………結果、X-E4の購入をギリギリのギリで踏みとどまった。

でも本当は。こんな時代だから、心の底では日本企業であるFUJIFILMを(買って)応援したい気持ちはある。生き延びるためとはいえNikonが国内製造拠点をタイに移したこのタイミングだから尚更FUJIFILMに肩入れしたいのは人の性だ。きっかけさえあれば、国内製造を押し通すFUJIFILMかSIGMAで私はカメラ機材を統一したい。だってロマンがあるじゃない。老舗のCanon・Nikonを超えるジャパンクラフトを提案してくれないかFUJIFILMさんよ。(もうそんな昭和理論が通用しない時代なのは承知しているが。)

※追記。後で知りましたがX-E4は海外製造でした。

逆転ホームランはあるか?

店舗に実機が届いたら改めて触りに行こう。もしかしたら、もしかするかもしれない。その余白も含めてカメラ遊びということにしておこう。確かめたい点が1つ。マニュアルフォーカス時の操作性だ。ちなみにZ6のマニュアルフォーカスレンズ使用時の操作性は◎、ピント拡大機能を含め抜群に使いやすい。もしX-E4がZ6に肉薄するなら、voightlanderのVMマウントレンズをアダプター経由でX-E4に取り付けて超ミニマル仕様でF8固定ノーファインダースナップなんて…ぐふふ、よだれが止まらないぜ。

カメラ沼というのは考えている時が1番楽しいものだ。万が一にも1/10000の確率を引き当てた場合は続編を書くことにしよう。

では諸君、良き沼LIFEを!かしこ。

ブログ管理人:isofss(イソフス)

※追記。万が一を引いてしまいました↓↓↓

※追記2。からの作例↓↓↓