お安いレンズだから描写もチープなんでしょう?待て待て待て待て〜!このレンズ・7Artisans 18mm F6.3 II はちょっと違いますよ。もちろん癖も弱点もありますけどね。写真を見てもらった方が話が早いので早速参りましょう!(このレンズの外観や基本的なスペック云々は前回の記事を参照下さい↓)

お気に入りカット。

到着以来毎日このレンズでスナップ写真を撮り続けていますが、8000円前半の価格を考慮に入れると文句など言えないと言う前提がありつつも、決して安かろう悪かろうでもなくお世辞を抜いてもそれなりに写るなぁと感心しております。特に中央部分は良い印象です。周辺は拡大すると流れてますけどね。

7Artisans 18mm F6.3 II 実写作例01。空港ロビーの屋根を撮影。逆光状態だが程よく解像している。

もう1つの強みは最短撮影距離30cmとそこそこ寄れること。↓ショーケースに入っていたキン肉マンのフィギュアを撮影してみました。無限遠・固定焦点がセオリーのボディキャップレンズでこんな撮影が出来るなんて、お得満載です。

7Artisans 18mm F6.3 II 実写作例02。最短撮影距離付近でキン肉マンのフィギュアを撮影。なかなか良い写りだ。

後述しますが逆光・斜光が入るとすぐコントラストが低下します。その時のオールドレンズライクな描写が結構好きでした。安直な表現なのですが、まるで写ルンですのデジタルカメラ版みたいです。

7Artisans 18mm F6.3 II 実写作例03。古いコーヒーショップの外観を撮影。こういうレトロな被写体との相性は良い。

この記事に掲載している写真とは別カットで編集したYouTubeレビュー編もご用意しております。お時間ある方・ご興味湧いた方は是非どうぞ!

大満足の買い物となりました。

このフレアは癖か?味か?

当方、正直レビューがモットーですので抜き差しならない弱点に触れておきたいと思います。それは逆光時のフレアです!条件付きで変な…あ、いや、個性的なフレアが出ます。

7Artisans 18mm F6.3 II 実写作例04。逆光テスト。興味深いことに光源が中央にある場合は思いの外フレアは出ない例。

↑不思議なことに光源が中央にある場合は気にならないのですが、↓周辺だと下の写真のようにシャワーのようなフレアが発生します。薄い鏡筒内の何かが悪さをしているのでしょう。対策しようにもフードはフィルター枠がないので着きませんし、広角レンズなのでハレ切りしたら手が写り込みます。

7Artisans 18mm F6.3 II 実写作例05。逆光テストの続き。周辺に光源を置くとシャワーのようなフレアが出る。
シャワァァァー

↓光源が画面の外にある場合でも、逆光や斜光だとコントラストが低下したり薄いフレアが写り込んだりします。これをエモいと捉える広い心を持てるかどうか?己の器が試されます。

7Artisans 18mm F6.3 II 実写作例06。さらに逆光テスト。光源が画面外の場合はコントラスト低下が見受けられた。決して悪くはない。
真ん中ぼんやり。

だがしかし弱点らしい弱点はこれくらいなのです。そもそもトイレンズの類でしょうから目くじらを立てずに素直に楽しみましょう。YouTube編でも喋っておりますが、このレンズの真価はコンパクト由来のスナップ属性全振り構造にあります。小さいは正義、ここに尽きます。トレードオフで失ったものが逆光耐性ということにしておきましょう。

その他の特徴。

7Artisans 18mm F6.3 IIを検討されている方に向けてネガティブな事実もお届けするのがブロガーの務めでございましょう。幾ばくかの軽微な癖もございまして、例えば若干の樽型収差が見受けられます。真っ直ぐなものが写り込む場合は注意が必要です。まぁ…注意したとて結局曲がるんですけどね!許してあげて下さい。

7Artisans 18mm F6.3 II 実写作例07。そこそこ樽型の歪曲収差は出る。真っ直ぐな被写体が入ると違和感があるかも。
若干の樽型。

周辺減光も強いです。スナップ写真では特に気になりませんでしたが、集合写真で友達を撮影した時に(周辺描写が流れることも相まって)端っこの人の顔がどんよりしてしまったのは内緒の話です…。

7Artisans 18mm F6.3 II 実写作例08。周辺減光も結構ある。個人的には好きな癖なので補正はしない。

F値が常にF6.3で固定される件に関しては、これがネックになるのは暗い場所での撮影でしょう。実際、手持ちの夜スナップではシャッタースピード1/30秒とか1/40秒を基準にしてISO感度1600〜6400くらいの露出となりました。APS-C機なので1600くらいで収まって欲しいのが本音です。一重に自分の手ブレ・被写体の動体ブレノイズとの戦いでした。「フィルムっぽくてヨシッ!!」という謎理論で乗り越えます。

7Artisans 18mm F6.3 II 実写作例09。F6.3固定絞りは暗いシーンでは正直きつい。ISO感度を上げる他ない。

APS-Cセンサーで開放F6.3ですからボケ量は小さいです。ボケ倒したい病の方は素直に大口径のAFレンズを買いましょう!

7Artisans 18mm F6.3 II 実写作例10。APS-CセンサーでF6.3だとボケ量は小さい。

ボケさせるより何も考えないで被写界深度広くパシャパシャ撮り歩くお散歩レンズとして受け入れる方が幸せになれるような気がします。

7Artisans 18mm F6.3 II 実写作例12。無印良品の休憩コーナーで100円コーヒーを頂く。こういうスナップに相性の良いレンズだ。

まとめ。

今までずっと純正レンズの美しい描写を堪能しておりましたので(それに慣れていたこともあり)、久々にエモいっぽいレンズを使った時の新鮮さはひとしおでした。飽きるまで使い倒してみようと思います。飽きてもボディキャップにはなりますしね。

7Artisans 18mm F6.3 II 実写作例12。道端に落ちている松ぼっくり。ピキピキに解像しないが味のあるレンズだと思う。

個人的に広角レンズは苦手なジャンルだったので避けていたんですよね。ところが、いざ換算27mm画角をスナップに持ち込んでみると楽しいのなんの。食わず嫌いはいけませんね。あとGRが売れている理由がしみじみ分かりました。こりゃ楽しいわ。

次回は毎月恒例の一日一撮・博多うろうろSNAP・2月編を投稿する予定です。今回は NIKKOR Z 28mm f/2.8 と 7Artisans 18mm F6.3 II が混在してます。純正vsサードパーティの撒き餌レンズ対決と参りましょう!では諸君、よきレンズ沼LIFEを。

ブログ管理人:isofss(イソフス)