同じレンズを2個買ってしまった。いや…正直に吐露するとこの記事を書いている最中に3個目が届いてしまった。こうなったら骨の髄まで独身を謳歌してやろうと思う。そんな言い訳と開き直りに満ちた記事を読もうと言うのか?あなたは。

「特に意味はない」

この言葉は我がバイブルでもあるSTEINS;GATEの主人公・鳳凰院凶真の口癖である。そうだ、同じレンズを2個3個買おうが特に意味はない。ないのだ。ただ単に形に見惚れて脊髄反射でポチってしまったのだ。私が買おうが買わなかろうが世界線に変化は起きない。全ては虚しい。エル・プサイ・コンガリ。

見てください、2本目のE-LUCKY 75mm F3.5を購入!
左が2本目・右は既に持っていたやつ。

そんなささくれた心を潤してくれる開封の儀。購入したのは1950年代前半製造と言われる藤本写真機の引き伸ばしレンズE-LUCLY 75mm F3.5(左側)。外観の状態は非常に良かった。右が1本目。プロテクトフィルターをパーマセルテープでぐるぐるに巻き付けている。多少不恰好になるが前玉保護のために妥協している。

引き伸ばしレンズとは何ぞ?とハテナが浮かんだ紳士淑女の皆様は↑過去記事から全貌を掴まれたし。要は、フィルム引き伸ばし機の中で眠っていたレンズを現代のデジタルカメラに無理矢理くっつけて撮影を嗜む行為である。

傷の有無は博打。

実のところレンズの状態が良い(傷の少ない)玉であったらば…と言う下心はある。特に1本目は小傷が酷かったので、あわよくば2本目でツルツルのピカピカ玉を!と願うのである。有象無象のフリマサイトで銘玉を引き当てるのは博打でしかないが。

なぜ2本目を買ったかというと、1本目が傷玉だったからです。

ドキドキのレンズチェックである。この瞬間が楽しくもあり、緊張もする。パッと見は分からない。もう少し近寄ってみよう。

ライトに当ててみると2本目の方が傷が浅いことが分かります。

う、うむ。確かに1本目よりは傷の数は少なそうだ。しかしよく見ると大きめの拭き傷が前玉に散見される。惜しい!

安いから買ってしまう。

届いたばかりでまだ写真は撮っていないのだが、3本目はジャンク品購入だった。とはいえ実際はレンズ中玉が曇っている程度。E-LUCKY 75mm F3.5は3群3枚のレンズ構成なのでバルサム切れではないと思う。中玉がカビているだけならワンチャン復旧出来るかも?と淡い期待を抱いている。

とにかく引き伸ばしレンズ界隈は値段が安いから困る(いや嬉しい)。当レンズに関していえば順に1999円・2410円・1010円(全て送料込)なのだ。安過ぎる。もちろんフランジバックの調整を自分で行わねばならない苦行とか…ヘリコイド付きアダプターで10倍くらいの出費が必要だとか…不都合な現実には蓋をしている。

思い入れだけでもいいじゃないか。

極端なことを言えばレンズなんて1個あれば十分だろう。どうせカメラに装着できるレンズなんて1個なんだから。でも、私の場合は引き伸ばしレンズは人生初めてのレンズ分解清掃を体験した思い入れがある。これがあったからブログもYouTubeも続けられたと言っていい。あぁ、そういえば初めて買った時に中古屋の店主に煽られたっけ…。

いずれにしても、この小ぶりな佇まいには胸を締め付けられるのだ。かつて日本の職人たちが設計し製造したプロダクトたちに敬意を表し、歴史の鱗片を感じながらビールを頂こう。

全部大好き、引き伸ばしレンズ大集合!

さて、週1回のYouTubeとブログの同時投稿であるが、同じネタであるにも関わらず台本が各々違うという苦行を始めて早9ヶ月。ところが、好きなことであるから無限に言葉が出てくるから不思議だ。イメージは酒でも飲み交わしながら延々続くカメラ雑談…である。いやはや読者・ならびに視聴者の皆様には頭が上がらない。

そうだ!レンズ沼は同じレンズを複数買ってからがある意味始まりなのだ!…という訳のわからない締めもまた一興。では諸君、良きレンズ沼LIFEを!かしこ。

ブログ管理人:isofss(イソフス)